帰りのフェリー。
知り合ったばかりという感じのじじいとおやじがずっと横でバイク談義をしている。
少しは経験がありそうなおやじが、じじいの方にいろいろうんちくを語っている。
どうやらじじいはリタイヤしてからハーレーをかって旅に出たらしい。
・・・・・が、うるせぇったらありゃしねぇ。
知ったかぶっていろいろ語っているが、生かじりの知識ばかりなのがありありとわかる。
だいたい、アメリカンタイプのバイクに対する言葉として「ヨーロピアンタイプ」なんて死語を平気でのたまうあたり、お里が知れるというものだ。
昔のアメリカ番組「白バイ野郎 ジョン&パンチ」のことを言いたかったのだろうが、
「ジョン&パンチョ」
と言っているのを聞いたときには思わず吹き出しそうになった。
どこのメキシコ人だよっ!!
というつっこみがノドまででかかった。
おかげでネタには事欠かない。(爆)
じじいの方は明らかにバイクの経験は少なそうだが、さすがに昔のバイクの名前は良く知っているようだ。CB750FOURとかW1なんて言葉が飛び交っている。
そこはそれ、年寄りの悪いところ。だんだん話をしているうちにえらそーな態度になってくる。
その話しぶりも気にいらん。
終いにはピースサインをしたのに返さないやつが居て、マナー違反だと鼻息が荒い。
ふんばかばかしい。
自分の価値観でしか、ものを語っていないことに気づいていないのだ。
ちなみに
ピースサイン
諸君は、「ピースサイン」というものを知っているだろうか?
すれ違うライダー同士が互いに挨拶の意味を込めて、出すのがピースサインだ。
関東近県ではすでに20年ちかく前に絶滅したと言われている。
ボク自身も最後にその生息を確認したのはかれこれ20年以上前になる。
しかし、北の大地では細々と生き続けていたようだ。
人の気配が希薄になる道東や旅気分を高揚してくれる道北付近では特に盛んなようだ。
古典的な出し方はこうだ。
右手はアクセルを操作しているので左手を右頬の前あたりに斜めに差し出し、二本指を出す。
この際、間違っても中指一本をたててはいけない。
Uターンして追いかけてくるかもしれない。
いろいろ亜流もある。
左手の肘から先だけを真上にあげて挨拶をする、
空手チョップ型
このとき手のひらを前に向ける、
宣誓型
もある。
さらに指が縮んだままだと
まねき猫型
になる。
さらに、左手をまっすぐ上に上げて肩のつけ根から腕を振り回す、
ぶんぶん型
などなど、様々である。
ちなみにボクも本州で最後にやったのは20年以上前だが、北海道ではさすがに挨拶を返さないわけには行かない。
だが、まともなピースサインをするのは今更、気恥ずかしい。
だからボクの挨拶は、
「うなずく」
である。
幸い、オフロードタイプのヘルメットなのでバイザーがついている。うなずく様子は見て取れるはずだ。
ベテランライダーらしく、鷹揚にうなずくのだ。(笑)
ま、ピースサイン。今後も北の大地でだけ細々と生き続ける絶滅危惧種だろう。
そしてボクがトラディショナルなピースサインをすることは未来永劫無いと思うが・・・・