教授と少女と錬金術師/集英社
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「教授と少女と錬金術師」
金城孝祐、著。 2014年
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内容(「BOOK」データベースより)
薬学部の学生・久野は、育毛と油脂の関連を研究する江藤教授に助手を任命され、かつての教え子である永田を紹介される。頭髪の薄い永田は乾性油によって人を魅了する光り輝く艶を頭部に作り出すことができた。久野は、永田の勤め先の塾で不思議な力を持つ女子中学生の荻と出会う…。第37回すばる文学賞受賞作。
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禿治療。
それは人類永遠の夢。
毛生え薬を作る事。
それは錬金術。
主人公は薬学部の学生であり、もぐりの薬剤師である。
自分の薬局を持っているが、そこで作っているのは上質の油。
その油脂の研究が育毛剤と結びつく。
教授は彼を助手に任命する。
そして呆ける。
研究途上で主人公は錬金術師と、不思議な女子中学生・荻と出会う。
荻は錬金術めいた力を持っている。
そして変人である。
錬金術師も荻も変人である。
呆けた教授は何やら悟りの境地に達した様子で、これもまた極めつけの変人であることは間違いない。
荻に入れ込み、教授に惚れ込む主人公もまた変人である。
登場人物全てが変人である。
ストーリー展開もまた変である。
結末も何やらよく解らぬ曖昧さである。
全て変である。
だが、人間の根源的な何かに触れているようでもある。
思い違いかも知れない。
何だか良く解らない。
何を書いておるのだろう、この著者は?
何を読まされておるのだろう、この私は?
著者の投たボールは確かに受けた。
だが━
ボール……なのだろうか?
あるいは得体の知れぬ軟体動物?
タコ……とか?
受け心地が妙にグニャリとしておるのだよな……。
何を投げたのだろう?
何か解らぬものを受ける方も受ける方だが……。
まあ、受けるしかないしね。
『教授と少女と錬金術師』。
すばる文学賞受賞作品には妙なものが多いような気がします。
これはとりわけ妙な作品。
得体が知れぬが、嫌いではないです。
妙なものを読んだ満足感ありです。
面白かった気がします♪