発展変化するもの | イキイキした職場をつくる「ひと・しごと」ブログ
手持ちの基本書から労務管理の基本的定義を考える続きです。
引用している本はやや古いもの(森五郎さんの日経文庫)ですが、
歴史的経緯と社労士試験内容の前提を知る意味で続けています。


前回のように労務管理の意義や目的は大きく4つに分けてありました。
ここで、著者の私見ということでこれらをまとめた定義を引用します…

人事・労務管理とは、近代産業の発展の一定の段階で、
 企業の主体が、長期にみて※企業の目的達成に役立てることを終極的目的として、
 また直接的目的としては、経営内における社会秩序を安定・維持し、
 それを基礎として個々のおよび集団としての労働力の効率的な利用をはかろうとする
 一連の体系的・民主的・合理的な管理であって、
 その具体的あり方は歴史的・社会的諸条件に応じて、発展変化するものである


少し気になっていた二元論、つまり下線部の直接的目的のところにある
「組織の安定」と「労働力の効率的利用」との二元性をどう考えるか…?

これは著者自身がある程度解決してくれていて、「表面的な捉え方」、
「二者択一的な理解は適切でなく」、「経営社会秩序の安定・維持は
労働力効率利用の前提」として「二つの説は統合される」とあります。

これ以外にもこの私見の論点はありますが、これぐらいにします・・・。
個人的にはいずれの立場もある意味で発展段階の過程のことであり、
「※企業の目的達成」ということが何なのかが現在の問題かなと・・・


さて、ブログとしてはちょっと懲りすぎた感もあるので(笑)、
労務管理の基本的な定義としては今回で終わりたいと思います。
ただ、この本の「組織活性化」については取り上げるかもしれません。