
発行年月:2002年09月
サイズ:192P 18cm
取扱状況:絶版重版未定
迷宮(ラビリンス)と迷路(メイズ)は混同されがちだが、
構造も、意味も全くの別物である……。
高名な隻腕の建築家・東間真介は、自ら設計した、地上部分は
左右対称(シンメトリー)、地下は迷宮構造の屋敷に住んでいた。
そこで起きた鏖殺事件。
迷宮内の密室で、真介の遺骸は年齢退行をした赤子の姿で発見され……。
今、貴方の心奥の昏い迷宮の疼き出す!
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二度目ましての作家さんです。
何気に印象に残っている作家さんだったので
2作目をどうしようかと思っていたら
運良く「迷宮」がタイトルに入っておりました(○ ̄m ̄)
前作を読んだ時も、テーマ読みだったのよね
これで3作目もテーマ読みだったら笑う(^◇^;)
迷宮入りした建築家の屋敷内にある迷宮で起きた事件。
妻が密室の寝室で殺され、地下の迷宮にいるはずの
夫の真介の姿はなく、何故か夫のガウンを纏った赤子の遺体があった。
状況的に夫が妻と赤子を殺害し、逃亡したようにも思われるが
だとすると辻褄の合わない状況もある。
第一発見者である家政婦と画家にも、殺人、共謀ともに動機がない。
怪しいのは弟なのだが、彼にもアリバイがあり
そんなこんなで迷宮入りしたらしい。
事件からまもなく7年。
このままでは遺産の全てが弟のものになってしまう。
そんな事件に下宿:北龍館の家主である北城霞美が興味を持った。
ネタ元は下宿人である警視庁捜査一課の刑事:岩さんである。
そこで本物の迷宮を見に行くついでに事件関係者に話を聞こう
ってことで家主の特権?で有無を言わさず、妹の北城雪恵と
下宿人&ドライバーの鮎川綾子、同じく下宿人&パシリの
若槻恭太郎の3人を伴って出発するのだが・・・
事件の真相とは?
本作は、迷宮への拘りを感じます。
章のタイトルからして迷宮を辿ってるみたいなものだし
テーマ読みとしては、内容の良し悪しを別にしたら
一番迷宮にふさわしいのではないでしょうか?
それくらい迷宮てんこ盛りです(^◇^;)
中でも迷宮の薀蓄は面白かったです、
迷宮と迷路の違いって知らなかったし(○ ̄m ̄)
事件が迷宮入りするという「迷宮」と本来の「迷宮」の意味は
どうやら違うみたいですねぇ~
本来の迷宮なら、mokkoも興味ある!暗闇の迷宮なんて
((o(^∇^)o))わくわくしますよぉ~
迷路は絶対に無理だけど(^◇^;)
内容的には、迷宮入りした事件を当時の関係者から話を聞いて
実際の現場を見学させてもらって、そこからこぼれ落ちる欠片を
拾い集めて推理するってものです。
いつものごとく、全くサッパリわからなかったんですが
そうだったのかぁ~っていうのが最後の方で3回くらいあって
そういう終わり方する?って感じだったんですけど
まぁ~警察も出てこないし、一般市民が出来るのは
それくらいなのかなぁ~と・・・
でも嫌いではないです。
部分的にクドイ解説なんかもあって、普通なら嫌になるんだけど
その中に、いくつか連想してしまう事柄が混じっていたので
飽きずに読めたのは確かです。
迷宮の薀蓄の中での胎内廻りなんて、ゴーストハントを連想したし
一番気になったのが、家主の妹の雪恵だったりする。
彼女、建築探偵の蒼と同じ能力を持っています。
そして程度こそ違えども彼女も病んでいた。
そして蒼が京介に救い出されたように、雪恵も姉に救われる。
迷宮探検に行くときも、雪恵は殿を務める。
なんか時代劇みたいな書き方だよね・・・殿(しんがり)って(○ ̄m ̄)
やはり蒼と同じ能力を持っているから、メモ帳になるんだよね
なんてことを考えながら読んでしまいましたぁ~
そして京介のごとく、事件の謎は姉の霞美が解いてしまう。
殻に閉じこもり自ら迷宮の中心の扉を閉ざしてしまった人の
扉の鍵を開ける。
そこら辺がね、ちょっと建築探偵と似ていたのでね
別の意味で楽しみながら読みました。
ある意味、館モノでもあるし・・・
そして前作も同じように感じたんだけど、終わり方が
いかにも続きがありますって終わり方じゃない?
ちゃんとキャラ立ってるし・・・
シリーズにするの?しないの?
前作の、主人公のくせに存在感薄かった風桜青紫(かざくらせいし)は
もう出てこないの?
気になるんですけどぉ~(^◇^;)
本作で思わず吹いてしまったのが
「しんみりとー」( ・´ー・`)プッ
後でまとめのページにリンクします。

素材屋さんは→ Silverry moon