◆池上彰のニュース解説「そうだったのか、アフガニスタン」 | ザ・外食記録 ~今日も閲覧ありがとう~

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最近のニュースをにぎわせているアフガニスタン問題。
なぜこんな状態になったのか、基礎の基礎からわかりやすく解説。

1. アフガニスタンはどんな国
面積は日本の約1.7倍
人口は3890万人
3分の2以上が30歳以下
首都はカブール
国技がヤギつかみ

「世界で最も危険な国」
世界平和度指数ランキングでは、163の国と地域の中で最下位。
国内で争いが続き、テロ・誘拐など多発している。
医療が十分でないため長生きできずに、平均年齢が若くなっている。
生活苦から「娘とヤギと交換」なんて事件も起きている。

非常に親日的。
日本は以前から支援していて、日本の支援で作られたものに日の丸が付いている。
カブール国際空港など。
故・中村哲医師も長年医療活動をしていたため、現地で有名。

観光ビザが発行されない。
JICAなど、支援機関の職員が行くぐらいで、一般の人が行くことはまずない。


2. アフガニスタンの大まかな流れ
・90年代初め
多くの勢力が対立して無法地帯
日本の戦国時代のイメージ
殺人・強盗・誘拐などが横行

・1994年
武装勢力・タリバンが登場
イスラム教の国を作ると主張

・1996年
首都を制圧して政権を取る

・2001年
アメリカ同時多発テロが起きる
アメリカ軍がアフガニスタン攻撃
新たな政府が誕生

・2020年
トランプ大統領(当時)が撤退を決める

・2021年
反政府武装勢力・タリバンが首都カブールへと進攻し大統領府を掌握
ガニ大統領は国外に退避し、政権は事実上崩壊
国民が逃げ出す大パニック

3. そもそもタリバンって何
独特の解釈で、「イスラム教の国を作る」という組織
タリバンはペルシャ語で「学生たち」という意味
イスラム教を学ぶ学生たちで作られた組織
イスラム教の学ぶといっても、極端な考え方を教え込まれた学生たち。

90年代に登場した当時は、無法状態のアフガニスタン国民から支持されていた。
厳格な戒律を持っていて、武装勢力を一掃し、多くの支持を集めて政権を取った。

行政機関を作って統治をしていた。
軍事部門と政治部門に分かれて、徴税・警察機構も持っていた。
ただ、政治経験者がほぼいなかったため、政治は機能してなかった。

なぜ女性の権利を侵害する?
象徴的な事件は、12歳でタリバン兵と強制結婚させられ、逃げ出したところ、捕まり鼻を削がれた女性。
神様の声を聞いて伝えたムハンマドという人が
何人もの女性と結婚しているが、その中の最年少が8歳の少女。
タリバンは、イスラム教の教えを独自に解釈して、政権を握っていた当時、人々を厳しく支配した。
女性には教育禁止、就労制限をし、家族の男性の付き添いなしでは外出は禁止した。
さらに女性に限らず、酒、タバコ、音楽、映画、観光、さまざまな娯楽は禁止した。
コーランに「お酒は飲んではいけない」と書いてある。
タリバンとしては「天国に行ってから楽しめ」
偶像崇拝:目に見えるものを信仰の対象にすること、を禁止しているが、彼らは拡大解釈している。
「芸能人は拝む対象になる」
無論、アイドルなどいない。
歌手もいない、歌も禁じられていた。
当時タリバンは、違反者を逮捕・処刑するなど、徹底的に取り締まった。

周りの国は、タリバン政権に無関心だった。


4. 世界から注目されるきっかけになった大事件
アメリカ同時多発テロが発生、その犠牲者3000人以上と、史上最悪の国際テロ。
首謀者はアルカイダのオサマ・ビンラディン容疑者。
アルカイダとタリバンは全く別組織。
ビンラディン容疑者は、タリバンを頼ってアフガニスタンに来た。
「助けを求めて来た客人は守る」というルールがある。
ブッシュ大統領「ビンラディンを引き渡せ」
タリバンは拒否した。
ブッシュ大統領「テロリストも、かくまう者も同罪だ」
アメリカは、タリバン政権を攻撃した。

20年経ち、タリバンは復活した。
2003年アメリカがイラクを攻撃するため、兵士が大量に移動し、急に治安が悪化した。
一方、アメリカが作り上げたアフガニスタン政府は外国の援助に頼り切り。
汚職まみれになり、どんどん政治が腐敗。

政権崩壊後もタリバンは山奥に潜み、ゲリラ化して戦闘を続けた。
「死ねば天国に行ける」そう思って突撃するタリバンに、敵うものはなかった。
米軍にも犠牲者が多数出て、コスト増大。
アメリカは、20年の節目で撤退を宣言。
撤退が始まった時点で、タリバンは勢力を拡大。
昔のような「タリバンの支配は嫌だ」と恐れる人たちが国外に逃げ出そうとして、今のパニック状態につながっている。


5. 世界は、日本はどう対応するのか
人権など、国際的なルールが守れるのか、まだわからない。
ルールを守られないところを国として認めるわけには行かない。
日本や欧米などは、タリバンの動きに注目して様子見している。
中国やロシアはいち早くタリバン政権を事実上容認。
「影響力を持つ絶好のチャンス」

周辺国としては、「世界に認められる国になりなさい」と、圧力をかけ続けるのが大事。

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約500人の日本人が、自爆テロの発生もあって空港にたどり着けなかったため、脱出出来ずに取り残されている。
政府は自衛隊機や民間機による退避を実現してもらいたい。


前回の「池上彰のニュース解説」はこちら(2021年7月17日)
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http://ameblo.jp/miyacar/entry-12686908032.html

では、明日。