
455P 15cm
“記憶”と“密室”と“悪意”の三重奏(トリオ)。
主題(テーマ)は“純愛”。戦慄の鏡家サーガ!
お祭り騒ぎは、もうお終い。今回は愛をめぐる三つの物語だ。
暗澹たる日々に埋もれた無様な青年。
悪意から逃れられない少女を護り続ける少年。
密室状況の屋敷の中で繰り広げられる、贖罪を含んだ惨殺劇。
それらは歪んでいて、壊れていて、間違っている。
でも確かに愛の物語なのだ。俺は行動を開始した。
その目的は、水没した全てのものを引き戻すため。
そして、その果てに浮かび上がる真相。
そこにはもう、馬鹿げた世界は存在しない。
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テーマ読み第8弾は『ピアノ』
初めての作家さんです。っていうか今回のテーマ読みは
全て初読みということで揃えましたから♪
で・・・
厄介な作品に手を出してしまったらしい・・・
いや・・・著者というべきか・・・
何なんだこの人は??
読み終わってから、ちょっと調べてみて気付いた。
「鏡家サーガ」の3作目らしい・・・
他にも例外編と入門編が出ている。
やっちまった・・・(-。-;)
でも問題はないかと・・・
だって入門編が最後の方に出てるから(^◇^;)
ちなみにこの1作目でメフィスト賞受賞してるし・・・
しかも先月1作目のレビューを恵さんのところで読んだばかり。
天使から感想を伺いたいとお願いされていたのだった(;^_^A
で、2作目の「エナメルを塗った魂の比重 鏡稜子ときせかえ密室」
これ、チェックしてたのよ。悩んだ結果、購入しなかった。
たぶん、それでよかったと思う。
ミステリをほとんど読んでない時代だったから、あの時手を出していたら
たぶん意味不明だってことで、読むのを止めていたと思う。
危なかったぁ~(´・`*)>ホッ
タイトルが良いじゃないの!
そして“記憶”と“密室”と“悪意”の三重奏
まさにその通りなんだけど、どう説明すればいいんだ?
各章それぞれ3人の目線で3つのストーリーが進行していく。
悪い意味で自意識過剰で、外出もままならない男と
執事と召使いがいる屋敷に閉じ込められた男と
少女を悪意から守るために戦う少年の歪んだ物語。
これはミステリでいいんだと思うんだけど
密室という言葉があると、よくある密室殺人だと思うでしょ。
密室殺人はあるんだけど、別にそんなのはどうでもいいのよ。
惨劇も起こるんだけど、犯人は見えてるっていうか
いつかやると思ってるから、それもどうでもいいのよ。
しかも屋敷の中で起こってることだから、謎じゃないし・・・
3つの話が同時進行してる場合は、必ずどこかで重なるでしょ
しかし重なりようがないような話の進み方なのよ。
それぞれが独立していて勝手に進んでいくんだけど
哀れだったり、滑稽だったりするから目が離せない。
で、どこで重なるのかなぁ~なんて思ってると
とんでもないところで話が繋がって驚愕するのよ。
これがそっちで、それがアレ?ってな感じで・・・
ミステリの手法っていうの?これもその1つなんだろうけど、
さんざっぱら混乱させられるのよ。
しかも後半に入ってから、一気に話が繋がってくるから
こっちの頭が錯乱しそうになるってば。
悪意に狙われ続ける少女の一言で
工工工エエエエエエェェェェェェ(゚Д゚)ェェェェェェエエエエエエ工工工
って思ったり・・・
確かに愛といえば愛なんだろうけど歪んでる。屈折してる。
いや・・・狂ってる。
これは狂気の世界だわ。しかも猟奇的でもある。
それを「つまづいて転んだ」程度の軽い出来事のように描写している。
あまりにもわかりやすくて、スプラッタ状態の様子を
簡単に想像できてしまうのよ。
怖くて痛くてグロくて悲惨なのに、サラリと読めるのよ。
人が壊れるっていうと、どういうのを想像するかなぁ~
まぁ~ザックリ2つの表現が成り立つと思うんだけど
両方だからさぁ~(^◇^;)
こういうのを英語ではどう表現するんだろうねぇ~
本当に日本語って難しいわぁ~
タイトル通りに最後の方に鏡創士が出てくるんだけどね
こいつ・・・クロイわ・・・(-。-;)
どうしよう・・・好きだわ・・・この作品。
まいったなぁ~(;^_^A
P.S恵さん
読む順番間違えちゃったけど、これ好きです!
だからこの鏡家サーガ、全部揃えます!
ただ、本作には猫好きさんには、ちょっとキツイ描写が2箇所あるから
そこは注意が必要かも・・・
なんせサラリと書いてるから・・・
↓まとめのページにリンクしてます。
