子どもが、中学生、高校生の年代は、親にとって気がかりなことの多い時期です。
リストカット、非行、家庭内暴力、引きこもりなどの形で、子どもたちは、持っていき場のない寂しさや、辛さに耐えようとします。
そんな中で、
「自分は生きる価値がない」
「自分は死んだ方がいい」
「消えてしまいたい」
と感じている子どもたちが多くいます。
希望にあふれ、友達と笑い合いながら、はじけるような時を過ごせるはずのこの時期に、「消えてしまいたい」と思いながら、日々を送るなんて・・・。
なぜ、そんなことになってしまうのでしょう。
それぞれの子どもが抱える辛さは、さまざまです。一番多いケースは、"過去"の満たされない寂しさの経験に、いじめなどの、"今"の辛い体験が重なる場合です。
過去の満たされない寂しさは、親子のボタンのかけ違いによる場合が多くあります。
我が子の幸せを願わない親はいません。そして親は、我が子をしっかり育てようとします。
わがままを言わない、がまんできる子に
しつけがしっかりできていて、迷惑をかけない子に
あきらめずにがんばり通す子に
勉強ができる子に・・・
そのために
きびしくしつけたり、
甘えを許さなかったり、
突き放すようなこともあったかも知れません。
ところが、その部分だけが子どもに伝わり続けると、「ボタンのかけ違い」が起きてしまいます。
子どもは、お母さん(親、または親に代る人)にほめてもらいたい、しかられたくないと、いろんなことに頑張り、がまんするようになります。
そして・・・
「私が、頑張っているから、がまんしているから、お母さんは私のことを好きなんだ」
「お母さんは、頑張っていない私、がまんしていない私なんか、嫌いなんだ」
「頑張っていない私は、愛される価値がないんだ」
「ありのままの私は、生きる価値のない存在なんだ」
・・・と、いつの間にか、まちがった考えを持つようになります。
もちろんそれは、親の思いとはちがいますよね。
親は、
わが子が生まれるまでは、「五体満足で、元気に生まれてくれればいい」
大きな病気をしたら、「命さえ、助かればいい」
夜、帰りが遅ければ、「無事に帰ってくれればいい」
そう願ったはずです。
でも、わが子の幸せを願うあまり、頑張りや、がまんや、勉強を、求めてしまったのです。
そこで、ボタンのかけ違いが起こり、子どもは、「ありのままの私は、生きる価値のない存在」という、まちがった考えを持つようになったのです。
(作: KIZUNA)
親が悪いわけではありません。
子どもが悪いわけでもありません。
親の愛が足りなかったわけでもありません。
ただ、ボタンのかけ違いがあっただけです。
もちろん、親(または親に代る人)の愛がしっかり伝わっていても、「自分は生きる価値がない」と思ってしまうことがあります。
いじめに会ったり、人に裏切られたりといった、とても辛い経験をしたときです。
そんなときにも、その心の傷をいやすうえで、一番力になれるのが、親の愛です。
ボタンはかけ直すことができます。
愛は伝えることができます。
「自分は死んだ方がいい」「消えてしまいたい」と思っているかもしれないお子さんの、心の声に、耳を傾けてあげてください。
そして、「生きていてくれるだけでいい」「自分の命より、おまえのことを大事に思っているよ」・・・そんな、ほんとうの気持ちを、伝えてみてください。( 第314話へ つづく)
◆ 子育てに関連する記事一覧
親も子も輝いて生きるためには、どうすればいいのでしょう……そんな記事を集めました。
◆ 心に寄り添うメッセージ集~シリーズ「君へ」
生きる希望を探している子どもたちに贈る、私からのメッセージ集です。
◆ バックナンバーへようこそ
過去記事をカテゴリーに分けて、読みたい記事を見つけやすくしてあります。
◆講演のご依頼をお受けします
子育て講演、PTA講演、生きがい講演、中高生向けのキャリア講演をうけたまわります。心あたたまる感動と、やさしい気持と、夢と希望をお届けします。
・講演の詳細はこちら
・講演に関連する記事一覧はこちら
・講演のご依頼方法はこちら
◆少しでも多くの人に見てもらえるよう「人気ブログランキング」に登録しています。
ここをクリックして応援(投票)してもらえるとうれしいです。
◆みやた あきらの facebook はこちら