物心ついた頃から、秋という季節が好きだ。
夏から季節が移りゆくにつれて、日没が早まり、夜が長くなり、どこかセンチになる。そんな秋が好きだ。
桜満開の春に「この桜が観れるのは今年が最後かしらね」と重病患者がつぶやいて、なんて言っていいかわからなかった、とある看護士が言っていたけど、俺は秋になると「この秋を何回経験すれば自分が納得できるようになるのだろう」と考える。
気分的にも時間的にもギリギリという意味で、この患者の気持ちに近いのかも。それでも、そんな秋が好きだ。
自分に不満があるわけではない。
毎日その日のベストを尽くそうとはしている。
ただ思い描いていた未来と今のギャップに人生の難しさを感じる。
夢を実現している人は、人並み以上の努力をしている。切り開く力と同じくらいに大事なのは、きっと受け入れる力。
あの日の夕日に涙するなら、明日の太陽を笑顔で迎えよう。
あの日の雨に涙を流すなら、明日に全力の汗を流そう。
今日は楽しかった。
今、残したいのは、ただシンプルなこの事実。