象亮 第四十三話「特捜ヒーローレスキュードラフト」(後編)
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亮は、携帯を見ながらあることを考えていた。
亮「あんだけすごい揺れだったのに地震速報が出ない…てことは局地型か」
象飛蝗「おい亮、さっきからやけに象外鬼の匂いがしやがるぜえ…」
亮「決まりだな…よーし…」
亮は人ごみの中でかがむ。
亮「(小声で)めんどくさいので変身ポーズはカットして変身!」
事は急を争うため亮はいつもはどんなに尺を使ってでもやる変身ポーズをカットして変身。
亮「とぉっ!」
象亮は大ジャンプでステージへ。
「あ、仮面ライダーだ!」
「え?なんで?」
象亮の登場に当然ながら広場は騒然。
亮「みんな落ち着いて聞いてくれ、この地震はここだけが揺れた、つまりここだけ揺らした原因がある、その原因は」
隼人・耕作・拳「この中にあります!」
亮「!?」
レスキュードラフトも現場に駆け付けた!
「レスキューファイヤー!?」
「いや、似てるけど違う!」
「誰なんだあなたたちは?」
隼人「我々はレスキュースペクターの第二部隊・レスキュードラフトです!」
耕作「この地震はこの建物でのみ起こった超局地型地震です!」
拳「建物内に原因があることが我々の調査で判明いたしました!すみやかに避難し」
「それ、仮面ライダーも言ってたー」
隼人・耕作・拳「へ?」
子供のヤジに思わず耳を疑うレスキュードラフト。
見渡すと、ステージにおもいっきり仮面ライダーのようなバッタ男が。
もちろん、象亮である。
拳「あれはどう見ても仮面ライダー!?」
耕作「本当にいたのか…」
あっけに取られるキースとブルースを尻目に、シンクは象亮に問う。
隼人「仮面ライダー、あなたはなぜこんなところに?」
亮「地震を察知して駈けつけ…たわけではなく、たまたま居合わせて地震に遭遇しましたーー;」
ズコーッ!
レスキュードラフトはおろか、買物客までもずっこけさせる象亮の大ボケ(というか事実)炸裂。
隼人「それはそうと、さっきの地震はここが震源かつこの建物しか揺れを感知していない、ここに原因があることまではわかったんですがその先までは…」
亮「さすがレスキュースペクターの皆さん、鋭いですね」
隼人「レスキュードラフトです!」
亮「そうでした^^;答えはただ一つです、この中に象外鬼というえたいのしれない怪人がまぎれている!」
場内は騒然とする。
亮「そしてそいつがこの地震を引き起こした張本人…それはこいつだ!」
象亮が指差す方向を見ると、そこにはマグマドーパントのようなオブジェが。
「あ、バ~レ~た~か~」
象外鬼と思われるオブジェはそのままダイヤモンドアイの前世魔人の名乗りのような歌舞伎の見栄切り調に喋り動き出した。
「我こそは象外鬼の地震担当・象溶岩(しょうまぐま)!」
亮「あ~あす~がう~ん~だ~♪」
象亮はマグマ大使の歌を歌いだした。
象溶岩「そのマグマではない!」
ズコーッ!
またも、場内はずっこけた。
拳「く…くだらねー…」
耕作「あれ、仮面ライダーってあんなボケるキャラだったっけ?」
隼人「ボケかます仮面ライダーなんか普通いないよ」
確かに、モモタロスの大ボケの印象が強い電王ですら自らボケかますことはない。
象溶岩「全く、噂には聞いていたがしらけることを…まずは仮面ライダー、貴様から潰してくれるわ!」
ボスッ!
象溶岩は地面に拳をあてた!
亮「ん?なんだそりゃ?」
ドゴォーッ!
亮「ぐゎば!」
ドサッ!
象亮はふっ飛ばされ、地面にたたきつけられた!
一同「仮面ライダー!?」
一瞬、何が起こったか、当の象亮にはわからなかった。
亮「あたた…なんでえ一体?」
象溶岩「次はそっちの消防士だ!」
隼人・耕作・拳「俺達は消防士じゃない!」
象溶岩「問答無用!」
ボスボスボスッ!
象溶岩は、今度は地面に拳を三連発かました。
ドゴォーッ!
拳「ぎゃ!」
ドサッ!
耕作「キース!?」
ドゴォーッ!
耕作「ぎゅ!」
ドサッ!
隼人「ブルース!?」
ドゴォーッ!
隼人「ぎょ!!」
ドサッ!
耕作・拳「シンク!?」
隼人「くそ…なんなんだ今のは」
象溶岩「簡単なことよ、俺のマグマパワーで地面に振動を加えただけのことだ」
亮「なんだ、よく見りゃパワーゲイザーの丸パクリじゃねえかよ」
「そういえば!」
そう、象亮のツッコミどおり、今の攻撃はまんまパワーゲイザーである。
象溶岩「むぅ…何かバカにされた気がするな…」
亮「とにかく、人騒がせなてめえはぶっ飛ばす!!」
象溶岩「やれるものならやってみやがれ!」
ボッ!!
象溶岩は、マリオのファイヤボールのような溶岩を吹き出す!
ジュワッ!
溶岩は象亮に直撃!
亮「あーちゃちゃちゃちゃちゃっ!」
象飛蝗「うぁっちゃぁー!」
一同「仮面ライダー!?」
象亮は溶岩のあまりの熱さ(普通の人間なら大火傷でも済まないレベル)にのたうちまわる!
その頃、綾はどうしてるのかというと…。
綾「こうなったら上から出るしかないね…」
なんと、個室の上の隙間から出ようというのだ。
いくら身体が小さいとはいえ…胸か尻がひっかかって出られないのが越智、いや、オチじゃないのか?
綾「よいしょ…」
ガシッ!
綾は容器を踏み台にし、ついたての上部をつかんだ!
綾「とぉっ!」
綾は腕の力を振り絞ってよじ登った!
ガン!
ガチャ!
綾「いたぁーい!><」
これまたお約束だが、天井の高さを全く計算に入れていなかった。
綾「もう…我ながらなんてドジなのあたしゃTT」
綾は涙目になりながらも、どうにか身体半分外に出た状態にまで持ち込んだ。
綾「あとは脚かけないと出れないからね…でもあたし脚短いからなTT」
常に横にいる亮の脚の長さが自分の背丈のほぼ2/3なので余計にそう思うらしい。
綾「よっと」
綾は、どうにか足を引っ掛け、脱出の足がかりをつかむ。
綾「とぉっ!」
綾は飛び降りた!
スルッ
ドシン!
綾「いたっ!><」
着地と同時に尻もちを打ちました。
綾「もぉ…サイアクー!」
綾はお尻に手を当てながら嘆く。
綾「…あれ?なんか生温かい…さっきなんか布がこすれるような音したけど…まさかね、いくらあたしでもそんなお約束は…」
綾は恐る恐る自分の腰に目を向ける、すると、恐れていた通りの光景が目に入った。
綾「な…なんっじゃぁこりゃあ~!?」
見ると自分の腰からきれいさっぱりスカートがなくなっている。
何度見ても目に映るのは橙色の下着である。
綾「どーゆーこと!?」
しょーゆーこと…と相槌を打つ亮もなく。一句できましたw
綾「もしかして…あれ?」
綾は先ほどの個室のつい立ての隙間に挟まっている自分のスカートを発見。
どうやら、ホックが外れてファスナーが下がってしまったようだ。
綾「救いは誰もいないことだね…」
綾はいつまでもこんな恰好じゃいられない、とスカートを取り返しに行こうとする、が…。
ハラリ
換気扇の風により、よりによって、内側に落ちてしまった。
綾「それはなしでしょーTT」
綾は、やむなくジャケットを腰に巻いて難を逃れ、トイレから脱出することにした。
綾「こんなカッコで外に出るのは恥ずかしいけどここから出ることを優先しないとね…」
どちら(Before…上ジャケット+タートルネック・下ミニスカート→After…上タートルネック下ジャケット腰巻き)にせよお腹は丸見えなので違和感はない気はするが^^;
ドアノブに手をかけるが、開かない。
綾「え…?」
どうやら、非常ロックが作動してしまったらしい。
綾「てことは…脱出不可能ってことー?」
そういうことです。
綾「あたしきーてなーい!><」
亮がいたら間違いなく「亜希子かよ」とツッコミそうな断末魔を上げたところで、尺も足りなくなってきたことだしとりあえず綾はほっとくことにするーー;
綾「あ、ここ電波通るわ、よーし…りょーくんにかけよ」
これ、「(べリアルもとい宮迫の声真似で)ティーヴィーショー」だったら間違いなく綾の件は全カットだろうなあ。
いっぽう、象亮をのたうち廻らせた象溶岩の脅威はついに観衆へ牙をむく。
象溶岩「次は貴様らだぁー!」
ボッ!
ファイヤボール型溶岩は人だかりめがけて発射!
「うわー!」
「仮面ライダーもやられたしもうダメだー!」
そのとき、レスキュードラフトが動いた!
隼人「仮面ライダーがダウンしてる今、俺達がやるしかない!俺が消化するから二人はガードラーで溶岩を受け止めてくれ」
耕作・拳「おう!」
象溶岩「バカめ!人類の兵器ごときに俺様の溶岩が消化できるか!」
耕作「ダメかどうか、やってみなきゃわからないだろ!」
拳「仮面ライダーの死を無駄にはしない!」
亮・象飛蝗「勝手に殺すなー!」
象亮のダブル突っ込みを尻目に、ブルースとキースは自身のシールド・レスキューガードラーを盾に火の玉に特攻!
ガツッ!
拳「うおっ!」
ジジジジジジジ…
耕作「すごいエネルギーだ…」
隼人「頼むぞ…レスキューサイクロン!!」
シンクは、前回レスキューナイトが使っていたレスキューストリーマーとはまた違う万能銃・レスキューサイクロンを構えた。
隼人「消化弾発射5秒前!」
耕作「消化液の着弾と同時にぎりぎりでよけるぞ」
拳「おう!」
隼人「3・2・1・Go!」
ブシュウウウウウウウウウ!
耕作・拳「今だ!」
サッ!
シュウウウ…
レスキュードラフトの作戦通り、溶岩は消化された!
象溶岩「なに!?」
亮「よそ見してんじゃねえよ!」
ズシャッ!
象溶岩「ごわっ!」
ひるんだ象溶岩はいつの間にか回復していた象亮から、怪払刀の一太刀を浴びせられる!
象溶岩「ぐふっ…」
亮「レスキュードラフト!こいつが弱ってるうちにさっきの消化弾を!」
隼人「無理だ!あれは一発しかない!」
亮「わー!お約束の展開!」
象溶岩「ふははははは…それはいいことを聞いた!喰らえ!人間火の玉!」
象溶岩は文字通り人型の火の玉となり、象亮に突っ込んできた!
「ライダー、危ない!」
亮「えーい、いちかばちかだ!ライダァー…ウルトラ水流!」
象亮はウルトラ水流と同じフォームでシャウト!
亮「ヘアッ!」
ブシュー――――――――――――ーッ!
象溶岩「ぐわーっ!」
亮「ダーッ!」
象溶岩は象亮の水流をもろに被り、一気に火の玉から消し炭へと変わってしまった。
拳「あれ…溶岩って水に弱いっけ?」
耕作「いや…火じゃあるまいしそんなことは」
隼人「触れない方がいい…多分、この仮面ライダーのやることなすことには突っ込んだほうが負けなんだ」
そういうことです。
亮「しめといくか…ライダァー…ローリングソバット!」
ガスッ!
亮「これにて、爆鎮コンプリート!」
二つ三つの作品からパクってるのは気のせいではありません。
象溶岩「あべし…」
象溶岩は、パクリ全開の断末魔とともに灰と消えた。
それと同時にレスキュードラフトは象亮に駆け寄る。
拳「仮面ライダー…もうなんと言ったらいいのか」
耕作「現場には色々な事がある、勉強になりました」
隼人「もし我々だけだったらあんな得体のしれない怪物倒せなかったでしょう」
亮「いや、それはお互い様ですよ^^僕があいつの火の玉でのたうちまわってた時、あなたたちがいなかったらここはお陀仏でしたからねTT」
確かに、もしレスキュードラフトがいなかったら象亮がのたうちまわってる時点でアウトであった。
亮「レスキュードラフトか…2チームに増えてレスキュースペクターもこれで安泰ですね」
ワイワイ…
隼人「いやいや、我々なんてまだまだ…」
ガヤガヤ…
亮「タイム。今同じこと考えてますよね」
隼人「おそらくは…」
亮「いきますか」
隼人「はい」
象亮はどこから持ってきたのか拡声器をシンクに手渡しこう叫ぶ。
亮「皆様、怪人撃破により非常事態は鎮圧しました!」
隼人「祝日の昼下がりにお騒がせいたしました!」
象亮とレスキュードラフトはそういうと、一目散に退散した。
そして、亮は変身を解除して再びイオンに戻ってきた。
亮「あの人たち、基本的には空路なんだな…そりゃ早いはずだ」
レスキュードラフトのハイテクに感心しながら、ふと携帯をのぞく。
亮「あれ…綾ちゃんからだ、わ「!…着信履歴全部綾ちゃんで埋まってる…どうしたんだ?」
亮はおそるおそるかけた。
通じると同時に、亮は携帯電話から聞こえた綾の泣き声&怒号によって亮の身体は100mはふっ飛ばされた。
そして、危うく鼓膜を破られかけた亮はインフォメーションへダッシュし綾がトイレに閉じ込められていることを伝える。
程なくしてセキュリティ会社が到着し、綾はなんとか脱出する。
綾「一生出られないかと思ったよTT」
亮「あのさ…」
綾「なに?」
綾は亮を思いっきりにらみつけ…ているつもりであるが元の顔が元の顔なので睨んでも大して怖くない^^;
亮「おれにかけるより、セキュリティにかけたほうが早かったんじゃね?」
綾「あんな状況でそんな冷静に頭働くわけないでしょ!もう…今後イオンではあたしから離れて行動するの禁止!」
亮「今回自分から離れてったんじゃないか」
綾「あ、そうだったね^^;でももう閉じ込められるのは嫌だーTT」
壊れると精神年齢が顔の見た目と同じくらいに落ちる綾ちゃんなのでした^^;
まあ、亮のマイペースにつきあってりゃどっかでその反動来るよなーー;