
発行年月:1995年02月
サイズ:311P 16cm
取扱状況:絶版重版未定
奇々怪々な難事件を卓抜な推理力で解く織田信長、
推理も兵法の理を基本とする宮本武蔵、書斎派の探偵芥川龍之介、
歴史・宗教・美術に詳しい南条圭、自称美術品の
トレジャー・ハンター永源寺峻、
夢の中で死霊の声を聞く超能力の持ち主司門貘、
快刀乱麻の名推理を開陳し歴史上の謎を解く謎の先生が、
持ち前の個性を発揮し難事件に挑戦。七つの傑作推理短篇。
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初めての作家さんです。
あらすじの織田信長と宮本武蔵という名前で時代小説かと思ったら
芥川龍之介にトレジャー・ハンターに死霊の声を聞く超能力者?
しかも推理するって?
何のこっちゃ?と思ったんですよ。
だけど推理短編になっていたので、好奇心がうずきました(^◇^;)
どうやら井沢氏の作品で、探偵として出ているキャラクターを
登場させた短編集のようです。
これが意外にも読みやすくて楽しかったんですよ。
織田信長や宮本武蔵、芥川龍之介ときたら
名前くらいは知ってる有名人。
それを探偵として登場させてるんだからねぇ~
それ以外は、架空のキャラのようですけど(^◇^;)
「裁かれたアドニス」(織田信長)
信長41歳の年、武田軍とやりあうために
大量の鉄砲と硝石の購入をイタリア人のカピタンに頼んだ。
カピタンはアドニスという少年の裸像を信長に贈ったのだが
像を飾っている部屋で奥女中2人が謎の死を遂げる。
その一人といい仲だったカピタンは、女中の死の真相がわかるまで
鉄砲は売らないと言い出し・・・
「剣鬼過たず」(宮本武蔵)
肥後国 細川藩家老の邸で催された連歌の会が終わり
若殿を囲み酒の席へと変わった時、一人の若者が突然
槍の舞を見せたいと断ると、天井の一箇所を貫いた。
曲者が潜んでいたのだが、その場にいた武蔵には
曲者の気配すら読み取れず、自信が揺らぎ迷いが出るのだが・・・
「谷津少佐の死」(芥川龍之介)
海軍機関学校の教官をしていた龍之介は、ある夜
校長に呼び出され、亡くなった谷津少佐の残した日記帳の
最後に書かれている暗号を解いてくれるように頼まれるのだが・・・
「欲のない犯罪者」(南条圭)
二流サラリーマンの平川は伯父の死によって
土地付きの家を相続することになったのだが
相続税を銀行から借金して払い、生活は楽ではなかった。
そんな時、宝くじに当たって喜んでいたら、息子が誘拐された。
犯人からの要求は意味不明のものだった・・・
「幻の蘭奢待(らんじゃたい)」(永源寺峻)
香道三阿流の三種の神器と呼ばれるものの1点であり、足利義政公から
拝領した蘭奢待(奈良正倉院にある日本最高の香木)が盗まれた。
三阿流家元の娘に依頼を受け、永源寺は調査に乗り出すのだが
盗んだとされる伯父が遺体で発見され・・・
「固められた女」(司門獏)
気の強いガールフレンドの桂美里子に、親友のマンションの留守番を
時給3千円でやって欲しいと頼まれたのだが、その夜
女性の夢を見た。司門が夢の中で死霊の声を聞く能力があった。
そして彼女の伯父と名乗る男が訪ねてくるのだが・・・
「神なる人の犯罪」(謎の先生)
天正十年。武田は織田に滅ぼされたのだが
梅雪は織田方に内通して殺されずに済んだ。
しかし、わずか3ヶ月後に死んでいる。
本能寺の変の直後に何があったのか・・・
軽くて読みやすくて楽しかったので
珍しくあっという間に読んでしまいました(^◇^;)
これは時代とかバラバラなので、気分転換向きですねぇ
でも、絶版になっていたような・・・(^◇^;)
しかも!
萌えキャラ発見!(*´◇`*)
永源寺峻(えいげんじしゅん)
美術品の捜索者(トレジャー・ハンター)で
生後まもなく寺の門前に捨てられた過去を持つ。
養父は政財界の黒幕。
あぁ~ゾクゾクしちゃいますってばぁ~
イメージ的には、京極堂の榎木津を紳士にしたような感じ?
この短篇集って、それぞれのキャラがどの作品に
登場してるかってのを丁寧に教えてくれてるからね
「マダム・ロスタンの伝言」を後で読むことにしましたぁ~
まったくぅ~商売上手なんだからо(ж>▽<)y ☆
マダム・ロスタンの伝言 (集英社文庫―永源寺峻ミステリ・ファイル)/井沢 元彦

後でまとめのページにリンクします。

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