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「世界は密室でできている。」
舞城王太郎、著。 2002年
またもや舞城♪
良いですね、舞城王太郎♪
“ありえたかもしれない過去”を通して語る。
まぁ、小説の手法です。
事実そのままなんていうのは、かえって嘘臭いですから。
これは“私小説”でも同じ。
露悪的な、グダグダな純文学にしろ、“そのもの”ではない。
だからこそ、小説はフィクション。
…なのですが、舞城の場合、“ありえたかもしれない”っていう状況があり得ない状況な訳で…。
かなりあり得ない…いや、まったくあり得ない。
馬のような鬣が生えているから、足が速くて音速を越える…とかね。
かなり無茶をやる。
かなりハイパー。
で、疾走・疾走・疾走…、ドライブ感が凄い。
でも、あり得ないことを通して、かなり深い事を語る。
真理。
舞城的真理を追究する。
どこかで、きっちり文学している。
文体はラノベ。
この落差がタマラナイ♪
そんな、過激な舞城作品の中では、本作『世界は…』はかなりマトモで大人しい。
“これ”でも大人しい方です。
※
「何とかと煙は高いところが好きと人は言うようだし父も母もルンババも僕に向かってそういうのだでどうやら僕は煙であるようだった。」
━煙に慣れなかった「涼ちゃん」が死んで二年。十五歳になった「僕」と十四歳の名探偵「ルンババ」が行く東京への修学旅行は僕たちの“世界と密室”を巡る冒険の始まりだった!
『煙か土か食い物』の舞城王太郎が講談社ノベルス二十周年に捧げる極上の新青春エンタ。
もう誰も王太郎を止められない!
(裏表紙より)
※
十五歳、中学生。
純情です。
熱血・ノリノリです。
状況は…相変わらず、異常。
されど、ちゃんと青春しています。
ラストには感動もある。
舞城なのに!
だけど、これも舞城。
やはり、舞城は面白い♪