湖畔亭事件/江戸川 乱歩 | mokkoの現実逃避ブログ

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湖畔亭事件 (創元推理文庫―現代日本推理小説叢書)/江戸川 乱歩
¥778 Amazon.co.jp
発行年月:1995年08月
サ イ ズ:360P 15cm

片山里の湖畔亭、草鞋を脱いだ男がひとり。旅のお供はからくり眼鏡、
風呂場に仕掛けて悦に入る。
ある夜目にした光景に、心乱れて気は差して…
警察も匙を投げた世にも不思議な「A湖畔の怪事件」とは。
五年間の沈黙を破って、湖水の底に葬られた真相を吐露する手記。
作品を巡る多彩なエピソードで知られる『一寸法師』を同時収録。
連載時の挿絵に乗せて、往時の感興を再び。
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テーマ読み:第5弾は江戸川乱歩です。
なんかテーマ読みの時に読んでる印象があるなぁ~(^◇^;)
第4弾が面白くなかったので、今回は物凄く面白かった気がする。

「湖畔亭事件」
山奥の温泉旅館:湖畔亭で療養する私(主人公)。
療養先まで持ち込んだのが、覗き趣味がエスカレートして
作ってしまったカラクリ眼鏡。
いわゆる複雑な潜望鏡みたいなものです。
脱衣所に仕掛けて部屋から覗き見していたとはいえ
目的は裸ではなく、無防備な女性達の明け透けな姿。
似たようなもんだと思うんだけど、まぁ~こだわりがあるらしい。
こういう変態チックな感じが乱歩さんなのでしょう。
でも手作りなので性能は良いとはいえず、エロくはないです。

で、覗き見してたら、偶然にも殺人事件らしい現場を目撃。
急いで脱衣所に向かおうとした時、慌てて宿を出ようとする怪しい客。
黙っていられなくて、旅館に長く逗留している河野という若い画家に
事の成り行きを話してしまう。
しかし、旅館からいなくなった人はいない。
いよいよもって怪しいと脱衣所を調べてみたら、
血の跡はあるものの死体がない。
河野と私は素人探偵よろしく調べ始めるのだが・・・


警察も匙を投げた事件を回想してるような感じですが
一応、素人探偵なりに解決編はあるのだが
最後の最後に謎が残る。
いや・・・たぶん、確信があると思うんだけど
疑問符の状態で終わらせている。
乱歩さんは、結構苦しんで書いたらしいけど
読者の評価が高かったそうです。
mokkoもなかなか面白いと思いましたよぉ~


「一寸法師」
てっきり童話に出てくる一寸法師を想像していたら
全然違ってました。
昔は、体は大人で異常に小さい人のことをそう呼んだらしいです。
主人公は、明智小五郎と、その知人である小林紋三。
夜の公園をフラフラ歩いていたら、一寸法師の懐から包み紙が落ちた。
その中から覗いたのは人の手だった。
小林は一寸法師の後をつけ、寺に入るのを目撃する。
その後、知人の山野夫人に出会い、令嬢が失踪しているらしいと
相談を持ちかけられ、小林は素人探偵の明智に相談し
捜査を開始するのだが、今度はデパートのマネキンの手が
人間の手にすり替わっていて、そこから一寸法師が逃亡した。
令嬢の失踪は、一寸法師絡みの猟奇殺人事件へと発展するのだが・・・


乱歩初期作品ということだが、明智小五郎が素人探偵となっている(^◇^;)
この小林紋三って、もしかして小林少年の走りでしょうか?
館からの人間消失というトリックが楽しかったです。
そうかぁ~トリックの最初はこんな感じなのかぁ~
古い作品なのに、結構楽しめたのは、やはり乱歩さんだからでしょう。
面白かったです(p^_^q)


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