雷の季節の終わりに/恒川光太郎 | mokkoの現実逃避ブログ

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雷の季節の終わりに (角川ホラー文庫)/恒川 光太郎
¥720 Amazon.co.jp

発行年月:2009年08月
サ イ ズ:375P 15cm

雷の季節に起こることは、誰にもわかりはしない―。
地図にも載っていない隠れ里「穏」で暮らす少年・賢也には、
ある秘密があった―。
異界の渡り鳥、外界との境界を守る闇番、不死身の怪物・トバムネキ
などが跋扈する壮大で叙情的な世界観と、静謐で透明感のある筆致で、
読者を“ここではないどこか”へ連れ去る鬼才・恒川光太郎、
入魂の長編ホラーファンタジー。
文庫化にあたり新たに1章を加筆した完全版。
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優しい妖モノというか、幻想モノが読みたくて
積読本からピックアップ。
大好きなのに二度目ましての作家さん
あれ?・・・何で読んでなかったんだろう(^◇^;)

初読みの夜市でやられて、その中でも「風の古道」が
特にお気に入りで、他のレビューを見てみると
どうやら風の古道が好きなら、読んだ方がいいと
書いてる人がちょくちょく見られる。
(゚-゚*)(。。*)ウンウン確かにそんな感じだ。

恒川氏の異世界モノはいい。
色んな作家さんの異世界モノを読んでいるけど
異世界への入り方って色々なんだなぁ~と思いながらも
その世界観がリアルに想像できるところが好き。
コチラ側と「隠」という隠れ里との間にある荒野
ある意味、陸続きという印象を受けるが、
簡単に迷い込める場所ではない。
そこに住む獣・・・これは十二国記の樹海を連想したし
骨が一箇所に積まれているところなんかは沖縄を連想した。
解説を読んで、なるほどと思った。

幼い少年は、気付いたら隠の住人だった。
頼れるのは姉だけだったが、雷の季節に姉は消えた。
雷の季節には、そういうことがあるのだという。
少年は、他の夫婦のところで世話になる。
けれどある事件がきっかけで、少年は隠を脱出する。
外界との境界を守る闇番から協力を得たものの
少年には追っ手が差し向けられていた。

途中までは、少年の冒険譚とか、成長物語かと思いきや
何気に挿入されている別の話と絡み合って
全体像が見えてくる。
それら全てが伏線だったかのように回収されていく。
淡々と書かれているのに、悲しみや怒りが駆け抜けていく。
そして切ない余韻が後を引く。
単行本を読んでいないので、読み比べはできなかったけど
またいいものを読んでしまった。

読者を“ここではないどこか”へ連れ去る鬼才・恒川光太郎

(゚-゚*)(。。*)ウンウン
連れ去って頂きましたとも。
見事に現実逃避できました!
心が疲れてるときは、恒川氏の異世界モノを読もう!