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ご存知、僕は甲本ヒロトさまと水曜どうでしょうが好きなんですが、
スペースシャワーTVで、ヒロトさまが「あなたにとって音楽とは？」と質問されていました。
聞かれて、数秒間「うーん・・・音楽とは・・・。」と考えるヒロトさま。
なかなか切り出さないヒロトさまを見て、
やっぱりこの人は凄いなぁと思いました。
『決まりきった、答え』を自分の中に形成していない。
ブルーハーツ時代から数えると、もう４０年近く、トップスターです。
これまで、何度も何度も、「音楽とは？」と聞かれてきたことでしょう。
1,000回くらい聞かれてると思う。
それなのに、『自分の中にシナリオ』が出来上がって無いんだよ？
普通だったら、解答例みたいなのが嫌でも出来上がってしまうと思う。
人気ラーメン店の店長がいて、取材がバンバン来るとしよう。
記者だけじゃない、お客にも、親戚にもバンバン聞かれる。
記者
「あなたにとって、ラーメンとは？？」
店主
「私にとって、ラーメンとは・・・」
「私にとって、ラーメンとは・・・」
「私にとって、ラーメンとは・・・」
30回も答えてたら、
「言い回し」だとか「内容」だとか、
「決めゼリフ」だとかが、自然に凝り固まって来ると思う。
10年もラーメン屋やってれば、絶対に「俺にとってラーメンとは」が出来上がるだろう。
でもそれは同時に、もうラーメンに興味が無いシルシだとも思う。
その人にとって、「ラーメン」は、もう違う見え方をしないのだから。
一つの答えが、決まってしまった。
「極めた」のかもしれないけど、だからこそ、
その人にラーメンはもう固まったアイデンティティだ。
そこに、新たな見方は出来ないだろう。
膨張する宇宙で、収縮を始めたということだ。
結局、
「音楽とは」を語れるようになったんなら、
もう音楽なんて辞めちゃえば良いと思う。
まだ分からないから、まだ惹きつけてたまらないから、
毎回違う「僕にとって、音楽とは・・・」が出てくるのだろう。
どんな道の専門家でも、極めきることは無いと思います。
華道にしろ、茶道にしろ、柔道にしろ、らーめん道にしろ、
『道』である限り、果てはない。それが、『道』でしょ？
極めることは、絶対に無いはずだ。
「ラーメンを、極めました」と言っているラーメン店なら、
僕はたぶん、食べません。
あなたの仕事はなんですか？
それについて、誰かに聞かれても、「答えに詰まる状態」になれますか？
それはけっして、恥ずかしいことではありません。
横で、ペラペラと「ラーメンとは」を語る同僚より、
あなたの『その道』に対する姿勢を、僕なら評価します。
あなたは今日も、真剣にその道を歩いているのだから。
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↓今日も僕は、「幸せになるためには？」という質問に、一つの解答例を用意していません。
でも、もう１００回以上聞かれてるから、言い回しとかが似てきてしまう。
それなのに、ヒロトさまは、確実に1,000回は聞かれてきたこの質問に、詰まっていました。
すごいよね。きっと毎回、その瞬間に思ったことを伝えているんだと思う
自分の中に、何かを用意していない。こだわりがない。
だからきっと、答えている内容も、年によってはてんでバラバラだと思う。
「ラーメンを極めた」と言う店主の店では、ラーメンは食べたくないよね。
悟りきった人のもとで、学びたくないよね。
道はきっと、続いています。道なのだから。
そして、そこを、まだ歩いている人の後になら、続きたいもんです。
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