
発行年月:2013年01月
サ イ ズ:338P 15cm
時は大正。伝統とモダンが共存する帝都東京。
その街を闊歩する青年が一人。
若くして帝国大の助教授の肩書を持つ美青年は、
博学多才にして超自然的なことにも通じているとか。
警察の手に余る事件が彼のもとに持ち込まれることもあるという。
そして、彼の傍らにいるのは助手の美少年。
その賢さとまっすぐな心を青年はこよなく愛し、
常にそばにおいている。
これは帝都の巷で起こる不可思議な事件を、
助手の少年が記録したものである。
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初めましての作家さん。
日本人です。ブログもやっておられるもよう・・・
タイトルと内容紹介で読んでみる事にした。
決して美青年という文字に惹かれたわけではない。
あくまでも怪異と時代背景が大正だったからである。
真っ先に想像するのが京極堂とかなんだけど
間違っても一緒にしてはいけない。
かといって陰陽師系とも違う。
27歳にして帝国大の助教授で美青年。
英国紳士にもひけをとらない立ち居振る舞い。
警察の手に余る事件が持ち込まれると興味のあるものは
調査するものの、興味の無いものには手も振らない。
更に、事件で知り合った未亡人やら女性が大好き。
いや・・・寄ってくる=恋人多数。
で、確かに最初の事件は、かなり怪しい。
警察から依頼が来るだけのことはある。
足を残して他は全部真っ黒焦げの遺体。
人体発火現象か?と思いきや
( ° ▽ ° ;) エッ?
それってもしかして、誰もが知っている異国の有名な物語の
有名キャラですか?
もしかして、タイトルこそ「怪異考」と書かれているが
ファンタジーだったのですか?
次の話では、日本の某有名作品の有名エピソードを
連想してしまう怪現象が・・・?
しかも目線が14歳の助手:アキヲがメインであるからにして
思春期のなんというか、かんというかの感情が
結構表面に出てきて、何やらわけがわからぬ。
この助手は美少年ということになっている。
実は違うんだけど・・・
助教授は助手をこよなく愛しているらしい。
もう一度いう。
怪異と時代が大正ということで選んだ本だったのよ。
大正浪漫はどこにいった??
怪異はどこにいった?
ファンタジーも怪異になるのか?
ドワーフも怪異になるのか?
かなり不安になりながら読んでいたんだけど
最後のエピソードは、先が見えるんだけど確かに怪異でした。
それもちょっと切ないお話になってます。
アキヲが危ない!ってことで、さすがの紳堂助教授も
ポーカーフェイスを崩さずに慌てておりました。
ある意味、こういう何でもありの題材を扱った本は知らない。
だから新しいといえば新しいのかもしれないが
何でもありなのが、怪異だけではなくて、新堂助教授も
何でもありなもんだから、何と言ったらいいのか・・・
困る・・・
ただ、理屈として「魔道は人道である。
結果が良ければ奇跡と呼ばれるし、悪ければ怪異となる。」
っていうのはわかる。
っていうか怪異を扱っている全てに通じているよねぇ~
だから思うのである。
これは怪異を楽しむ本ではなく、それはオマケであって
助手アキヲの成長物語であって、新堂助教授との進展を
期待して読む本なんだな・・・と。
章を追うごとに少しずつ読みやすくはなっているし
既に2巻も読み終わってたりします(o ̄ー ̄o) ムフフ
「香坂邸青年焼殺事件」
「小石川怪画」
「秘薬の効き目」
「沙世」