ブラジル蝶の謎/有栖川有栖 | mokkoの現実逃避ブログ

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ブラジル蝶の謎 (講談社文庫)/有栖川 有栖
¥596 Amazon.co.jp
発行年月:1999年05月
サ イ ズ:333P 15cm

美しい異国の蝶が天井を埋めた部屋で殺害されていた男。
何のために蝶の標本が天井に移されたのか。
鮮烈なイメージの表題作ほか、小指ほどの小さな鍵の本当の用途が
秘書殺しの謎を説く「鍵」など、おなじみ有栖川・火村コンビの
名推理が冴えわたる傑作ミステリ全6篇。
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作家アリスシリーズ(火村英生シリーズ)6作目で
国名シリーズ3作目となります。
6篇からなる短編集です。

「ブラジル蝶の謎」
 森下刑事から、火村にピッタリで、アリス向きの事件が発生したと
 連絡を受けて行ってみると、現場の天井一面に何十匹もの蝶が・・・
 被害者は亡き社長とずっと疎遠で、自宅に戻ってきたばかりの弟。
 天井を飾る蝶は、いったい何のために?

「妄想日記」
 精神科医の自宅の庭で何かが燃えているのを隣家の人が見つけ
 近づいてみると、それは人だった。
 精神科医の娘婿(義理の息子)だと判明したのだが、
 精神を病んだ末の自殺だったのか?

「彼女か彼か」
 森下刑事が命名した「絶世の美女殺害事件」の被害者は
 生前の写真を見て、火村が口笛を吹き、アリスに『ヴォーグ』は無理でも
 『週刊現代』の表紙が務まりそうだと言わせるぐらいの女装の彼だった。
 問題を抱えていた関係者にはアリバイがあったのだが・・・
 
「鍵」
 ホテルに缶詰めになっているアリスに差し入れを持ってきた火村。
 気分転換に面白い話をねだられた火村は、1つの鍵を取り出し
 昔の事件の記念品だという。
 三年前、母校の助教授になってすぐの事件とは・・・

「人喰いの滝」
 毎年のように自殺者が出て、滝壺に落ちた死体は上がらない事から
 人喰いの滝と呼ばれる岩手県上高地の千人滝
 その近くに住む老人が崖から転落した。
 たまたま映画の撮影に来ていた老人とも顔見知りのグループが
 発見、通報したのだが・・・

「蝶々がはばたく」
 火村との待ち合わせの為に、新幹線に飛び乗ったアリスは、
 鞄を老人につぶけてしまった縁?で、老人が昔体験した
 不可思議な消失事件の話を聞く事になったのだが・・・
 海辺の旅館から忽然と消えた二人。
 夜明け前の雨でぬかるんだ土と雨を吸った砂浜。
 足跡も残さず、二人はどうやって外へ出た?


ヾ(@^▽^@)ノわはは これは面白い。
短編ならではというか、それぞれの事件へのとっかかりが
違っていて、雰囲気も全く違うってのが楽しい。
火村とアリスの会話も楽しいんだけど
いつものごとく推理はできなかったけれど
予想外の結末とか、展開とか、使われた小物とか
そうだったのかぁ~と思いながらも、
思わず突っ込み入れたくなる事とかもあって
通勤読書にしては、かなり楽しめました(p^_^q)

「妄想日記」には騙されたし、「鍵」では
(゚-゚;)ヾ(-_-;) オイオイ... そんなの持ってるなよぉ~と
思ってみたり、「蝶々がはばたく」では
いや・・・それは絶対にわからないでしょ・・・
と思ってみたり。
淡々と描かれているから、重くならずに読めて
楽しかったぁ~