g i f t // 古川日出男 | みゅうず・すたいる/ とにかく本が好き!


gift (集英社文庫)/古川 日出男
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 「g i f t 」


 古川日出男、著。 2004年。



 「ベルカ吠えないのか!」「13」と、古川作品を

二冊読んで、「古川日出男は良い!」とすっかり

インプットされた私です。


 これは、バラエティに富んだ短編集です。

まあ、感想は正直なところ「玉石混交」といった

ところですね。


 単行本で読んだのですが、150ページほどの

本に19の作品が収まっていますから、実際には

ショート・ショートと呼ぶべきかも知れません。


 「ラブ1からラブ3」

 庭に作った小さな砂の階段に残された妖精の

足跡。 主人公は、妖精を録画しようとします。

その末に彼が見た妖精の姿は・・・。

最後のひと捻りの利いた、小気味の良い作品。


 「あたしはあたしの映像のなかにいる」

 主人公の少女は、体重が80キロを超えたので、

餓死するために家出する。 

取り壊しの決定された古い都営住宅の一軒で、

計画を実行するが、どうやらその部屋は映画の

ゲリラ撮影で使われたセットのようだった・・・。

 奇妙な話を、古川日出男さんらしい力強く疾走

するかの如き文章で綴った作品。


 その他、SFっぽい作品あり、ホラーっぽい作品

あり、古川さんの実体験ぽいエピソードありで、

面白いものも多かったです。


 ただ、中には実験的作品と言うか、正直作品と

して成立していないのでは?、と思わせるものも

何作かありました。


 らしい作品はとても満足のゆく出来だと思います。

私は、楽しめましたが、作品集としては50点と

いったところでしょうか。


 ファンなら楽しめる本だとは思います。

後の「ベルカ・・・」に通じるような作品もあります。

私はにわかファンなので、もちろん楽しめました♪

ただ、その観点から「面白い」と書いてもアン・フェア

なので、今回は珍しく点数を付けてみました。


 ?・・・、何やら、愛犬のミュウが呼んでいるよう

なので、今日はこのあたりで・・・。