陰陽ノ京〈巻の4〉/渡瀬草一郎 | mokkoの現実逃避ブログ

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陰陽ノ京〈巻の4〉 (電撃文庫)/渡瀬 草一郎
¥578 Amazon.co.jp
発行年月:2003年05月
サ イ ズ:275P 15cm

時継と一つ屋根の下で暮らすこととなってしまった慶滋保胤。
周囲にからかわれながらも、何とか平穏無事に生活していたのだが、
異変は保胤の周囲に起こっていた…!
住吉家の識神・浄雲が嗅ぎつけたのは保胤の友人―住吉清良の
身体から漂う死霊の臭い。
陰陽寮の一員でもある清良に纏わりつくその臭いの正体は…!
第七回電撃ゲーム小説大賞金賞受賞の人気シリーズ第四弾。
巻末には「電撃hp」に掲載されたイラストストーリー
『陰陽ノ京絵草子訃柚』を収録。
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幼い蓮(れん)は、畑仕事の帰りに心臓の発作を起こし
蓮の沼に沈んだ。
保胤の甥である光榮は、余命幾ばくもない父親を思って
成仏できないでいる蓮を不憫に思い、一夏だけの命を与える。

化け百足騒動の思わぬ余波で、強引に保胤の庵に転がり込んだ時継。
色恋に関してはカラッキシの保胤は、周りにからかわれながらも
なんとか無事に生活をしていた。
そこへ友人である住吉清良の様子がおかしいと、兄の兼良が相談に来る。
住吉家の識神が、清良から死霊の臭いを嗅ぎつけていたのだ。

清良は、罪を犯して住吉家を放逐された蓮と父親を
今でも気にかけて通っていた。
兄の監視が厳しくなったことで、蓮親子のことを保胤に相談する。
兼良から話を聞いていた保胤は、蓮に会ってみようと思うのだが
清良を慕う蓮は、自分に残された短い時間の中で
鬼になることも承知の上で清良への想いを遂げようとする。
そして、蓮に同情した時継は、思わぬ形で力を貸すことに・・・

肉体を失った魂は暴走しやすい。
暴走した結果、鬼となる。
幼ければ、その思いは純粋で一途だから余計に暴走しやすい。
既に暴走を始めた蓮を保胤はどんな優しさで包み込むのか?
・・・保胤は・・・何かしたか?(^◇^;)
相談されたり心配されたり責められたりはしてたけどねぇ~
頼りになる弄られキャラという立ち位置だったような気がします。
訃柚はカッコ良かったのになぁ~

まぁ~今回は、それぞれが誰かを思いやる気持ちが詰まってました。
それは優しさとか、想いとか、使命とか、信頼とか・・・
蓮の想いは、子供ながらにも切実で、それでも女の子なら
思い描いた事があるんじゃないのかな?
漠然と、ただ好きな人と一緒になって子供を産む。
その思いが切なくて、清良の叫びに(゜ーÅ) ホロリとしたのでした。

そういえば伯家の隠された役割の一部が語られます。
時継自身も知らない悲しい使命。
それを思えば、保胤と時継の今後が更に気になります!

巻末の『陰陽ノ京絵草子訃柚』は、訃柚(ふゆ)の話です。
保胤の識神となるまでと、名前の由来が語られてます。
今回の訃柚はいいなぁ~
全編を通して、やはり思いやる気持ちと子種の話だな。
シリーズで一番好きかもぉ~о(ж>▽<)y ☆