象亮 第二十三話「あなたはキノコ派?たけのこ派?」(後編)
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亮たちは、町内をしらみつぶしに探した…が、そうそう見つかるわけはもちろんない。
亮「どこにいやがるんだ!?」
剛「キノコの化け物なんて目立ってしょうがねえはずなのに…何で見つかんねえんだ!?」
淳「くそっ!」
三人の顔には焦りが見えてきた。
いっぽう、こちらは象外鬼のアジト。
華が手術台の上に寝ていた。
象不死鳥「よくぞやった、象茸(しょうまっしゅるーむ)!」
象茸「象飛栗鼠(しょうふらいんぐすくえあ)の意思は繋ぎました^^」
象不死鳥「よし、これでこの小娘に象蛭(しょうひる)を憑依させ…と」
亮たちの知らないところでは、象外鬼四天王がついに集結してしまった!
象不死鳥「しかしだ…こいつらはあえてバラバラで行動させる」
象茸「なにゆえ?」
象不死鳥「考えてみろ、仮面ライダーだって一般人に潜んでいるんだ、我々象外鬼も分散して行動したほうがいい。四天王クラスならたとえガワがアホでも一隊持つには不足ない」
象茸「なるほど!」
象不死鳥「というわけで…象狼(しょううるふ)は南!象烏賊(しょうくらーけん)は中心部!象蛭(しょうひる)は北!」
象狼・象烏賊・象蛭「了解!」
象毒蛇(しょうがらがら)「おいゴルァ!俺はどうなるんだ!?」
象不死鳥「お前は(落ち着きがないから)遊軍だ」
象毒蛇「ッシャー!」
象毒蛇は勝俣州和の往年のギャグ「ッシャー!」のポーズで納得した。
そして、象外鬼四天王はアジトを後にした。
象不死鳥「さて…あとは嗅ぎまわってる赤黒いバッタの始末だな」
象茸「お任せあれ」
それからしばらく、亮たち三人はまだうろついていた。
なかでも淳は、そろそろ飽きが始まっていた。
淳「くそ、らちがあかねえ…」
象茸「ふぉふぉふぉふぉふぉ、何かお探しかな?」
象飛蝗赤「来やがったなこの野郎!」
淳の目の前に象茸が現れた!
象飛蝗「む!…匂う、匂うぜぇ…あっちの方向に象外鬼がいやがる!」
亮「よっしゃ!そうときまりゃあ…ライダァー…変っ身!」
亮は早々と象亮に変身、淳のいる方向へバイクを走らせた。
象飛蝗赤「淳、変身しろ!」
淳「言われなくてもわかっている…変身!」
淳は象淳に変身した。
象飛蝗赤「キノコ野郎!勝負」
淳「違うだろ!おい、お前が連れ去ったおかっぱの子はどこへ行った?」
象茸「さーな」
淳「すっとぼけるな!」
象茸「ふぉふぉふぉふぉふぉ、あの娘はとっくの昔に象外鬼四天王の生贄だよ」
淳「な!…貴様…許さん!」
淳は銃を構える。
象茸「ふぉふぉふぉふぉふぉ、ふん!」
象茸はキノコの胞子を放つ!
淳「ぐぉ!しまった!」
象淳の体には全身に麻痺が回る!
象茸「ふぉふぉふぉふぉふぉ、勝負あったな…」
象茸は象淳の銃を拾い、象淳の首元につける。
象淳、絶体絶命か!?
ブォォォォォン!
亮「こんにぃ~ちぃわぁ~!ちょっとまってくださいよぉ~!」
なぜかこんにちわ根岸のセリフで登場する象亮。
象茸「ん?」
ドグワシャ!
象茸「どわーっ!」
象亮、ひき逃げ攻撃が炸裂!
亮「おれ、参上!」
淳「佐渡、踏んでる…」
象亮の足元には麻痺した象淳が。
亮「あ、わりい」
象茸「ふぉふぉふぉふぉふぉ、マヌケめ」
亮「何が間抜けだ、マタンゴみたいな鳴き声しやがって、このマタンゴ野郎!」
淳「あれ…バルタンの声じゃないのか…」
亮「バルタン星人の声はマタンゴの声の流用だ、おれもバルタン星人の声だと思ったがキノコならマタンゴのほうだろうと解釈した」
象茸「ふぉふぉふぉふぉふぉ、能書きはそのへんにして喰らえ!」
象茸は再びキノコの胞子を放つ!
淳「あぶない…よけろ…」
亮「む!」
象亮はキノコの胞子を浴びる!
象茸「ふぉふぉふぉふぉふぉ、おそれいったか!」
亮「何がだよ!」
象亮はぴんぴんと突っ立っていた。
淳「化け物かあいつ…」
お前もな(笑)
象茸「な、なぜキノコの胞子がきかない!?」
亮「そんなこと…おれが知るか!」
シャキン!
象亮は怪払刀を抜く!
亮「土瓶蒸しにしてやるぜ!」
ズシャズシャズシャ!
象茸「ぐはぁぁぁ!」
象茸は一気にズダボロになった。
亮「とどめだ…ライダァー…たけのこ派キック!」
ドガス!
象茸「ぐはぁーっ!」
象茸は土瓶蒸しにはならず灰になった。
亮は象茸の灰を回収し、淳を引きずりながら、剛と合流して昼間家に戻った。
亮「ただいまー」
淳「俺のセリフ…」
純「おかえりーw」
亮「純ちゃん、実は…」
亮は、淳から聞いたことを伝えようとした。
純「ああ、華ちゃんね。亮ちゃんたちが出てしばらくしてから戻ってきたよw」
亮「マジ?」
純「マジマジ。まだいるから入ってく?」
亮「お、おう…」
亮たち三人は茶の間に戻る。
綾「おかえりーw」
暁「遅かったなw」
華「お邪魔してますw」
亮たち三人は、一気に崩れおちた。
亮(おい、淳…話と違うじゃねえか)
象飛蝗赤(あんのキノコ…ハッタリかましやがったなーー;)
しかし、戻ってきた華の体には異変が起こっていたが…それに亮たちが気づくのはしばらく後のことである。
翌月曜。
予定通りに本郷高校には超能力少年天本嵐が転校してきた。
それも亮のクラスに。
担任「…というわけだ」
嵐「よろしく」
嵐は亮にひけを取らないイケメン(ただし、亮のような女顔ではない)で、一気に女子の視線を引き付けていた。
これを面白く思わなかったのは戸次だった。
戸次「よーよー、超能力者、ちょっと超能力見せてくれよ。リハビリ中つってもよ、簡単なのならできるだろ?」
嵐はスルーしようとしたが、教室中が盛り上がったため超能力者の意地で乗った。
嵐「わかった、それでは…そのおさげのお嬢さん」
綾「誰?」
亮「うちのクラスにお下げは綾ちゃんしかいないでしょーー;」
綾「あ、そかw」
嵐「この中から好きなカードを選んでください」
綾「うーん…じゃ、これ!」
綾が選んだカードはハートの4。
嵐「それでは、お戻しください」
嵐はカードを嵐のように切る。
嵐「私はあなたのカードを見ていません、が、あなたのカードを当てて見せましょう」
綾「マジで?」
嵐「マジです、それは…このカードでしょう?」
嵐が取り出したカードはずばりハートの4。
綾「すげぇー!」
「おおーっ!」
教室中が驚く。
亮(別にすごくねえだろ…おれトリック見えたぞ)
亮は先ほど綾のカードに嵐が爪で傷をつけていたのを横から見た。
嵐「まだ納得のいかない方もいるでしょう、それではもっとすごいものをお見せします」
嵐は、いきなりポケットに手を突っ込んだ。
嵐「ふたたびお下げのお嬢さんに聞きます。あなたは今、何かすっきりしていませんか?」
綾「えー?そうかなあ…」
亮(嘘でもすっきりしてるって言っとけよ、話が進まなくなるから)
亮は小声で綾にささやく。
綾(わかったよーー;)
綾も亮のアドバイスにしぶしぶ従う。
綾「そ、そういえば…^^;」
嵐「その理由は、これです!」
嵐は、ポケットからブラジャーを取りだした!
亮を除く教室中の男子が大興奮し、女子はびみょーなリアクションをした^^;
綾はというと、真っ赤になり今にも泣きそうな顔でうつむいてしまった。
亮は、これを見て怒った!
亮「おい、さっきから見てりゃ…いいかげんにしろいかさま野郎!」
嵐「Why?どこがいかさまだというんですか?」
亮「そのブラがいかさまだっつーんだよ、それはどう見てもAカップ用だろ」
嵐「それが?」
亮「綾ちゃんは顔や体によらず胸がでかいから少なくともAカップじゃ収まらん、よって偽物だ!」
嵐「な!」
クラス中はガッカリの声とブーイングに包まれる。
亮「もうちょっと人を選ぶべきだったな^^」
転校初日から自爆とはいえ恥をかかされた嵐は、席に去る際亮に囁く。
嵐「覚えてろ…」
亮は、どや顔で応戦した。
嵐が席に戻ると、亮はすかさず綾の方を向く。
亮(余計なことまで言った気がするけど…あんなもんで気は済んだ?)
綾は顔をあげた、その表情は満足げな顔だった。
綾(おっけーwいい気味だったね^^)
亮(全く、すぐいかさまだってわかったよ…綾ちゃんはいつもノーブラだからな)
綾(それを喋ってたら余計落ち込んでたよ^^;)
亮(他の奴いるとこで言うわけねえだろ、綾ちゃんが指摘されると嫌がることなんか)
基本的に、亮は綾が嫌がることを嫌うため、さっきもあのような行動に出た。
それだけ、亮の頭は綾でいっぱいである^^;
さて、二週にわたって引っ張った象外鬼四天王との直撃は次の機会にして、次回から二話はちょっとした番外編をお楽しみください。
次回「見参真剣戦隊 」