象亮 第十三話「仮面ライダーVS15人の象飛蝗」(後編)
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亮がコンビニの廃墟でだめだこりゃと言ってたころ、剛はバイクでひとりツーリングを楽しんでいた。
剛「ディケイドは亮のダンナが録画してるから時間を気にしねえでドライブとしゃれこめるぜ」
ブロロロロー
競り合ってくる二人乗りのバイクが二台。
乗っているのは右が俊輔と淳、左が遼平と隆弘であった。
剛「なんだあ?ニケツがこの韋駄天の川崎と張り合おうってのか?」
淳「競争しか能のないアホと一緒にしてもらっては困る」
剛「てめえ!うちのクラスの…えーと…(名前なんだっけ)赤毛野郎じゃねえか!」
淳「クラスメートの名前を覚える脳もないのか、バイクバカでエアガンバカでボカロバカの川崎剛」
剛「カーッ!全部当たってるだけに腹が立つぜー!」
ガスッ!
剛はキレて俊輔・淳組のバイクに蹴りを入れる。
ガゴッ!
逆側の隆弘が、剛のバイクに蹴りを入れる。
剛「てめえ!やりやがったな!」
ガスッ!
剛は遼平・隆弘組のバイクにやり返す。
ゴスッ!
ということは逆側の淳にやり返される。
剛「こ・い・つ・らー!」
パパパパン!
ドガラッシャーン!
剛はブチ切れてエアガンを手に取り、四人を確実に仕留めた!
剛「ざまあみやがれ!」
しかし、四人はけろっとして立ち上がり象飛蝗(白・赤・橙・灰)に変身!
剛「な、なにー!こいつらも仮面ライダー?」
四人は再びバイクを起こして剛のバイクを追走!
剛「やべえ、亮のダンナに知らせねえと…」
剛は携帯を手に取るため片手走行となったが、それが運のつきだった。
減速したがために二台が追いついてしまった。
象飛蝗赤「一巻の終わりだ…」
ガスガスッ!
四人同時に蹴りを剛にぶちかます!
剛「がっ!」
ドガラッシャン!
受け身を取ったため剛自身は無傷であるが、ヘルメットの衝撃で気を失った。
象飛蝗赤「よし、みんなはこいつを連れて行け。俺はこいつのバイクでライダーを探す」
剛は象飛蝗白のバイクに乗せられて連行されていった。
象飛蝗赤「さてと…」
ブォン…ドガシャ!
象飛蝗赤はバイクの運転がド下手だった(笑)
剛が連れ去られたのと時を同じくして、休日部活帰りの綾は学校の校門にいた。
綾「参ったなあ…亮くんもつながらないし…」
そのころ、亮は象亮の姿のまま7人の象飛蝗を捜索していた。
亮「あいつらー、全員とっ捕まえてしばいてやる!」
綾は結局亮を呼ぶことを諦め、歩いて家まで帰ることにした。
その途中であった。
単車に乗った博之、利夫、大輔、義弘が道をふさいでいた。
博之は綾に声をかける。
博之「彼女一人?俺たちといいことして遊ばない?」
綾は、基本的に男性に関しては人見知りのため当然ながら拒絶。
綾「急いでるんで…すいません」
よけて通ろうとするが、利夫に制される。
利夫「狭い日本、そんなに急いでどこへ行く」
大輔「ちょっとくらいいいじゃねえか」
義弘「俺たちが女にしてやろうか?」
綾「お断りです!」
とことん拒絶する綾に、博之たち4人はキレた。
博之「いかにも男と寝たこともねえガキが生意気ほざいてんじゃねえぞ!」
博之たち4人は、象飛蝗(黄、青、紫、桃)に変身。
たじろく綾を、象飛蝗紫と象飛蝗桃が取り押さえ、手足を縛る。
綾「痛いよー!離して!」
象飛蝗黄「お断りだ!本当なら茶巾にしてやろうかと思ったがその短いスカートではできねえからな…」
象飛蝗青「それに、どうせやらんでもどっちみちパンツ丸見えだしな」
綾「亮くん以外に言われるとムカつくー!スケベ!」
象飛蝗青「うるせえなあ!」
バキッ!
綾「痛ぁ…えーんえーん><」
綾はとうとう泣き始めた。
象飛蝗青「しまった…ついカッとなってやってしまった、後悔はしていない」
象飛蝗黄「利夫、どっかで聞いたこと言ってるんじゃない!大輔!義弘!さっさとそのガキンチョ持ってけ!」
象飛蝗×4は綾の泣き声に悩まされながら連行していく。
その途中で象飛蝗赤に遭遇。
象飛蝗黄「おう淳、ライダー見つけたら女を預かってると伝えておけよ」
象飛蝗赤「了解っす、あと、あいつの相棒もあずかってます」
象飛蝗黄「でかした」
象飛蝗赤は、そのまま象亮捜索を続けた。
綾の泣き声は、当然象亮も感づいた。
亮「綾ちゃん…誰だ、綾ちゃんを泣かせた外道は!」
象亮は珍しく法定速度を無視したスピードで猛ダッシュ!
その時、象飛蝗赤が待ち受けた!
象飛蝗赤「よう、仮面ライダー」
亮「てめえは…そのバイクは!」
象飛蝗赤の乗ったバイクは、剛のバイクである。
象飛蝗赤「そう、てめえの相棒・川崎剛のバイクよ。こいつは人質として預かっている」
亮「剛に何をした!」
象飛蝗赤「ちょっとバイクチェイスをしたらあいつがブチ切れてな、かるーくお仕置きさせてもらった」
亮「てめえ…」
象飛蝗赤「おっと、うちのリーダーがお前の彼女もさらっていったぞ」
亮「彼女?…綾ちゃんのことか!?まさかさっきの悲鳴は…」
象飛蝗赤「そのまさかだ、だが安心しろ、見たところまだ手は出していないしちゃんと服も着ていた」
亮「ふざけるな!…てことはあの7人のバッタ野郎もてめえの仲間か!?」
象飛蝗赤「そのとおり、そしてこの三つの案件は俺たち15人の象飛蝗が三手に分かれて起こしたことよ」
亮「15人の象飛蝗…マジだったのかよ」
象飛蝗赤「マジだ、そして俺たちはお前を倒す。この挑戦を受けてもらうぞ」
亮「…綾ちゃんと剛を無事に返すってんならな」
象飛蝗赤「好きに持ってけ、俺たちに勝てたらの話だがな…」
亮「御託はいい、早く綾ちゃんと剛のとこに案内しろ」
象飛蝗赤「よし、ついてこい」
象亮は、象飛蝗赤の案内でこの前の採石場に連れてこられた。
そこには、またも十字架に縛られた綾と剛がいた。
綾「亮くん!助けてー!」
亮「綾ちゃん!」
剛「亮さん…」
亮「剛!」
象亮は、即座に綾と剛に歩み寄ろうとしたがその前には14人の象飛蝗が立ちはだかった。
象飛蝗黄「淳、来い!」
象飛蝗赤「あいよ!」
象飛蝗赤は、象飛蝗黄の隣に並ぶ。
象飛蝗黄「よく来たな仮面ライダー!我々15人の象飛蝗は貴様を倒し、象外鬼の頂点に立つ!」
亮「だったらおめえらのボス倒して下剋上したほうが早くね?」
象亮の指摘はもっともである。
象飛蝗黄「貴様のほうが脅威なんだよ!野郎ども、我々の必殺技をライダーに見せつけてやれ!」
象飛蝗赤「よっしゃ、行くぞ!鼠超特急!」
15人の象飛蝗は、ずらりと一列に並ぶ。そして、チューチュートレインの動きをする。
亮「…まさか、鼠超特急ってこれ?本家EXILEより一人多いのはすげーけど^^;」
象亮はポカーンとみていた。
象飛蝗赤「今だ!」
ドドドドドドドドドドドドドドド!
15人の象飛蝗は回転から弾き飛ばされるように飛び出し、象亮に一人ずつ突進!
ドカバキドカバキドカバキドカバキドカバキドカバキドカバキドカ!
亮「ぐわわわわわわわわわわわわわわわっ!」
象亮はパンチキックチョップラリアットなどの15連打に大ダメージを喰らう。
亮「ちくしょう…やりやがったな!」
象飛蝗「亮、遠慮はいらねえ、象飛蝗は俺一人で十分だ、やっちまえ!」
亮「言われなくてもそうするぜ!」
象亮は怪払刀を手に取った。
次回「仮面ライダーは二人で十分だ 」