ある小学校の運動会で、一年生のリレー競走が行われた。

レースは白熱し、最後の走者へのバトンは、赤白ほぼ同時に渡り、

各チームの子供たちは、大声で最後のアンカーを応援した


大声援を背に、赤組アンカーのヤマト君は必死に走った。

そして、ヤマト君が、ついに白組のアンカーを追い越したそのトキ、

勢い余って、ヤマト君は転んでしまった。

涙を流しながらも、ヤマト君はゴールまで走ったが、

赤組は、大差で負けてしまった。




3時間後。

運動会も終わった夕暮れの校庭で、一人まだ泣いていたヤマト君を見かねて、

用務員のおじさんが、声をかけた。



用務員
「なぁ、僕。おじさんもあのレース見ていたけど、

 もう、しょうがないじゃん。」


ヤマト君
「でも、僕のせいで、赤組は負けたんだ。

 僕が、あのトキ転ばなければ、赤組は勝てたのに…。

 あのあと、みんなにも、たくさん文句言われたし。」


おいおいと泣くヤマト君の目の前に、おじさんはコップ一杯の水を差し出した。






ヤマト君
「ありがとう、おじさん。

 でも僕はいま、水を飲む気にはなれないんだ・・・。」


用務員
「飲まないでも、良いんだよ。

 ちょっとこのコップの水を、見てごらん。

 このコップ、とってもギリギリまで水が入っているだろう?

 表面張力って言うんだけど、今にも溢れそうだ。

 ここに、君の涙が一滴入ると、どうなると思う?」


そう言うと、おじさんは少年の顎からしたたり落ちていた涙を手のひらですくい

コップの中に一滴、落とした。

するとコップの水は、一気に溢れ出た。



用務員
「たった、一滴。

 たった一滴のしずくが、このコップに入っただけなのに、

 沢山の水が、一気にこぼれ落ちただろ?」


ヤマト君
「それがどうしたの?

 理科の実験でも、やったよそれ。」



用務員
「このコップの水がこぼれたのは、誰のせいだと思う?」


ヤマト君
「最後の一滴を入れた、おじさんのせいさ。」



用務員
「そこが、僕たち人間の、大きな勘違いなんだ。

 いいかい、コップの水があふれたのは、最後の一滴のせいじゃないんだよ。

 コップに入っていた全ての水のせいさ。

 だってそうだろう?
 
 半分までしか水の入ってないコップに、一滴の水を入れても、

 こぼれないじゃないか。




ヤマト君
「ど、どういうこと、おじさん?」



用務員
本当は、どこにも原因なんて無いってことさ。

 良いかい、君はリレーの最後の走者で、最後に転んだ。

 一番最後に転んで、その直後にリレーの勝負がついたから、目立っただけさ。

 でも、おじさん見ていたけど、君のロスは、たったの5秒だったぜ?

 3番目のケンタ君なんて、クツが脱げて逆走して取りに行ってたじゃないか?

 アイツ、25秒もロスしてたぜ?

 8番目の走者なんて、コース間違えて、30秒もだぜ?

 その全てをトータルして、勝ち負けが付いたのに、

 どうして君だけ、泣いてるんだい?



ヤマト君
「そうか。負けたのは、僕のせいだけじゃないって事か!」



用務員
「そうなんだよ。

 僕たち人間はね、表面の目に見えやすい所だけが原因だと勘違いちゃうんだ。

 だからコップに最後に入った一滴を、人間は責めるだろう。

 分かり易いからね。

 でも、それまでに起こった全ての出来事があって初めてソレは起きのだから、

 本来であれば、コップの中に入っている水の全ては、

 最後の一滴と同じくらい責められるべきだ。

 でも、僕たち人間は、そうしない。

 いつだって、分かり易くて、見えやすかった、最後の一滴を責めるんだ。

 友達が、最後に転んだ君だけを、責めたように。

 でも、気にする事は無い。

 そいつらみんな、頭が、悪いだけさ。

 頭が悪くて、目も悪いから、最後に起こった事しか覚えてないし、見えてない。

 ほんと、かわいそうな奴らだなぁ~、

 ヤマト君だけが悪いなんて言っちゃうようなヤツは。」


用務員の話しを聞いているうち、

ヤマト君の自分への後悔の気持ちは溶けていった。



用務員
「さぁ、だからもう、帰りなよ。

 おじさん、君がいつまでも校庭で泣いていたら、門のカギ掛けられないからさ~。

 一番最後に学校を出る、君が原因で、おじさん、いま、困ってんだ。」



思いっきり最後の「一人」だけを責めているおじさんは、

良い人なのか悪い人なのかよくわからなくなって来たけど、

校門を最後に出たヤマト君の瞳に、涙はもう無かった。




↓「私があの日、あんな事をしなければ。」

悩んでいる人が、沢山います。

でも、それは、あなたの勘違いが引き起こしている幻想の、「後悔」です。


あなたの悩みは、全ての人間のせいです。

あなたが一人で抱えるべきでは、ありません。

例えあなたの目に、「私だけのせいだ」と映ったとしても。

それは、あなたの目と頭が悪いだけです。


その出来事が、あなたの前に運ばれて来るまでには、

沢山の人が、それに関わり、それに手を加え、それを形作り、

そうして、やっとそれはあなたの前に運ばれて来ました。

ここで、たまたま、あなたの前で起こっているだけの、それに対して、

「最後に関わった」なんてあなたは言い出して、

「私だけが悪い」なんて後悔を始める。


このブログでよくしている、縁起の話しです。

沢山の「」が積み重なって、それはあなたの前に運ばれ、

あなたの前で、「こり」ました。

あなたを含め、全ての要因はただの「縁」で、どこにも、原因なんてありません。


だから、今日はほんの少しだけ、

少しだけで良いので、自分を責めるその気持ちを、

夕陽に溶かしてみて下さい。


四六時中、あなたを責める、その出来事。

あなただけが、悪いんじゃ、ないんです。

あなたは、最後の一滴で、

待ちかまえていた全てのコップの中の水と共に、それを起こしました。

コップに入った、最後の一滴、「あなた」。

溶け合ったコップの中から、「一滴」を探し出すことはもう出来ません。

溶け合えば、認め合えば、「原因」はもう探せないという事です。

あなたの日々から、幻想である「原因」が溶けますように。

↓今日は下の二つのボタンを押す際、

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