現代の日本の建築家といえば
一般には安藤忠雄さん、建築専門家には伊東豊雄さん、文化人には磯崎新さん、事業主には隈研吾さん
ということのようですが、

本当に凄い日本の現代建築家は谷口吉生
(たにぐちよしお)さんなんです。
谷口さんは、極淡々と建築を作るのみで、雑誌でもマスコミでもほとんど語りませんし、しゃべりません。
ただ出来上がった建物のみで建築家は勝負する!といったタイプの先生です。

 

 

建築エコノミスト 森山のブログ


有名な建物としては
葛西臨海水族園
葛西臨海公園レストハウス
といったあたりは一般の方々でもよくよく見知っている建物ではないでしょうか

非常に寡黙な方といったイメージがありますが、実際にお会いしてみると気さくに話かけてくれる優しい方です。
谷口さんの凄いところはどこか?というと非常に玄人好みになってしまうのですが、
モノとモノがぶつかる、つながる部分のディテールなんです。

ガラスと石が一直線につながっていたり、スチールの枠にガラスがそのままはめ込まれていたり。
壁の頂部の石のエッジがキチッとそろっていたり、どうやってモノとモノがくっついているのか解らない。
どうしてここまで薄くシャープに揃えることができるのかわからない。
そんな魔法的テクニックで建築が作られている。

ところが、私の知り合いで、建築家とか建築とかよく知らない人たちでも、新しく出来た新宿のモード学園のビルは醜悪だ、とか麻布の高層マンションは不気味で気持ち悪い、新築になった青山紀伊国屋ビルは最低の建物だ。
とはっきり解っている。
その人たちが、「それに引き換え、葛西のガラスの建物は、なんか凄い」とか「国立博物館の新しい建物は凄い」とか「土門拳記念館はよかった」と、これまたはっきりおっしゃっている。
そこで、私は「ああ、それらは全部同じ人が設計されたんですよ」と教えてあげたところ、
ええ~!そうなんですか?誰なんですか?といつも言われます。

その人の名は 谷口吉生です。

玄人受けすると先に書きましたが、実は素人でも十二分にその建築の魅力が伝わっているのが、
谷口吉生さんなんです。
その人が、外苑前にまたまたもの凄いビルを建てました。
今度レポートしてこようと思います。


谷口吉生さんの新作レポート