第4話 矢のゆくえ
北条、三浦での会議。
頼朝がくじを引き、決行は17日となった。
義時は、堤信遠も討ち取るべきだと提案した。
兄から「やる気じゃねえか」
坂東武者が集まる場所は、鎌倉に決まった。
りくは時政と2人になった時に「勝って頂かなければならない。(くじの)どれも拾七と書いておきました」
時政はそれを聞いて「やりおったな」と笑った。
兵の数は18人と聞いた頼朝「兵が少なすぎないか。ざっと300と言ったでは無いか」
義時「申し訳ありません」
頼朝「緒戦が大事だと申したのは誰だ?」
義時「なんとかします。明日までに200」
宗時は義時に「流れが出来ればなんとかなる。大丈夫だ。うまく進んでおる」
政子「ずっといるのね」と八重をけん制。
川向こうからも八重が見ていた。
政子は義時に「佐殿に何かあったら私、何をするか、わかりませんからね」
義時は八重から話しかけられた。
「幸せなんですか?」
義時「ええ」
八重「私にはそうは見えない。戦でも始まるんですか」
義時「私は聞いておりません」
八重「どうなのです。戦になるのですか」
義時「仮の話として、お伝えいたします。いつでも逃げられるよう、支度をしていた方がいい、かも」
時政はもう鎧をまとっていた。
義時「早すぎませんか」
りく「佐殿の父として、立派なものを着てもらいます」
頼朝「負ける戦はできんのじゃ。わしにとって正念場じゃ」
土肥実平は反対した。
「佐殿を本当に信じて良いのか」
頭を下げてとの義時からの提案に、頼朝は「頭を下げろと言うのか。嫌じゃ。お前がやれ」
義時「我らは所詮、坂東の田舎者。しかし、力を合わせなければならぬのでございます」
頼朝「よう申した」
頼朝は次郎の手を握り「一番頼りにしているのは、実はお前なのだ。力を貸してくれ。どうか一緒に戦ってくれ」
感動した土肥は、協力することになった。
義時「お見事でございます」
頼朝「嘘も精神誠意で、誠になるのだ」
頼朝は、岡崎平四郎にも同じ手を使った。
山内首藤経俊は加わらない。「さっさと帰るが良い」
戻った盛長は「悔しゅうございます」
佐々木秀義の息子が4人加勢するとのこと。
しかし、兵の数はまだまだ。
頼朝「小四郎、これは負けるぞ」
八重は、義時から聞いた情報を伊東祐親に知らせた。
伊東「でかしたぞ、八重」
八重「佐殿はどうなりますか」
伊東「討ち取られるか、首をはねられるか」
八重「どうにかなりませんか」
伊東「挙兵を未然に防ぐことが出来たら、考えてやる」
頼朝の夢枕に後白河法皇が出た。
「兵が集まらんとは何事ぞ。しかとやれ。お主しかおらんのじゃ」
頼朝「毎晩これは辛い」
8月17日、頼朝の動きは、伊東から大庭に伝わった。
大庭「頼朝はいつどこを攻めるつもりなのか? それが大事なのだ」
山内「私は誘われましたが、断りました」
大庭「どうやら、兵を集めるのに苦労しているようじゃな。これでは挙兵などできん」
りくが政子を呼び出した。
りく「仏に祈るのはおやめなさい」
政子「神仏はどちらの味方をすれば良いのかと・・・」
りく「何もしなくてよろしい。戦は男がするもの。その後のことを考えましょう」
頼朝は弱気になり「山木本人の首を取らねば意味が無い。ここは日を改めて・・・」
宗時「一刻の猶予もなりません。やるなら今夜しかありません」
頼朝「24人? 取りやめじゃ」
義時「山木の居所、私が聞き出してきます」
八重に聞き出した「お力をお貸しいただけますか」
八重「お前は私に父を裏切れと言うのですか。父を裏切るマネがどうしてできましょうか。
佐殿のお命を取らぬと約束を」
義時「甘い、爺様は優しい人ではありませぬ。これ以上話しても無駄なようですね」
八重「無謀な戦を始めるから」
義時「坂東は、飢饉が来れば民が飢え死にするのです。だから我らは立つのです」
宗時は戻って来た義時を引っ叩いた。
「伊東の娘にペラペラ喋りやがって」
佐々木4兄弟が到着。
夫・江間次郎「三島明神に行ってみませんか」
八重「父とばったりしたら・・・」
江間「お父上はああいうところは好きではないはず。山木様も足を痛めて館においでです」
それを聞いて、八重は川向こうに矢を放った。
白い布が付いていた矢は頼朝の元へ。
義時「これは何かの合図です。今夜出陣せよとの合図です。山木は館にいます」
頼朝も腰を上げることになった。
頼朝「これより山木を成敗する。堂々と大通りを行け」
時政「それでは敵に知られてしまうのでは」
頼朝「それで構わん。山木が首、見事上げて参れ」
一同「おー」
時政たちは、三島祭りの中を出発した。
堤の館に到着。
宗時が「怖いのか」
義時「はい」
宗時「案ずるな。俺も怖い」
時政「俺だって怖いよ。漏らしそうだ」
佐々木経高が矢を放った。
約4年に及ぶ源平合戦の火ぶたが切られた。
前回の「鎌倉殿の13人」の記事はこちら(2021年1月30日)
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では、明日。