劇127 大阪現代舞台芸術協会プロデュース 文豪コネクション「坊っちゃん」観劇。 | 日々幸進(ひびこうしん)

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7月6日(日)

大阪現代舞台芸術協会プロデュース 文豪コネクション「坊っちゃん」観劇。
http://www.aihall.com/
@伊丹 AI HALL
11:00


【概要】
二人の劇作家が一つの文学作品を異なる演出で連続上演する「文豪コネクション」。今回は、夏目漱石の初期作品『坊っちゃん』に挑戦します。
文豪の名作を、舞台のうえで“再発見”する試みに、どうぞご期待ください。

【原作】
夏目漱石

【構成・演出】
くるみざわしん(光の領地)、泉寛介(baghdad café)


【出演】
増田雄(モンゴルズシアターカンパニー)、小石久美子(劇団大阪)、
岡村宏懇、一明一人、一瀬尚代(baghdad café)、杉原公輔(匿名劇壇)




【感想】
今迄、あっけらかんと大好きだった作品。
しかし時代背景やら講釈を聞くに従い、観終えた後には別物に成り果てた。
最高!


現代を超盛り込んだ。
これは、まっぷたつに割れる芝居だなと思った。
リーディング公演だと聞いていたのだが、
全然、
いやこれはリーディングの範疇を越えた「演劇公演」であった。
しかも刺激的な部類。
僕は、きよ を聖人としていたのだ。
自分を許す存在であり、何をしても受け入れてくれる。
そうした母以上の慈愛は、
僕にとっては神に近く、
聖人としてとらえていたのだ。

だが物語を、ラップ口調の矢継ぎ早に最近のガキの口調で述べる杉原さんの言葉は、
血の通ったセリフではなく、
間違いなく記号を伏した愚痴と言い訳だけであった。
またそれを現代の小劇場の演劇人16人にインタビューで答える映像を、
二か所にプロジェクターで映し出し、
演劇と坊ちゃんと、現代の風刺を盛り込んでくる多重構造を見せた。
それが僕には刺さりまくり、
この短期間に、一体なんというものをプットアウトするのかと、
泉さん、一之瀬さん、杉原さん、一明さん。
本当に素晴らしいベストアクトであった。

この作品は人を選ぶ。
振り落とされなければ天国モード。振り落とされれば地獄モード。
僕は幸運にも天国モード。

もっと評価されて然るべきの作品であると断言する。

かなり攻めの姿勢で臨まれた公演で、
泉さんのキャリアの中でも燦然と光り輝く傑作であるとも断言する。

そしてそれは勿論、
お客様を選ぶ芝居であったという事も重ねて追記しておく。


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