神に頼って走れ! // 高野秀行 | みゅうず・すたいる/ とにかく本が好き!
神に頼って走れ!―自転車爆走日本南下旅日記 (集英社文庫)/高野 秀行
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 「神に頼って走れ!

  自転車爆走日本南下旅日記 


 高野秀行、著。 2008年。



 中学二年の春休みに、自転車で独りで大阪~

広島間を走った事がありますが、最後の岡山~

広島の山越えはキツカッタ・・・。


 姫路城よりも、原爆ドームよりも、辛い峠を登り

切ったところに咲いていた、みすぼらしい雑草の

白い花一輪が一番記憶に鮮やかに残っています。


 あれは・・・、しんどかった・・・。

まあ、その後も懲りずに、淡路島で一時間ほど

フェリーと競争したり、日帰りで琵琶湖に行ったり

(本当に行って帰っただけに終わりましたが・・・)

馬鹿馬鹿しい事って、なんて楽しいのでしょう♪



 2007年1月、ある願いをかなえるため著者は愛車

キタ2号にまたがりお遍路の旅に出た。

あらゆる神仏に祈りつつめざすは日本最南端の島・

波照間。 参るは、饅頭の祖神、野球塚、たぬき

大明神、鯖大師に摩岸クルス、世界遺産の聖地・

斎場御嶽。 四万十川でカヌー、波照間で釣りにも

挑戦。 それは日々が驚きに満ちた日本再発見の

旅。 寒風の冷たさが染みる感動の旅。

愉快爽快な55日間の写真日記。

 (裏表紙より引用)



 爽快?感動?驚きに満ちた日本再発見の旅?

爽快と言うよりグチャグチャ・・・。 

特に感動するような場面は無い・・・。

驚きに満ちた・・・、それは高野秀行、お前じゃあ!


 だいたい、この旅の日程は・・・、本来、君は

日本にいないハズ!

君は、インドで怪魚を探しているハズでは無いか?


 まあ、怒っている訳では無いけれど・・・。


 通常の常識で、君を量ろうとは思わない。

その、変なところが面白くて作品を読んでいるの

だから・・・。


 今回の旅自体は、さほど驚くようなものでは

ありません。 単なる自転車による旅日記です。

ただ、本人が変人だから、変なものや変な人に

出会うのです。


 「ごみ屋敷」に住む友人。 日系ブラジル人協会の

ロック・バンドの賛美歌。 土佐名物・エチオピア饅頭。

・・・・・・。


 高野秀行さんの偏見のない無垢な好奇心と、通常の

常識を持ち合わせぬ思考法・・・、やっぱり馬鹿だ・・・。


 今回は、読み終えて脱力感が・・・。

気付けば、随分リラックスしている・・・、なるほど

ある意味癒し系エッセーですねえ、これは・・・。


 かなり「とほほ・・・系」でもありますが・・・。

結論。 やっぱり、変だ・・・高野秀行。