メドゥサ、鏡をごらん/井上夢人 | mokkoの現実逃避ブログ

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メドゥサ、鏡をごらん (講談社文庫)/井上 夢人
¥800 Amazon.co.jp
発行年月:2002年08月
サ イ ズ:492P 15cm

作家・藤井陽造は、コンクリートを満たした木枠の中に
全身を塗り固めて絶命していた。
傍らには自筆で「メドゥサを見た」と記したメモが遺されており、
娘とその婚約者は、異様な死の謎を解くため、
藤井が死ぬ直前に書いていた原稿を探し始める。
だが、何かがおかしい。次第に高まる恐怖。そして連鎖する怪死。
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テーマ読み4人目のヒロイン?は、メドゥサ
超有名なのだが、ヒロインでいいんだよね?(^◇^;)
メドゥーサ:ギリシア神話に登場するゴルゴン三姉妹の三女。
日本語ではメドゥサ、あるいはメデューサとも書く。
宝石のように輝く目で見たものを石に変える能力を持ち、
頭髪は無数の毒蛇、イノシシの歯、青銅の手、黄金の翼を持っている

初読みになるのか?
岡嶋二人の一人の方ですね。

これは下手に触るとネタバレになるので慎重に・・・
作家・藤井陽造は、コンクリートを満たした木枠の中に
全身を塗り固めて絶命していた。
「メドゥサを見た」と記したメモを入れた小瓶もみつかり
メモの意味は不明ながらも自殺として処理された。
数ヵ月後、残された娘と婚約者の「私」は、遺品の日記
(取材メモ)から、藤井が死ぬ直前に書いていたと思われる
原稿を探し始める。

その直後から不可思議な現象に悩ませられるも
取材メモに書かれていた単語から、化学工場で起きた事故や
藤井が最後に頻繁に訪れていたであろう場所を見つける。
一人で現地に赴いた「私」は、藤井が接触した人物を
訪ねるのだが、地元の人たちは一様に口が堅く、
示し合わせたかのように「知らなくてもいい」と追いやられる。
しかし「私」は、例えどんなことがあろうとも
取材の中で知りえた事が自殺の原因になるとは思えない。
彼の最後の原稿と死の真相を知るために「私」は
探求し続けるのだが・・・


困った。本当に困った。
とっかかりはミステリなんですよ。
作家・藤井陽造の最後の原稿に死の真相が隠されている。
そう思った娘と婚約者が、父の足跡を追い始める。
その中に、不可解な現象をチョロっと挿入してある。
残されたメモに書かれてあったメドゥサの意味するところも
後半部分で明らかになります。
そして不可思議な現象は、ホラー要素を濃くしていく。
ミステリっぽい話とホラーっぽい話が同時進行で進んでいくという感じ。

困ったのは、これもまた色んな解釈が成り立つってこと。
ドグラ・マグラや虚無への供物を連想したけど、
ドグラ・マグラが近いかなぁ~
話的には面白いんですよ。
もう先が知りたくて知りたくて、いてもたってもいられない。
なのにミステリ的な落としどころが・・・グルグル・・・
(ミステリ用語っていうの?知らなくてゴメン)

ホラー的に言うならば、引き返せなくなってしまった「私」が
一方的というか勝手な思い込みの自己満足で終結させたような
解釈もできるんだけど、それを終わりと捉えていいのかどうか・・・
ホラー的真相の部分での心理描写が少々足りない感じなので
感情移入が中途半端に終わってしまってるし・・・
でも、実際は終わってないと思うし・・・
だって・・・残ってるでしょ・・・アレが・・・
いや・・・まてよ・・・そっちでは残ってないのか?
あれ???

もうね、とにかくそういう不安が色々残るから怖いのよ。
その不安定さが怖いのよ。
そしてこれを面白いというのも、真相を考えると
言いづらいというか・・・
これは、白黒ハッキリさせて欲しい人には向かないと思います。
これ・・・感想に困るわ(-。-;)

最初に誰もが気付く事があります。
それが後半に入って、その意図するところがわかって
(  ° ▽ ° ;) エッって思うんだよね。
うまいわぁ~(^◇^;)
そこから脳みそが不安になってしまうんだよねぇ~

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