先日、「『近鉄内部・八王子線』今後の行方」というテーマで、2度ほどブログを書きました。


『近鉄内部・八王子線』今後の行方 ① 【現状整理、そしてタイムリミット】

http://ameblo.jp/mori-tomohiro/entry-11209058849.html


『近鉄内部・八王子線』今後の行方② 【市、議会の取り組み】

http://ameblo.jp/mori-tomohiro/entry-11209176279.html


 このブログに対して大きな反響がありました。


 一時的に、普段のブログのアクセス数の倍近くのアクセス数がありました。


この理由を検証していくと、読者の方が、「mixi」や「2ちゃんねる」にリンクを張って頂いたという事が分かりました。


 その結果、鉄道に興味をお持ちの方のコメントをたくさん頂ました。


 コメントの内容はブログのコメントを読んで頂くと分かるのですが、専門的な話が多いですが全体として建設的なご意見が多かったです。


 頂いたコメントの内容を精査しながら、諸課題の解決に活かしていきたいと思います。



 前置きが長くなりましたが、先日4月10日に「議員政策研究会 総合交通政策分科会」が開かれました。


今回も前回に引き続き、『近鉄内部・八王子線』の存廃について議論がなされました。



 前回、私は三岐鉄道北勢線の現状についての資料請求を行いました。


 近鉄が国土交通省に北勢線の『鉄道事業廃止届』を出したのが平成14年3月ですので、現時点でちょうど10年が経過します。(実際に近鉄の手を離れたのは平成15年3月)


 条件は異なりますが、「近鉄内部・八王子線」の今後について参考になる部分も多いのではないかという趣旨での資料請求でした。


 私の資料請求を受けて、今回の分科会で北勢線の現状についての報告がありました。



 北勢線は、平成15年から近鉄の受け皿として三岐鉄道が運行を行っています。


三岐鉄道に代わる前は、近鉄は北勢線で年間7億円程度の赤字を計上していました。


 この事から、三岐鉄道への運営主体の変更と同時に、三岐鉄道への公的機関からの資金補助もセットで行われました。


 平成15年4月~平成25年3月までの10年間に、市・町が合計で55億円、国が11.5億、県が7.5億円と合計で74億円の公費投入が約束されました。


 この公費は、運営費補助の他、車両の改修や駅の改修、駅の統廃合等に充てられたとのことです。


では、10年経った現在の北勢線の業績はどうなっているのか。


 三岐鉄道に移行直後の平成15年の乗客数が206万人であったのに対して、直近データの平成22年度の乗客数は227万人です。


 平成15年度から比べる10%以上の乗客の伸びですが、平成15年度に立てられた10ヵ年計画では平成22年度は289万人を予測しており、当初の予測に比べて60万人以上も低い実績となっています。


 経営実態の方はというと、経常利益ベースで平成21年度が▲4.7億円、平成22年度で▲3.8億円となっています。


 つまり、経営自体は改善したものの、依然三岐鉄道だけでの独立採算には至っていないというのが現状です。


 先月の3月30日の中日新聞に掲載されていましたが、北勢線に補助を行っている「桑名市」「いなべ市」「東員町」の首長と三岐鉄道の社長との間で、補助金の期限が切れる平成25年度以降の補助について協議の場が持たれた様です。


 記事によると、三岐鉄道は三市町に対して、平成25年度~平成29年度に新たに11.4億円の補助を要請したのに対して、桑名市、いなべ市は賛同、東員町は「町民や議会の意見を集約する時間が欲しい」と態度を保留にしました。


 そして、平成25年度単年度の暫定的支援に落ち着いたとの事です。平成26年度以降の補助については、今後の協議によって決められます。


 この様に、北勢線についても未だ行政支援という大きな問題を抱えていることになります。



 内部・八王子線は路線距離 7.0kmに対して年間乗客数が362万人、北勢線は路線距離20.4kmに対して乗客数が227万人と「内部・八王子線」は「北勢線」に対して経営改善の余地がある事は事実です。


 様々なデータを持ち寄り、今後四日市市議会でも「内部・八王子線」の議論をしていかねばなりません。



 私は、今回の分科会の中で、「タイムリミットである平成25年度夏に向けて、議会においても特別委員会を設け、行政側においても鉄道経営の専門家を含めたプロジェクトチームを組み、当問題に対峙していくべきである。」と発言させて頂きました。


 残す残さないという感情論で議論するのではなく、経営的視点からどの様にすれば収支が改善するのかを議論すべきです。

 

 例えば、現在内部・八王子線は年間3億円弱の赤字ですが、近鉄の本社経費も按分という形で入っている可能性もあります。


 ただ、そういった細かい情報が入っていないというのが事実です。


細かな情報を集め、内部・八王子線で何が起こっているのかを知らなければなりません。


 1年半後に、細かなデータ無しに感情論で存廃を決めるという事にならない様に、議会での特別委員会、行政側のプロジェクトチームの設置についてはしっかり発言していきたいと思います。


 私は、以前、事業再生支援業務という経営が傾きかけた企業の建て直しを行うという仕事についていました。


その時のノウハウを今回の内部・八王子線においても、出来る限り発揮していきたいと思います。