幽霊刑事/有栖川有栖 | mokkoの現実逃避ブログ

mokkoの現実逃避ブログ

現実から目を背けて堂々と楽しむ自己満足ブログ

幽霊刑事 (講談社文庫)/有栖川 有栖
¥770 Amazon.co.jp
サイズ:514P 15cm

究極のラブ&ミステリ
俺は神崎達也。職業、刑事。
美人のフィアンセを残して無念にも射殺された……はずが幽霊に!?
しかも犯人の上司が密室状況で何者かに殺されて……。
いったい真犯人は誰なんだ!
そして俺はどうなってしまうんだ!
ミステリーとラブストーリーが融合、
2001年度本格ミステリー・ベスト10入りの傑作。
-----------------------
テーマ読み第10弾
猫→鼠→鳥→きつね→犬→アヒルと鴨→鴉→猫→吸血鬼ときまして
最後を飾るのは「幽霊」です!

mokko基準ですからぁ~!
薬屋の秋も言っているでしょ。
「個を持っているのに意識は不安定で、個によって習性が異なる」
実際にこれは変に考えてしまった。
だって触れないけど触られるんですもの。
しかも、確実に意思を持っている輩もいる!
確かに死んだ人ではあるけれど、別の存在として
生きているとは言わないのか?って・・・
だからあえて、幽霊にしてみました(○ ̄m ̄)

ちなみにこの作品。
続編にあたる短編を先に読んでしまった(^◇^;)
アンソロジー「七つの死者の囁き」の中の
「幻の娘」がそれです(○ ̄m ̄)

でもそれは番外編的な位置づけなので大丈夫でした。
そして面白かったぁ~о(ж>▽<)y ☆
有栖氏は霊にインタビューしたことがあるのか?って思えるくらいに
死んだらどうなるかってのを詳細にコミカルに書いておられる。

主人公の神崎達也が目覚めてみると、死んだ場所に立っていた。
自分は信頼していた上司に撃ち殺された事を思い出す。
腕時計を見たら、ご丁寧に死んだ日時で止まっている。
神崎は死んでから1ヶ月で幽霊デビューしてしまったのだ。

幽霊初心者の神崎は、混乱しながらも冷静に考える。
とりあえずフィアンセや親のところに行ってみる。
気付いてくれない。悲しすぎる(/□≦、)
そして思い出した。
自分を殺した上司の前に化けて出てやる!
やはり気付いてくれない。
そこで初めて物凄い孤独感に襲われる。

でも飛べる事に気がついて浮かれて飛び回ってみたりもする。
そして、職場に向かう。
無敵の幽霊に怖いものなどない!ヤッホー♪ってな具合に・・・
既に電気が消えた捜査一課の自分の席に座ってみる。
そこに同僚の早川が入ってきて仰天する。
どうやら早川のお祖母ちゃんはイタコをやっていたので、
その血筋で見えたらしい(○ ̄m ̄)

神崎は自分を殺したのが上司であることを早川に告げる。
理由は不明。本人も何故殺されたのかわかっていない。
未だに神崎殺人事件の捜査式を取る上司に怒りの炎メラメラ。
どうにか奴を犯人としてあげないと成仏できない!
ってことで早川に操作協力を求めて
ここに目出度く幽霊刑事と霊媒刑事のコンビが誕生する。

ところが肝心の上司がよりにもよって警察署内の
取調室という密室で射殺されてしまう。
凶器の銃が持ち去られている事から、明らかに他殺なのに
何故犯人は現場を密室にしなければいけなかったのか?
そういえば上司が自分を射殺する時「すまん」と侘びを入れた。
ってことは自分の意思ではないということか?
他に黒幕がいるということか?
上司は黒幕によって口を封じられたのだ。

神崎の前に、1人の巡査が射殺されている。
そして補充として入ってきた神崎が殺され、上司まで・・・
同じ署内で3人が殺されている。
これは同じ黒幕の手によるものなのか?
3人もの人間が殺されなければならない理由とは??


いやぁ~面白かったですぅ~
やはり有栖氏の本は読みやすいです。
臨死体験なんて話はよく聞くけれど、神崎も言ってるように
これは死亡体験である。
幽霊デビューした時の混乱ぶりは結構笑える。
mokkoが幽霊デビューしたら、とりあえず飛ぶけどね
でも、乗り物に乗るという頭はなかった。
考えてみたら電車にも幽霊さんが乗ってるんだから
乗れない訳がないのよね(^◇^;)

それにしても、有栖氏は本当は霊と話ができるんじゃないのか?
ってなくらいに幽霊神崎の行動はリアルでしたよ。
捜査にあたって早川曰くシャーロック・ホームズや
明智小五郎もうらやむ能力を獲得したはずなのに
その能力には限界があることを痛感する。
決定的瞬間を目撃したとしても、それを証明できない。
せいぜい怪しい奴に張り付いていることしかできないのだ。
しかも肝心な時に神崎は別の場所にいて、現場を目撃できない。
なんてスットコドッコイ!

何よりも、結婚目前だったフィアンセの目に神崎は映らない。
彼女は写真の神崎に語りかけているというのにだ。
切ないのよぉ~(/□≦、)

これはホラーではないですよ。
れっきとしたミステリですよ。
恋愛テイストを効かせたミステリですよ。
ちゃんと伏線も張り巡らせてありましたしね。
相変わらず犯人が出てくるまで気付きませんでしたけど(^◇^;)

まぁ~mokko的には別の意味でも大いに楽しめました。
有栖的な霊界の規則というのも実に興味深い。
幽霊が成仏する2つの条件とか、緑の光だとか・・・
霊も心が疲れると睡魔に襲われるとか・・・

霊が見える人や仲間はほとんどいないということから
絶対的に孤独であるというのも納得しました。
だから群れたがるし、しつこいんだなぁ~
目が合った瞬間に喜んで近づいて来るってのも納得。
こっちが気付いた瞬間に気付かなかったフリをするのは
正しいと思ってしまった(○ ̄m ̄)

ただ、霊はモノや人に触れないということになっているけど
モノは落とすし、触ってくるぞ。
触った証拠まで残していくぞ。
一方的にしゃべってるけど、会話したことはないぞ?
まぁ~そんな個人的なことはどうでもいいですね。
とにかく読みやすくて面白かったです。
よい〆ができました♪

mokkoの現実逃避ブログ-ikimono02

七つの死者の囁き (新潮文庫)/有栖川 有栖
¥460 Amazon.co.jp