技術士二次試験の概要と体験記(2)~技術体験論文・面接試験 | ものづくりエンジニアのたまり場ブログ・・・【mono-B-LOGue】

技術士二次試験の概要と体験記(2)~技術体験論文・面接試験

技術士とは?という方のために
技術士一次試験の概要と体験記
技術士二次試験の概要と体験記(1)~職務経歴書・筆記試験
技術士二次試験の概要と体験記(2)~技術体験論文・面接試験
技術士試験受験体験談(報告概要)

前の記事で述べたように二次試験は、

職務経歴書 → 筆記試験 → 技術的体験論文 → 口頭試験

の4ステップで矛盾が生じないように筋の通った説明をしていかなければなりません。

技術的体験論文は、これまで自分自身が行ってきた業務のうち、「技術士としてふさわしい」と思われるものを2例挙げ、そのうち一つを次の5項目に沿って記載します。
(1)あなたの立場と役割
(2)業務を進める上での課題及び問題点
(3)あなたが行った技術的提案
(4)技術的成果
(5)現時点での技術的評価及び今後の展望

私がまとめた自分の実績のうち、「技術士としてふさわしい」と思えるものは3つありました。
ここで、「ふさわしい」というのがネックなのですが、技術士かどうかは別にしてアピールするためには単なる既存技術の流用ではなく、新規技術であるか何かの応用であることは最低限必須条件だと考えました。
また、レポートとして提出する訳ですから、起承転結が明確に表現できる実績でなければ苦しいと考えました。つまり、仕掛かりではなくある程度結果まで出ているものを選ぶ必要があると思います。
結果が出ているとは、完成しているという意味ではなく、課題設定から解決案策定、結果とそのフォローと次への課題が、一つの塊として説明できるかどうかです。

このような視点でフィルタリングしたため、私の場合は3つしか残らなかったというのが実際のところです。
既存の設計を改善するために取り入れた新規要素もいくつかありますが、それを一つのレポートとしてまとめられるかというとボリューム的に足らないというものがほとんどでした。

私の感覚として、このような選別はなるべく早い時期にやっておかなくてはいけないと思います。
一番良いのは受験申請をする前に技術的体験論文のひな形のようなものをイメージしておくことです。書いてしまってもよいくらいだと思います。
職務経歴と論文の内容が矛盾してはいけないという理由もその一つですが、どの科目で試験を受けるかということにも影響してくるからです。
自分の選択科目の分野としてふさわしい論文になっているかどうかもチェックしておく方が良いでしょう。
可能であれば、論文を技術士取得者や技術的に長けた方にチェックしてもらった方が良いと思います。やはり、客観的に見て話が繋がらないと「受け取られる」かどうかのチェックは、自分自身だけではとても難しいからです。

論文を提出したあとはいよいよ口頭試験です。

口頭試験の流れや会場などの細かい説明はここでは省きますが、数人の試験官と多対1での面接となります。
受験者によって異なるのですが、私の場合は、
・これまでの業務経歴
・論文で補足するところはないか?
・論文の内容についての質疑
・技術者倫理について
というような流れでした。

論文は試験前に何度も読み返して論理的な破たんや矛盾がないか、提出した後でも確認しておきましょう。初めに補足でカバーできるかもしれません。
私の場合も、同じことを違う表現で書いた箇所に、誤解を生む表現を見つけたのでそれを説明しています。これが効いているのかどうかは解りませんが、やっておくべきことだと思います。

論文の内容については、冒頭2つ挙げて詳細を書いていないほうについても色々質問されています。
実は筆記試験のときには、設問の内容に沿って論文で書かなかった方の業務について回答していました。
そのあたりの照合が行われたのかもしれません(筆記試験の内容についても聞かれるという噂をどこかで耳にしましたが実際に合ったかどうかは不明)。

人に言葉で伝えることは非常に難しいと感じる人も多いと思いますが、技術者の仕事はコミュニケーション無しでは成り立たないと断言できます。
したがって、業務実績は十分だけれど、口下手だから上手くいかないというのは理由にはなりません。
自信がなければ訓練して身につけるべきスキルです。

口頭試験が終わればあとは結果を待つのみ。
努力したことが全て報われるわけではありませんが、決して無駄にはならないので、是非ともチャレンジしてみてください。

[更新履歴]
2009-08-22 10:00:00 初回投稿

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