鬼やらい 上・下/小松エメル | mokkoの現実逃避ブログ

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鬼やらい〈上〉
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/小松 エメル

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鬼やらい〈下〉
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発行年月:2011年07月
サイズ:280P 15cm

厄介な「居候」が百鬼夜行に帰って以降――
再会した妹に「共に暮らそう」と言い出せず、
むなしく日々を過ごしていた喜蔵は、多聞と名乗る男と馴染みになる。
優雅な声音と物腰で女性を虜にしてしまう多聞だが、
喜蔵が営む古道具屋で買っていくのは、なぜか付喪神の宿る品ばかり。
同じ頃「女性だけを狙う妖怪が出没する」との噂が浅草を賑わせており……

謎の男・多聞に、硯の精ら付喪神が宿った古道具を売ってしまった喜蔵。
多聞の正体は、体中にある目で他人を操ることができる妖怪・百目鬼だった。
小春から硯の精の悲しくも数奇な過去を聞いた喜蔵は、
己のふがいなさを痛感する。
二人は付喪神たちを取り戻すべく、「もののけ道」を通って
多聞の屋敷に乗り込むことに――。

文明開化の東京で、凸凹コンビが妖怪沙汰を万事解決?
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『一鬼夜行』シリーズ第二弾

鬼やらいとは・・・
平安時代の初期頃から行われている「追儺」と呼ばれる
鬼払いの儀式のことで、平安時代には大晦日に行われていた。
今でいうところの節分。

小鬼の小春がなんとも可愛らしくって、続きをまとめ買いした(^◇^;)

懐かしい匂いに気を取られて百鬼夜行の列から落っこちて
落ちた先が妖怪よりも恐ろしい顔の喜蔵の家の庭だった。
人との関わりを極力避け、近づく者には睨みをきかせ
誰も寄り付かないようにしていたのだが
勝手に居候を決め込んだ小春のおかげで?妖怪事件に巻き込まれ、
賑やかな生活を送っていたのだが、小春は百鬼夜行に戻っていった。

不器用で強情で生活パターンはオヤジそのものなのに
やっと二十歳になったばかりの喜蔵。
妖怪よりも恐ろしい顔で月を見上げては
小春が落ちてこないかと、ついつい期待してしまう。
そんな時、見てくれはそうでもないのに、やたらと女にモテル
多聞という男と知り合い、連れまわされるようになる。
多聞は古道具に興味があるらしく、購入する古道具は
何故か付喪神が宿ったものばかり。
古道具屋だから売らないわけにもいかないのだが
後ろ髪ひかれる思いの喜蔵。

時を同じくして、女性だけを狙う妖怪が出没する。
そして正にグットタイミングで降って来た小春
さすがに今回は仕事で来たらしいのだが
その仕事というのが、巷を驚かせている妖怪騒ぎらしい。
探偵のごとく聞き込みをする凸凹コンビの小春と喜蔵。
そこで彦次が事件に巻き込まれていることを知る。

彦次救出に向かう凸凹コンビ。そこには何故か多聞の姿が。
多聞とは何者なのか?付喪神の宿る古道具を購入する目的は?
そして前作で再会できた妹の深雪に一緒に住もうと言えるのか?


なんというか、流れ的には前作の登場人物や登場妖怪を
登場させてくれて、そういうサービスはありがたいのだが
不要な会話が多すぎるような気がしてきた(^◇^;)
やりたいことはわかるのだが、ちょっとしつこい。

大筋の流れ的には、妖怪騒ぎと多聞なんだろうけど
今回のメインは、間違いなく付喪神となった硯の精。
大した力があるわけではないのに、妖怪達から一目置かれている。
喜蔵に説教できる唯一の妖怪でもあるのだが
硯の精が、付喪神となり目覚めたばかりの時の思い出が
あまりにも切なくて、王道的な話ではあるけれど
つい泣いてしまいましたよ。

そして読んでいて、寂しいから言うなよぉ~と思ったのが
妖怪騒ぎの最中、小春が師匠である青鬼や妖怪たちから
詳しい話を聞いてくると言った時の会話。

「行ってくるのか」
「行ってくるんじゃなくて、帰ってくるんだよ」

わかってるけどさぁ~
喜蔵も何も言わないけどさぁ~
なんか胸がギュっとなったわぁ~(ノ◇≦。)

そして、ラストもちょっとジーンとしちゃいました。