◆池上彰のニュース解説「日本人が知っておくべきSDGs」 | ザ・外食記録 ~今日も閲覧ありがとう~

ザ・外食記録 ~今日も閲覧ありがとう~

いつしか食べ歩きがライフワークになってしまった今日この頃。
美味しかった店はもちろん、雰囲気の良かった店を紹介していきます。
2023年12月に外食記事 4000号を達成しました。
ちょこちょこ地域別索引も更新中。
現在、「いいね」返しが出来ません。



Sustainable Development Goals(持続可能な開発目標)
温暖化対策や、貧困・差別を解決して、世界じゅうのみんなでもっと発展していこうという目標。

「ボランティア」では広まらなかったが、「経済発展」を目標にしたところ、企業が熱心に取り組むようになった。
SDGsを達成すれば、市場機会は年間最高12兆ドル(1300兆円)以上との試算

例えば、海のゴミを拾って靴にする、CO2を吸収しやすい植物を開発して売る、などは、社会貢献にもなり、利益につながる。
企業などが、これらのメリットに気づいた。

具体的に17個の目標があり、2030年までに解決しようと世界各国が方針を決めた。
その中で、特に日本人が知っておきたいのは3つ
1. 貧困をなくそう
2. 飢餓をゼロに
12. つくる責任・つかう責任

「12 つくる責任・つかう責任」が日本人に一番関係がある。

・安い買い物
安い靴が作られるというのは、児童労働させているから安いのかもしれない。
約1億5200万人の子どもが労働させられている、という統計。
もともと人件費が安い国で、さらに低賃金・重労働させられている疑惑がある。

Tシャツ:コットン(綿)栽培は、多量の農薬が必要であり、農家の健康被害も問題になっている。

コーヒー:森林伐採してできた畑で作ったかもしない
農地開発のため、動物の生息地が減少してしまう。

チョコレート:原料となるカカオ豆
アフリカで低賃金で過酷な労働をさせられている。

コーヒーにも、環境・人権への配慮を明記した製品もある。
生産者のことを意識して、買い物するのもSDGs。
知らないで買うことが、環境悪化や人権侵害につながってしまう。
そのようなことを考えるのが「つくる責任つかう責任」である。

2013年バングラデシュで、8階建てのビルが突然倒壊して、1000人以上が犠牲になった。
外国からの発注で、衣服を作るのが盛んな国。
縫製工場でブランド品を製作していたが、ひどい実態が明らかになった。
違法建築で建てられたビルは、建て増しして亀裂が生じていたのに、経営者は放置していた。
従業員は、毎日14時間労働で休み月1日で、給与は月1万円ぐらいだった。
大幅に人件費を削ったため、低価格が実現できていた。
これをキッカケに、企業・消費者の責任が問われるようになってきた。
日本で売られている商品も、たくさん海外で生産されている。
安い方がいいけど、人権を無視してはいけない。
悲惨な現実を知らなくてはいけない。
ムダにたくさん作るのはやめよう。
使わないのに、ムダに買ってることはないだろうか。
日本人は捨てすぎ、と言われている。
服の大量廃棄、と言う問題がある。
日本の衣料品は、年間約28億点のうち、約14億点が売れ残り、リサイクルされているものもあるが、多くが廃棄されている。
ブランド品は、安く売られるとイメージが傷つくから、絶対に値引きしない。
そのため売れ残りは廃棄されてしまう。
そう言うところには不買運動も起きている。
また、日本や先進国で捨てられた電子ゴミが、途上国へ輸出されていて、金属の回収で生活する人もいる。
それには有害物質も含まれていて、健康被害や環境汚染まで引き起こしている。

日本で問題となっているのが、食品ロス。
まだ食べられるのに、捨てられている食べ物。
捨てられている量は、年間約612万トン。
国民1人あたり毎日茶碗1杯分捨てていることになる。
食品ロスは、地球に悪影響を及ぼしている。
余った食べ物は燃えるゴミになる。
水分が多いものの焼却には時間がかかる。
結果的にCO2の排出量が増え、温暖化をより促進してしまう。
環境を守る意味での食品ロス削減が、SDGsの目標の1つでもある。
食品ロスを減らすためには、「賞味期限」と「消費期限」の違いを知っておくこと。
賞味期限とは、美味しく食べられる期限
消費期限とは、安全に食べられる期限
したがって、賞味期限は過ぎてもすぐに食べられるわけではない。
例えば、卵の賞味期限は2週間ぐらい。
冬場で生で食べられる期間は、採卵から57日以内とされている。
とはいえ、日本卵業協会は、賞味期限を過ぎたら75度で1分以上の加熱を推奨している。

企業も積極的に取り入れている。
エルメスのキノコから作ったバック
菌糸から新素材を開発し、化学物質を一切使わない。
化粧品から作った絵の具がある。
開発途中で廃棄された化粧品をリサイクルしたもの

日本サステナブル・ラベル協会より
エコマーク:環境保全に役立つと認められた商品
FSC:森林環境や人権に配慮した紙・木材製品
MSC:水産資源を守って漁をした水産物
GOTS:全工程で環境と社会に配慮して作られたオーガニック繊維製品
国際フェアトレード認証:生産者の適切な労働環境・賃金など保証

消費者は、基準を満たしたものを意識して買い物するべき。
消費者が変われば、企業も変わる。

▼写真AC:coji_coji_acさん提供のフリー素材


中国の西に、新疆ウイグル自治区があり、ウイグル族が住んでいる。
多くは熱心なイスラム教徒。
特産品がコットンで、中国産の約8割を生産。
欧米の人権団体などが、ウイグル族を強制労働させているのではないか、と疑念している。
100万人以上の人たちが強制収容所にいる?虐待や、洗脳が行われている?と指摘されている。
中国は教育のための「職業訓練施設」だと主張して、強制労働を否定している。
中国のコットンを使わないことを宣言したメーカーに対し、それはデマだと主張する中国。
中国市民も反発して、不買運動に発展した。
そもそも中国で宗教活動を行うには、共産党の許可が必要になっている。
欧米などが協力して、中国に厳しく対応している。
中国は「内政干渉」だと、猛反発しているため、解決は難しい。
2022年の北京五輪の不参加を検討する国もある。

日本で貧困・飢餓が増えている?
満足に食べられない人が日本で増えている
貧困には、絶対的貧困と、相対的貧困がある。
絶対的貧困は、その日食べるのも難しい人、世界で7億3000万人以上いる。
相対的貧困は、その国の標準的な暮らしより、かなり貧しいことを言う。
1カ月約10万円未満(一人暮らし)で生活している状態。
家賃や食費なども含めて10万円では相当厳しい。
日本の相対的貧困は6人に1人とされ、先進国の中では多いほう。
今は貧しさが見えにくくなっている。
その人たちは、生活費の中で食費を削っている。
十分な食料がない人が増加して、日本の課題とされている。
国や自治体で対策はされている。
ある寺では、お供物のお裾分け。
北欧のデンマークでは、果物の木を植えていて、誰でも実を取って食べていい。
食べ物が困った人が食べている。

その一方で富裕層も増加して、格差が広がっていた。
正規雇用と、非正規雇用の年収差は300万円以上。
時給にしても7割違っている。
住む地域によっても収入に格差が広がり、都道府県ごとの平均年間給与額は、
東京都は595万円、青森県は366万円

世代間格差もある。
社会保障のサービスなどに関する世代間格差
60歳以上は負担額以上貰えるのに対し、10代の人は払う額の方が多くなり、結果的に1億円の差になってしまう。
高齢者は投票率が高いから、このような差になっている。
なぜ格差が生まれるのか?
<貧困の連鎖> 経済難の家庭→不十分な教育→進学・就職が不利→不安定な収入・次世代に影響→ 経済難の家庭
親の貧困が子どもに引き継がれてしまう。
格差をなくすのはSDGsの目標。

働き口が無い人は人手不足の企業にいけばいい、という意見があるが、人手不足の業種は、それなりのスキルが必要。
スキルを身に着けていないとブラック企業で長時間働くことになってしまい、体を壊す原因につながっている。

授業料の無償化(所得制限あり)は、2020年から私立を含む高校と大学が対象になるが、かなり収入の低い人が対象なので、なかなか負の連鎖から抜け出せない。

私たちの暮らしも見つめなおしていかないといけない。


池上彰さんと松井秀喜さんの「キューバ訪問」の記事はこちら(2020年7月2日)
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
http://ameblo.jp/miyacar/entry-12607355996.html

では、明日。