3月28日に行われた四日市市議会『議員政策研究会 総合交通政策分科会』にて、「近鉄内部・八王子線」について議論がなされました。


 「近鉄内部・八王子線」の今後の方向について、様々な議論がなされている事は皆さんもご存知かと思います。


 私も市議会議員になる前から、内部・八王子線が不採算路線である事は耳にしておりましたが、これまで、新人議員が市議会で具体的な説明を受ける機会はありませんでした。


 市議会では以前から当問題について議論がなされてきましたが、新人議員にとっては今回の総合交通政策分科会にて初めて「内部・八王子線」の説明を受けることになりました。


 四日市市民の大きな移動手段であるので、情報発信の必要があると思い今回のブログのテーマとしました。



 私は四日市南高校に通っていましたので、学校が終わって四日市に移動する際には西日野線(八王子線)を使っていました。

 

 従って、自分自身にとってもなじみの深い線であります。


 まず、内部・八王子線の乗客数はというと、平成21年度で年間約362万人です。


この数は往復で乗ると2人と数えられる為、1日平均で約5,000人が乗車していることになります。


 30~15年前ぐらいまでは、年間の乗客数が500万人弱で推移していたことを考えると、乗客数は減少傾向にある事が分かります。


 乗客数の減少もあり、ここ数年、内部・八王子線の収支は経常損益で毎年2.6億円~2.8億円のマイナスと大幅な赤字であります。


 こういった点から、近鉄が内部・八王子線の継続について難色を示しています。



 内部・八王子線の今後を左右するキーワードは、『車両更新』であります。


 内部・八王子線の車両は、昭和24年製:3両、昭和29年製:3両、昭和57年製:4両、昭和58年製4両の計14両であります。(車両の古さに驚かれる方も多いと思います。)



 この内、昭和24年製、昭和29年製の車両更新の時期が近づいています。


内部・八王子線の車両は、平成27年度に車で言う車検の様なものがあるらしく、このタイミングでの車両更新が想定されています。


 ご存知の方も多いと思いますが、内部・八王子線は線路幅が狭い事で有名です。


特殊狭軌線といい、線路幅が76.2cmで日本一線路幅が狭い線です。


特殊狭軌線は、他に「三岐鉄道北勢線」「黒部峡谷鉄道」の全国で2線のみとなります。


 従って、特殊狭軌線が少ないものですから、車両の更新も他の線からの払い下げ等が出来ない状況にあります。


 よって、新規車両の購入という選択肢しかない訳ですが、新規車両はおおよそ1両、1.8億円掛かると試算されています。 



 年間3億円弱の経常損失を出し続ける線であり、更に平成27年度の車両更新時に1両約1.8億円×6両=約10.8億円の設備投資費用(現実には、その他経費もありもっと費用が増大します)が掛かる線を存続するかどうかを、民間企業である近鉄が検討するのは至極当然のことであると言えます。


 つまり、近鉄が平成27年度に向けて『車両更新を行う』と決断すれば『内部・八王子線は存続』、『車両更新を行わない』と決断すれば『内部・八王子線は廃線』となるのです。


 その意思決定を下すとされているタイミングが、平成25年度の夏とされています。


およそ1年半後になります。


 ですから、平成25年度夏に向けて『内部・八王子線』の存廃の議論が大きくなっていくると言えます。

こういった現状に対する四日市市の取り組みや議会の取り組みについては、次回以降のブログにて報告します。