2㎞先の友人 | 鍵られた時間

鍵られた時間

今、あの星へ向かう船に乗ろう

「テーブル席使いますか?」

スタバで、階段をあがった二階席の入り口に立っていたら、お店を出るお客様に声をかけられた。無料券があるからと、やたらでっかいフラペチーノを注文した俺みたいな男が、混雑する店内に一人で立ちすくんでいる光景。明らかに浮いていたのだろう。困っている人に嫌みもなく声掛けをしてあげられるやさしさ。左右にも前にもお客様のいる大きなテーブルに申し訳ない思いで腰を下ろすと、ふとつぶやいた。今の俺にはこうしたやさしさは備わっていない。


春は出会いと別れがいつもより多い季節なんだと思う。はじめましてがあれば、さようならがある。すれ違う街の中で、これだけたくさんの人の中で、ほんの一瞬でも近づけた人は、それはもう出会った人だと思っている。俺の周りには最近、2㎞先の友人という感じの人がいる。いつもはそれぞれの環境の中で生活し、何かあるときに連絡を取り合ってお互いの存在を確認する。数か月ぶりにあっても、昨日あったような感じで話し始められる人。離れていても、がんばってる顔が思い浮かぶ人。


今日も1日元気だった。

他人にやさしくできるような余裕は相変わらずないけれど、
それでもつながれる人を大切にしたい。


今日の夜空に満天の星が輝くように、
明日の街も笑顔で輝きますように。


星が流れても祈りにも似た奇跡を願うのはやめよう。

未来は今、八方に広がっている。