PEZVOLADOR

PEZVOLADOR

むぎわら帽子の思い出を抱え込んだまま
大人になった人に読んでもらいたい、
終わらぬ夏の人生旅日記。



日本、それも奈良町という余りにも非日常的な朝の中に立ち寄った朝食屋さん。開店を待ってカウンターに座ると、今からおむすびを結ぶであろう手がつくり出した優しさが店のあちこちに感じられ、思わず微笑みを隠しながら新米の香を待った。





娘に聞かせるベッドタイムストーリー。

むかしむかし、あるところにお爺さんとお婆さんが住んでいました。お爺さんは山へ.. お婆さんは川に.. と、ここまでは毎回一緒だが、この先はその時思いついたままの即席ストーリー。

寝る前なので、夢に出て来ぬよう天狗や山姥には休んでもらい、その代わり、河童や森や川に住む様々な生き物たちが、思いがけないストーリーを繰り広げる。

最近では娘の方から、今日はわたしが話すね。と空想の物語を語ってくれる。

動物の絵を描くのも普通じゃつまらなくなってきた。これな〜んだ?
フルーツコウモリと思いきや、頭がダックスフントのダックスコウモリ。よく見ると2本の足もダックス。こうして画用紙の上には新種の生き物や植物が次々に誕生し、命名されてゆく。

我が家に新しいペットが来た。
丸々とした黄色いオカメインコの若鳥である。娘に名付けてもらおうと頼むと、じっと見つめ、しばし考え込んでから満足げに言った。「オムライス」

「ホタル遊び」



高校の時は族車並みな爆音のする単車で、夜な夜なひとりホタル探しに行った夏休み。



アマゾンで見たのは満点の星空との境が分からなくなるほどの、湿地帯一面のホタルの瞬き。

水辺のない林の中から湧き出てくるそれの「水なしホタル」とか「土ボタル」と言う呼び名を妙に気に入っていたアラバマ時代。

淡く儚くも生命力に満ちた黄緑色、この光を眺めてるだけで思い出す夏はあまりにも多い。