
サイズ:377P 15cm
伊沢吾郎、82歳。
かつて日本陸軍の狙撃手としてフィリピン戦線で戦った男は、
軍人恩給をもらいながら、孫娘の結と山奥でひっそり暮らしていた。
しかし、ひとりの少年の失踪事件をきっかけに、
雪山は緊迫感に包まれる。
伊沢の動向を監視する謎の男たち。複雑に絡み合う思惑…。
囚われた過去を背負いながら、老兵は愛する人を守るため、
再び立ち上がった。
ベストセラー『償いの椅子』の著者が描く、強く優しい絆の物語。
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象→犬→麒麟→ミミズク→猫と続きまして
テーマ読み第6弾はライオンです。
初めての作家さん。
そして初めてのハードボイルド?
読んだことないのに敬遠してたので、どんなものなのか
よくわかってません。<(_ _)>
でも解説にハードボイルドって書いてあったから
これがそうなのかと・・・
完全に勘違いしてました。
「老兵は愛する人を守るため、再び立ち上がった」という部分と
序章の最後の部分で結(ゆう)に
あの人の声が蘇った。
アディオス・・・ユウ・・・
この部分で、異国の男性との恋が絡んだミステリだと思ったのよぉ~
確かに異国の男性は絡んでるんだけどね
まさかハードボイルドだとは思わなかった(^◇^;)
しかし!
じーちゃん、カッチョエェェェェ~(((p(>◇<)q)))
山じじぃの二人が、カッチョエェェェ~ヾ(≧∇≦)〃
序章と終章は、事件から約15年後の時効寸前。
結(ゆう)の元に立木刑事が訪ねてくる。
そろそろ誰かが来る頃だと結は思っていた。
立木は定年を前に15年前の事件を引きずっていた。
警察側の見解に立木は納得できていない。
そして結が何かを思い出さないかと期待している?
結が巻き込まれた事件とは?
第二次世界大戦時、狙撃兵としてフィリピンで戦った伊沢吾郎は
東北の山奥の炭鉱で働いていたが、閉山してからも
山を降りずに獣を狩って暮らしていた。
家庭崩壊により高校2年生の孫娘の結を引き取り、
同じく陸軍斥候兵だった罠猟師の猫田虎之助と山じじぃとして
それなりに楽しく暮らしていた。
そこに表向きタイから来日した大学教授と学生たちの一団と
ガイド役の杷木が近くの廃屋に寝泊りしていた。
また吾郎はフィリピンに進駐していた頃に受けた流れ弾を
今頃になって摘出しようとしていた。
一方、町では少年が行方不明になっていた。
5年前にも同じような少年の行方不明事件があり
未解決のままであった。
立木刑事は一人の男に目星をつけていた。
資産家の1人息子である。
しかし、ちょうど5年前にお目付け役の男が
その家に入って以降、事件は起こっていない。
そして今回、事件発生直後に1人息子とお目付け役の男が消えた。
吾郎たちの家に向かう途中の製材所の前に
見慣れない男たちがいて、結と接触した。
彼らは吾郎たちの事を知っている?
男たちの目的とは?
吾郎がフィリピンで受けた流れ弾には秘密があった。
それを暴こうとする者と阻止したい者との戦いに
町で起こった少年の行方不明事件が絡んできて
雪の山中での壮絶な銃撃戦に発展していく。
吾郎は何が何でも家に戻らなければいけない。
急がないと結が学校から帰ってきてしまう。
家には敵が入り込んでいる。
相手はチンピラの寄せ集めのような集団だと聞いていたのに
中に凄腕の男が混じっていた。
何としても生き延びようと奮闘するのだが、
ひとりふたりと倒されていく。
元狙撃兵として有能な吾郎と罠猟師の猫田の
奮闘っぷりがとにかくカッチョイイのよ!
手に汗握る攻防なのよ!
まさに命のかかったかくれんぼ
先に見つけた方が勝つ
雪山の描写も上手い。
情景が頭の中でキレイに動きましたもの!
そして最後はウルっとしてしまった。
ライフル使ってドンパチっていうのは初めてでしたよ。
久しぶりに緊張して心臓バクバクしました。
暑さも忘れて冬の山中をさまよえました。
いやぁ~面白かったです。
吾郎たちの会話が東北弁だったところが
なんとも親しみやすかったりする♪
そして、体からはみ出した腸って、
タラコみたいなんだね・・・
タラコ色のニョロニョロ(ムーミン)を連想してしまった。
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