
333P 16cm
自称青年実業家のヨコケンこと横山健司は、仕込んだパーティーで
三田総一郎と出会う。
財閥の御曹司かと思いきや、単なる商社のダメ社員だったミタゾウと
ヨコケンは、わけありの現金強奪をもくろむが、
謎の美女クロチェに邪魔されてしまう。
それぞれの思惑を抱えて手を組んだ3人は、美術詐欺のアガリ、
10億円をターゲットに完全犯罪を目指す!が…!?
直木賞作家が放つ、痛快クライム・ノベルの傑作。
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テーマ読み第7弾は『マーチ』
行進曲のことですね。
初めての作家さんです。
どうやら本作は奥田作品の入門編らしい?
いやぁ~楽しかったぁ~
っていうか、これってミステリか?
ドタバタパニックコメディって感じなんですけどぉ~(^◇^;)
学生時代にイベント会社を立ち上げ、詐欺まがいのことをして
お金を儲けているヨコケン。
そのパーティーに三田物産という大企業に勤める三田総一郎が参加。
てっきり大財閥の御曹司と思い、ツツモタセを仕込み
その助っ人をよりにもよってヤクザのフルテツに頼んでしまう。
ところがこの三田、ただの使えないダメ社員だったのでさぁ大変。
ヨコケンは愛車のポルシェを取られ、マンションの1室の契約まで
命じられてしまう。
青山のマンションなんてヨコケンの名義で借りられるわけもなく
三田(ミタゾウ)を脅して得意の口八丁で契約させる。
その部屋が賭場に使われている事を知ったヨコケンは
売上金を頂こうとするのだが、突然現れた美女に阻止される。
この美女クロチェと手を組む事になったヨコケンとミタゾウ。
10億円強奪計画を着々と進めていくのだが
ここにヤクザのフルテツや、クロチェパパや中国人までもが絡み合って
すったもんだの10億円強奪戦が繰り広げられる。
いやもう忙しいのなんのって!
こんなドタバタしたのは恩田陸さんのドミノ以来かもしれない。
次から次へと事態がコロコロ展開するもんだから忙しい。
使えないダメ社員のミタゾウが、変に頭の回転が速く
見た目とは違って大胆な計画を立てるってのも面白い。
もちろん、用意周到ではなく突発的な思いつきがほとんど。
人には何かしらの取り柄ってものがあるのだなぁ~と思ってみたり・・・
そして狐と狸の騙し合い炸裂!
ほくそ笑む者があれば、悔しがって大暴れする者もあり。
どいつもこいつも、正直に生きている人間はいないのか。
10億円を強奪しようとしてる奴が言うんだから笑える。
クライマックスに近づくにつれてスピードアップするから
もうハラハラドキドキ。
張り込み、追跡、盗聴、カーチェイスに逃走
若くてよかった。青春でよかった。町中を走っていても不自然じゃない
ヾ(▽⌒*)キャハハハo(__)ノ彡_☆バンバン!!
そしてフルテツ。
本当になんてついてないヤクザなんだ(○ ̄m ̄)
3回くらい吹き出した。
電車で読むには注意が必要かもしれない。
物語は三人の視点で語られるんだけど、その形式も
いわゆるマーチの複合三部形式とかけてるところが面白い。
そして事が終わった時、クロチェの耳にはマーチが聞こえた。
終わったと思ったときは、こっちまで(。・o・。)ほっとしたわ。
ドーベルマンのストロベリーも大活躍♪
いやぁ~読みやすい上に面白かった。
読後感も爽やかぁ~♪
クロチェの耳に聞こえたマーチはmokko的には、
きっと↓だったと想像してみた(^◇^;)
ラデツキー行進曲
DVDも出ているらしい。
そうだったのかぁ~(゚O゚;
真夜中のマーチ [DVD]/窪塚俊介,玉山鉄二,香椎由宇

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