象亮 第二十八話「ガンジス、オッパッピー」(後編)
<前編はこちら >
ステージでは、先ほどの若島津アナと涼宮アナのMCが展開されていた。
若島津「後五分で第二部スタートです」
涼宮「夢でお会いして以来ですね」
若島津「これ第一部の前説で使う予定だったんですけどね」
涼宮「ヘッ!」
そんなことを言ってる矢先であった!
いきなりナン屋台のおやじがステージに乱入!
若島津「あ、なんですかあなたは!」
ナン屋「いいからマイクを貸せぇ!」
ドンッ!
ナン屋は若島津アナからマイクを取りあげると、そのままステージから突き落とした!
ナン屋「ガンジス!ここにいるのはわかっているんだ!出てこい!」
涼宮「トゥース!」
ガスッ!
ナン屋は、涼宮アナに体当たりを喰らう!
涼宮「お前さんが何物かは知らんが、ステージの邪魔をされては黙っておられんので」
ドガスッ!
涼宮アナもナン屋にあっさりはっ倒される。
ナン屋「わが名はゲドンダー帝国大将軍・千面鬼カナ・ダライ!ガンジス!出てこなければこの会場にいる人間の命はない!」
ナン屋はそう言うといきなりおきあがりこぼしの怪物に変化!
姿を一言で言えば十面鬼ゴルゴスを十面鬼ユム・キムルのサイズに圧縮した感じ、もっと言えば黒ひげ危機一髪の樽という感じである。
「おい、なんだあれ?」
「プリキュアと見せかけて仮面ライダーショーか?」
象亮恒例・仮面ライダーショーと勘違いする野次馬登場。
カナ・ダライ「うるさい!ドリフターミサイル発射!」
ズドン!…ヒュー、ガーン!
カナ・ダライは野次馬にドリフターミサイルを浴びせた。
ミサイルといっても、名前の通り金ダライであるが^^;
亮「野郎…」
淳「佐渡、行くぞ…」
亮と淳は、例によって示し合わせたように裏手へ。
暁「ん?あのふたりどこへ?」
暁は亮と淳の動向が気になり後を追った。
亮「ライダァー、変っ身!」
淳「変、身!」
亮と淳は店の陰で象亮と象淳に。
暁(おいおい…あの二人がライダーだったのか?)
暁は驚きを隠せない。
そんな間に象亮と象淳はステージへ走って行った。
亮「おれ、参上!」
淳「その命、神に返しなさい!」
カナ・ダライ「何だ貴様らは!」
亮・淳「通りすがりの仮面ライダーだ、覚えておけ!」
象亮たちがステージに上がるのを見て、ガンジスの闘争本能もうずく。
ガンジス「アノフタリ…声カラスルト亮サント淳サン…?」
ガンジスは、何か意を決した。
ガンジス「…助太刀セネバ…オーッ!パーッ!ピーッ!」
ガンジスはアマゾンの変身ポーズの振りで小島よしおのギャグを叫ぶ。
すると、ガンジスの姿はアマゾンのような風貌に。
綾「えーっ!?ガンジス君も仮面ライダー?」
綾の驚きをよそに、ガンジスはステージへ。
ガンジス「千面鬼カナ・ダライ!貴様ニコノキキノ首輪ハ渡サン!」
亮「お前…ガンジスか?」
ガンジス「…何故ワカリマシタ?」
淳「首輪でバレバレだよ」
ガンジス「ソウデスカーー;」
象飛蝗(この姿は…さっきは人間だったから気にはしなかったが声も聞き覚えあるしまさかこいつ…)
象飛蝗はガンジスの声と変身後の容姿に覚えがあるようだ。
カナ・ダライ「ガンジス!自ら出てくるとはバカな奴め!」
亮「いや、おめーが散々呼んでたからだろ」
淳「俺もそう思う」
カナ・ダライ「ええい、黙れ!ドリフターミサイル!」
ズドン!ヒュー…
亮「おっと!」
カーン!
亮「あたーっ!」
象亮はよけたつもりが思いっきりクリーンヒット!
淳「何やってんだ佐わ」
ゴーン!
淳「いてっ!」
時間差で象淳にもクリーンヒット!
ガンジス「気ヲツケテクダサイ、カナ・ダライノドリフターミサイルハ大変精密デ…アレ?」
ガンジスは上を見た。
ガンジス「…オレニ落チテ来ナイ…」
亮「バミリここだろ」
象亮はガンジスの三歩前を指差す。
淳「バミリなんかねえだろ」
しかし、ガンジスが象亮の言う立ち位置に立った時だった。
グヮーン!
ガンジス「ピィ~ヤァ~!」
特大のドリフターミサイルを喰らったガンジスは望み通りリアクションを取って倒れる。
カナ・ダライ「アホめ、自爆しよったな!今のうちに…」
カナ・ダライはガンジスがのびてるうちにキキの首輪を取ろうと駆け寄る。
亮「あらよっと!」
ドン!
カナ・ダライ「あらーっ!」
ドシーン!
カナ・ダライは予想通り倒れた。
亮「まさかとは思ったがやっぱりな」
カナ・ダライ「く…くそ…ドーレ、かかれー!」
ドーレとは、ゲドンダーの戦闘員らしい。
ドーレ「ゲダー!」
ドーレは、声とともに民衆のほうへ!
逃げまとう民衆!
亮「どこの国にもいるんだな、厄介なアリンコは!」
淳「参ったな…ここでは流れ弾が民衆に当たる恐れがあるから雑賀銃剣が使えん」
亮「剣としては使えるんだろ?」
淳「もちろん」
亮「なら…答えは一つだ!」
亮・淳「ライダァー、ダブル無双!」
ガンジス「ピィ~ヤァ~!」
象亮・象淳・ガンジスは急いでドーレの駆除へ向かう。
カナ・ダライ「今のうちにいったん引き揚げて出直す…だから起こせ」
カナ・ダライは残っていたドーレに自分を起こすよう命令する。
いっぽう、象亮・象淳・ガンジスは民衆を避難させつつドーレをなぎ倒していく。
亮「くそ、数が多すぎる」
ガンジス「ドーレハカナ・ダライノ二ツ名の「千面鬼」ノトオリ一度二千人ハイルノデハナイカトイウクライ大勢デ現レマス」
淳「千人…ほんとに三国無双じゃねえかよそれ」
さすがに象亮たちも疲労困憊である。
象蜻蛉「暁、あたしたちも象飛蝗赤たちに加勢しないと…」
暁「うるさい!いくら知り合いがライダーだったからといっても…」
暁は、内から聞こえる声と葛藤しているようである。
その理由はこちらを参照。
そんな間にカナ・ダライは復活。
カナ・ダライ「まだまだゲドンダーはこんなものではない!ゆけ!ビーストマン軍団!」
カナ・ダライの号令とともにビーストマン軍団がずらり。
・スパイダービーストマン
・ビーストマンバンパイアバット
・マンティスビーストマン
・ビーストマンビッグセンチピード
・ビーストマンポークパイン
・スネークビーストマン
・アリゲータビーストマン
・クラブビーストマン
・ブラックキャットビーストマン
・ビーストマンスネイル
・プリッキーアントビーストマン
・プロトヘルメスグランディスビーストマン
亮「まるで再生怪人軍団さながらだな…」
ガンジス「ソノトオリデス、ミナカツテオレガ倒シタ奴バカリデス…」
象飛蝗「ところでガンジスとやら…おめえまさか…象大蜥蜴(しょうもにたー)じゃねえだろうな?」
ガンジスの目つきが変わった(実際には変わってないがそういう風に見える)。
ガンジス「…何故トックノ昔ニ捨テタ名ヲ…マサカアナタハ象飛蝗緑(しょうほっぱーぐりーん)デスカ?」
象飛蝗「本名で呼ぶな馬鹿野郎!」
亮「…お前ら、知り合いか?」
象飛蝗「ああ、幼馴染だ」
ガンジス「オレハ三百年前マデハコノヘンニ住ンデイマシタ、三百年前ニ象飛蝗緑ガ象不死鳥ニヤラレテカラ敵ヲ撃ツ為ニインドに修行ヘ行ッタノデス」
象飛蝗「そうだったのか…」
亮「つまり…もともとは同じ象外鬼ってことか」
ガンジス「ソウデス、シカシ長年インドニイルウチニイツノ間ニカ居ツイテシマイ今ニ至リマシタ」
亮「ふむふむ…」
象飛蝗「色々あったんだな…」
ガンジス「マア、今ノオレハ象大蜥蜴デハナクアクマデガンジスデス」
淳「あのさ…」
象飛蝗赤「話しこんでるとこ悪いが…」
淳・象飛蝗赤「せめてこいつら蹴散らしてからにしてくんねえかな!?」
象亮とガンジスが話しこんでる間に、象淳が一人ビーストマン軍団と孤軍奮闘していた。
亮「おっと、いけね!」
ガンジス「ツモル話ハマタ後デ、イキマスヨ象飛蝗緑!」
象飛蝗「今の俺は仮面ライダーだ!覚えておけ!」
象飛蝗とガンジスの再会もそこそこに、象亮とガンジスは戦線に復活!
ガンジス「ダイジョブダイジョブ~×3、ハイ、ラッタラエ~!」
ガスガスガス!
亮「こ、小島よしお?」
ガンジス「ナイッス!ナイッス!ナイッタカラッタ~ナイッス!」
ボカバキドコ!
淳「なぜに?」
おそらく、ようつべで覚えたのだろう。
ガンジス「ラッタラッタピィ~ヤァ~!ピィ~ヤピィ~ヤァ~!」
バンボンバン!
ガンジスの戦い方は、小島よしおのギャグを言いながらルフィのように自在に手足を伸ばすというハチャメチャなもの。
そもそもガンジス自体「仮面ライダーアマゾンに変身する、ダルシムのコスプレをした小島よしお」といういでたちだからなあ…。
亮「はっきり言って反則だよな、これ」
淳「うむ…俺らやることないな」
象亮、象淳はガンジスが戦ってる間に民衆を誘導し、避難させた。
ガンジス「コジマコンパス!」
ドガドカドガドカ!
そうこうしてる間に、ガンジスは多数のドーレ、ビーストマンを一掃してしまった。
ガンジス「アトハカナ・ダライダケダナ!」
淳「あ、あそこを見ろ!」
カナ・ダライはお下げの少女とツインテールの少女を人質にしてるようだ。
亮「待てよ…あれ綾ちゃんと純ちゃんじゃねえか!」
淳「なんだってぇー!」
カナ・ダライ「ふはははは、ガンジス。キキの首輪をよこさないとこの娘たちを喰ってしまうぞ!」
綾「離せー!」
純「あたしは煮ても焼いても食えねえぞー!」
淳「うむ、食ったらインフルエンザになる」
亮「それお前やん」
注・淳は先日インフルエンザでダウンしていた。
ガンジス「クッ…相変ワラズ卑怯ナ」
カナ・ダライ「卑怯は褒め言葉よ」
暁「あの化け物…もう我慢できん!今回だけ力を貸して!」
象蜻蛉「いつでも貸すわよ」
暁は、いずこかへ去っていく。
ガンジス「ドウスレバイインダ…キキノ首輪ハ渡セナイガ関係ナイ綾サンタチヲ巻キ込ンデシマッテハ…」
亮「ガンジス…返す必要はない」
ガンジス「亮サン?」
亮「行くぞ淳!体当たりで綾ちゃんと純ちゃんを救いだすぞ!」
淳「おう!」
象亮、象淳は捨て身の特攻を仕掛ける!
亮・淳「うぉぉぉぉぉ!」
カナ・ダライ「バカめ!ドリフターミサイル!」
ポーン!ヒュー…ガンガーン!!
亮「あたーっ!」
淳「うぉー!」
象亮、象淳、またもやドリフターミサイルの餌食に。
カナ・ダライ「ふん、たあいな…!?」
カナ・ダライの眼前にはもう一人、仮面ライダーのような姿をした者が突撃してきた。
それも、ガンジスではない、蜻蛉を擬人化したような橙色の怪人であった。
暁「うぉーっ!」
その怪人は、暁の声でしゃべった、そう、この怪人は暁が変身した姿である!
ドガス!
カナ・ダライ「ぐはーっ!」
カナ・ダライは、暁が変身した橙色の超人に殴り飛ばされた!
勢いで投げ出された綾や純は、象亮・象淳がナイスキャッチ!
カナ・ダライ「し、しまった!おのれ…とりあえず出直しだ!」
カナ・ダライはあの姿かたちがうそのような速さで逃げた。
暁「待てぇっ!」
橙色の超人は追いかけようとするが、象亮に止められる。
亮「待て、深追いは禁物だ!」
暁「うるさい!あっさりタライでやられてたくせにおいらに指図するな!」
象亮、珍しく反論せず。
淳(当たってるだけに反論できんな…)
さらに橙色の超人は続ける。
暁「あんたたちの戦いを見ていたが、隙がありすぎるわふざけてんだかまじめにやってんだかわかんないわで見ててイライラしてくるんだよ!」
暁は、純が人質に取られてるのを見て黙っていられなかっただけなのだがそれを象亮たちのせいにして怒りを発散しようとしてるようだった。
この作品の売りをすべて否定するようなことを八つ当たりついでに言われて、象亮が黙ってるわけがなかった。
亮「いきなり出て来るなりどぎついこと言いやがって…そこまで否定される理由はこっちにはねえ!」
暁「それならおいらと勝負してもらおうか!」
暁はこいつらに任せるくらいなら自力で戦った方が早い、そう考えていた。
亮「人質がいるにもかかわらず勢いだけで無茶な攻撃しかける奴と戦えるかよ、あんときおれたちがカバーに入ってなかったら人質が怪我してたとこだぞ」
淳「うむ…確かに言えないこともない」
確かに、象亮はカナ・ダライへの攻撃より綾・純の救出を優先していた、同じ無茶でもアプローチが異なる。
実際、そこまで考えていなかった橙色の超人は逆切れ。
暁「う、うるさい!そもそもあんたらが戦ってる最中に雑談なんかするから…」
ガンジス「タシカニ、アレハマズカッタ^^;」
むしろガンジスがガクッときている^^;
亮「そう思うならおいしいとこ取りみたいにいきなり出てきたりしないで最初っから戦いに参加したらどうなんだ?」
象亮のカウンターパンチに橙色の超人は気分を害し、無言で去った。
淳(だから佐渡と引きあわせたくなかったのに…あの娘もなぜ突然?純か?)
唯一、両者の素性を知る淳は苦悩している。
祭りの後、亮、綾、ガンジスは亮の家へ。
亮「まあなんもねえとこだが、しばらく休んでけよ」
ガンジス「イヤ、カナ・ダライハマタイツオレヲ追ッテクルカワカラリマセン。カナ・ダライトノ決着ガ着クマデオレハ流浪ノ旅ヲ続ケルマデデス」
そう言うとガンジスは今日にも石森市を発つという。
亮「そうか…それならお前には仮面ライダーガンジスの名を授ける」
ガンジス「仮面ライダーガンジスデスカ…いい名前デス」
象飛蝗「ところでよう、その姿(人間体)はいつからなんだ?」
ガンジス「印パ戦争ノ頃カラ、内戦ニ巻キ込マレ命ヲ落トシタ当時ノ友人ノ姿ヲ借リテいます、チナミニソイツモ日本人デス」
象飛蝗「なるほど…」
ガンジス「ソレデハ、サラバデス」
ヒラッ
綾「キャッ!何するのガンジスくん!」
ガンジスはいきなり綾のスカートをめくった!
亮(緑地に赤のタータンチェックか…^^;)
ガンジス「コレハオレノ村ノオ別レノ挨拶デス」
綾「嘘をつくな、嘘を!」
象飛蝗「綾、こいつ同じことをお前の先祖にもやってたぜ、浴衣の時とか」
ガンジス「チョット!バラサナイデクダサイヨ!」
亮「ガンジス!てめえ!」
ガンジス「ナ、ナンデスカ!?」
亮「グッジョブ!」
バシーン!
綾「そーじゃないでしょ!」
最後にドタバタがあったものの、ガンジスは旅立っていった。
が、一週間後、亮たちとガンジスは思わぬ形で再開することとなる…。
次回「寒くて出オチで滑る奴! 」