W杯2014よもやま噺・その②~敗北寸前★ニッポン袋小路篇 | 旅ログ~とある京都フミンの奇妙なおでかけ☆

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Japanese squad 2014 from FIFA HP_2


さて2戦目・ギリシャ代表との一戦。


Greece National squad


大会開催前、グループリーグの組み合わせが決まった時点で、日本のマスコミが「一番勝てそうなチーム」として挙って名前を上げたのがこのギリシャ代表でした。スペインやドイツ、イタリア、オランダといった国々と較べると、ギリシャのサッカーについては情報が乏しく、一般の人々やマスコミのスポーツ担当者に「ギリシャ=サッカー」という図式が思い浮かばなかったので、そういった判断がなされたのでしょう。


Shrine of Parthenon
ギリシャといえばこんなイメージ


実際には、国内リーグにオリンピアコス、パナシナイコス、AEKといったチャンピオンズリーグ出場の常連チームを擁する、クラブチームレベルでのサッカー強豪国なのです。中でもオリンピアコスは、昨季のチャンピオンズリーグ決勝トーナメントで香川真司の属するマンチェスター・ユナイテッドをあと一歩のところまで追いつめた侮れない相手です。


Olympiakos FC
オリンピアコスFC


ただ泣き所は、各チームとも攻撃陣をもっぱら外国の選手を雇って手っ取り早く構成してしまうので、ギリシャ人選手が攻撃面で高いレベルでの試合経験を積めず、優秀な自国のアタッカーが育たないという点です。その反面、ワールドクラスの攻撃陣に対処するためにやたらとディフェンスの技術に長けた選手が多数排出され、「強力なディフェンス陣と貧弱な攻撃陣」という構成で、守備力のみが突出したアンバランスな代表チームしか編成できないという厳しい台所事情があるのです。


Phalanx image from interactive learning.com
「がっちり守って押しまくる」はギリシャ伝統?古代の重装歩兵"ファランクス"


そんなアンバランスなチーム力しか無いながらも、厳しく長いヨーロッパの予選を勝ち抜けたというのは、実は短所を認識して長所をフルに活かすという、現実路線のチーム作りが出来る手強い相手である証明だと思うのですが、そういった事実を認識できず「ギリシャのサッカーって良く知らないし、有名じゃないから勝てるでしょ?」という安易なプレッシャーを日本代表に与えてしまったのは、日本マスコミの失策といえるでしょう。


Greeks disapointed
「そんなに弱いと思われていたなんて」


また試合の流れもギリシャのディフェンス偏重に拍車をかけます。これは想像ですが、恐らくギリシャの勝敗プランとしては、

 第1戦 △ ギリシャ 0-0 コロンビア △
 第2戦 ◯ ギリシャ 1-0 日本 ×
 第3戦 △ ギリシャ 0-0 コートディヴォワール △

他はともかく日本にはとにかく勝って、1勝0敗2分の勝ち点5で予選2位通過を狙っていたかと思います。ただ初戦コロンビアに惨敗した上、肝心の日本戦でも前半途中でカツラニスが累積警告で退場という想定外の経過に、本来の「勝ちにいく試合」から、より固く守って「負けない試合」へとチームの方向性を転換せざるを得なくなります。


The Naniwa's supervisor
「カツラ」の人…


んな訳で★相手のギリシャが「攻撃自粛・守備専念」へチーム戦術を転換をしてしまったので、かねてからの課題とされる「がっちり守った相手を崩せない」という日本代表の弱点が露呈してしまったので、結果として相手を崩しきれず引き分けに持ち込まれた、というのが実情でしょう。ある部分「ギリシャの作戦勝ち」とも言えなくないです。


Kagawa disapointed


この先、日本代表が「本当に」世界で勝ち上がっていくためには、日本のサッカーファンがこだわる「流れるようなパスサッカー」も必要なのでしょうが、がっちりと守った戦力的に劣る相手を、まるで城を攻めるようにジワジワと崩していくような「攻城戦」のようなプレーがやっぱり必要だな、と改めて痛感した試合でした。


そういった意味で今回の対戦を今後の教訓として活かせれば、非常に意義のあった試合かと思うのですが、果たして何人の日本のサッカーファンおよび協会関係者がこの事に気づいているのかは疑問です。


さて、次回のコロンビア戦。日本はコロンビアに大量点差をつけて勝利するとともに、ギリシャにコートディヴォワールを小得点差で打ち負かしてもらって、はじめてグループリーグを突破できるのですが、現状のギリシャがコートディヴォワール相手に1点でも取って勝てるチームであるかどうかは、はなはだ疑問です。


Tiring Greek
つかれた~