技術士二次試験の概要と体験記(1)~職務経歴書・筆記試験 | ものづくりエンジニアのたまり場ブログ・・・【mono-B-LOGue】

技術士二次試験の概要と体験記(1)~職務経歴書・筆記試験

技術士とは?という方のために
技術士一次試験の概要と体験記
技術士二次試験の概要と体験記(1)~職務経歴書・筆記試験
技術士二次試験の概要と体験記(2)~技術体験論文・面接試験
技術士試験受験体験談(報告概要)

技術士1次試験に合格すると、二次試験の受験資格が得られます。
同時に、技術士補として登録する資格も得られます。

技術士補とは技術士法の規定では、「技術士となるのに必要な技能を修習するため、第三十二条第二項の登録を受け、技術士補の名称を用いて、前項に規定する業務について技術士を補助する者をいう。」となっています。
簡単に言うと、技術士見習的な資格です。ですが、二次試験は技術士補に登録していなくても受験することができます。
2次試験の受験資格は次のように法律で定義されています。
一  技術士補として技術士を補助したことがある者で、その補助した期間が文部科学省令で定める期間を超えるもの
二  前号に掲げる者のほか、科学技術に関する専門的応用能力を必要とする事項についての計画、研究、設計、分析、試験、評価又はこれらに関する指導の業務を行う者の監督(文部科学省令で定める要件に該当する内容のものに限る。)の下に当該業務に従事した者で、その従事した期間が文部科学省令で定める期間を超えるもの(技術士補となる資格を有するものに限る。)
三  前二号に掲げる者のほか、前号に規定する業務に従事した者で、その従事した期間が文部科学省令で定める期間を超えるもの(技術士補となる資格を有するものに限る。)

法律の文章は若干読みにくいですが、要するに科学技術に関する専門的な業務に規定年数従事していて、一次試験に合格していれば、二次試験を受ける資格があると解釈できます。

個人的には技術士補登録のメリットがどの程度あるのか疑問で、わざわざ名乗る必要性も感じません。
また、技術士でさえ知名度が低い状況で技術士補を名乗っても、むしろ半人前という印象を与えそうな気がします。
上述の二号や三号の規定に該当しない状況が発生するならば、二次試験受験のための要件として技術士補登録が必要となるでしょうが、今のところそのような状況はイメージできません。

ちなみに、「文部科学省例で定める期間」とは、一次試験合格から4年、もしくは7年の業務経験です。また、自然科学系の大学院を修了していれば、この業務経験期間を最大2年短縮できます。
したがって、大学院卒の場合、技術系の業務に5年以上従事していれば一次試験合格後すぐ次の二次試験を受験できます。

二次試験は筆記試験と口頭試験に分かれますが、口頭試験は筆記試験に合格しないと受けることができません。
しかし、筆記試験合格発表から約1か月以内に技術的体験論文を提出しなければなりませんので、結果が出る前から準備をしておく必要があります。
(技術的体験論文については詳細は次回に報告します。)

平成19年度から技術士試験の形式が変わり、私はその初めの年に受験しました。
平成21年度技術士第二次試験実施大綱によると、
☆「選択科目」に関する専門知識と応用能力
☆「技術部門」全般にわたる論理的考察力と課題解決能力
このような知識・能力が求められています。

単に知識を解説するだけでは不十分であり、業績を一方的に解説するのも不十分。
与えられた設問の意図を理解し、その意図に沿った回答を自分の持っている知識・技術に結びつけた上で、矛盾のない文章を展開していく必要があります。

また、回答として完璧であっても、受験申し込み時点で提出している職務経歴から逸脱した立場から書いたような内容では、本当に自身が行ってきた業績なのか疑問を持たれてしまいます。これは技術的体験論文作成の時にも言えることです。
実際、筆記試験は合格したけれど口頭試験で落ちたという人が、前年までの試験より割合として多くなっています。第二次試験は技術的体験論文も含めると3ステップあるように見えますが、実は職務経歴の提出も含めて4ステップありしかも全てにおいて矛盾が生じないようにしなければならないのです。

こう書くと非常に難しいように感じるかもしれませんが、難しいのは背伸びをしすぎた場合だけです。
普段から専門技術に関するキーワードに意識を向け、疑問に思ったことを自分なりの課題を持って調査・解決するような姿勢で業務に取り組んでいれば、自然と職務経歴と自身が書く文章に一貫性が生まれます。
相手が読みやすい文章を書く能力も優劣あるとは思いますが、その点は短期間の訓練でもカバーできます。
しかし、積み重ねが必要な知識や、筆記試験の回答に求められる応用能力、論理的考察力、課題解決能力は一朝一夕には身に付きません。

逆にいえば、普段からこのようなことを意識して取り組んでいる人にとって、技術士取得はそれほど難しいことではないと言い切れます。

試験というと、決まった模範解答のようなものが存在して、それに近い内容を再現するのが対策だと思っているならばそれは大きな間違いです。
模範解答は、受験者の数だけ存在します。

職務経歴書 → 筆記試験 → 技術的体験論文 → 口頭試験

筆記試験は、この流れの中のあくまで一つのステップであることを理解して、自身がこれまでどのような仕事をしてきたか、どのような立場で考え、行動して、それがどんな結果を生んだか。
さらに、今後どのような方向にあるべきか、というような視点で事前にまとめておくことが対策になると思います。
もちろん、専門知識に対する解説も求められますので、技術的なキーワードを的確に解説できるかどうかを意識していくことも重要です。

次回は、技術的体験論文と口頭試験について書いてみようと思います。

[更新履歴]
2009-08-21 07:00:00 初回投稿

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