神州纐纈城 // 石川賢 | みゅうず・すたいる/ とにかく本が好き!
神州纐纈城―国枝史郎「神州纐纈城」より (上) (講談社漫画文庫 (い2-12))/石川賢とダイナミックプロ
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神州纐纈城―国枝史郎「神州纐纈城」より (下) (講談社漫画文庫 (い2-13))/石川賢とダイナミックプロ
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 「神州纐纈城」


 石川賢、画。  2005年。

 原作、国枝史郎。 1926年、未完。



 国枝史郎氏の「神州纐纈城」をいまだに読んでいません。

天下の奇書と名高いこの本、いつか読んで見たいと思い

ながら、未読です。


 人の血を絞り布を染める。 赤黒く染まったその「纐纈布」

は、高値で取引される。

その、布を作っている場所こそが纐纈城。


 何とも、好奇心と想像力を掻き立てる設定です。

そして、石川賢さんにかかれば、これがさらにトンデモナイ

話になってしまう♪


 纐纈城の謎を追う、甲斐の国の武士・土屋庄三郎と

鳥刺し(竹竿で鳥を刺して猟をする)・高坂甚太郎


 富士の樹海を彷徨い、三合目の陶物師(仮面の殺人者)や

薬師・時子、妖しげな教団の教祖・光明ウバソクなどに出会い

纐纈城に迫ってゆく。


 やがて、二人は纐纈城に入るのだが、そこには安逸な暮らし 

を楽しむ民がいる。 戦国の世に、不自由のない暮らしをする

代償は、選ばれた順にとてつもない残虐な方法で血を絞られる

こと・・・。


 やがて、庄三郎と甚太郎は、自分たちの運命に目覚めてゆく。

庄三郎は、纐纈城の城主に成るべき人物だったのだ・・・。

さらに、彼らの前世は地獄で神に戦いを挑んだ・・・。


 塚原卜伝や、魔王・信長などが入り乱れる常識外れの物語。

最後はもう、聖魔伝やデビルマンの世界。

荒唐無稽、理屈無用の面白さ。


 むろん、エンディングはお約束の「さあゆくぞ!」。

風呂敷を畳めぬサービス満点の壮大な物語。

良いのです。 石川賢さんはこれでなくては♪


 残念ながら、完結した作品としては遺作になってしまいました。

2006年、11月15日、永眠。

突然の死でした。


 ああ、もっともっと長生きして、作品を書き続けて欲しかった。

広げに広げた風呂敷は、いつもこちらの想像力を遥かに越えて、

ワクワクする作品を書き続けてくれました。


 ファンは私も含めて皆、「今回も風呂敷が畳めなくなって、いつ

ものアレだな♪」と・・・、そこまで含めて楽しませて頂きました。

未完でも良い、小さくまとまるな石川賢! と、まだまだ言い続け

ていたかったのです・・・。


 湿っぽくなりましたが、石川賢さんの作品は面白い!

「神州纐纈城」、興味のある方はぜひお読みください。

出来れば、これを機に「石川賢」にハマって下さい♪

仲間になりませんか?♪