「私は経済成長は絶対に必要だとの立場です。分配面の指数である名目GDPが増えなければ格差解消は無理です。福祉の為に経済成長は必要なのです」
『経済成長が無ければ福祉の費用を確保出来ない』
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『福祉は成長戦略か?』
2000年に介護保険制度がスタートした時に思ったのは、政府が土木建設業に代わって福祉を経済成長や雇用確保の為に使うのだろうとの予感です。当時、元祖ブラック企業コムスン折口氏が華々しく介護に参入したのを今でも鮮明に覚えています。政府は今も毎年1兆円以上社会保障費が増額すると主張しています。
『全く成長しなかった日本』
日本政府の戦略は明快で、労働生産性の向上に直結する公共投資を削り福祉にお金を廻しました。しかし経済成長は全く止まり、国民は貧しくなってしまったのです。税収も減り、足りない分を政府は赤字国債で補填して国債発行残高は急増しています。福祉は絶対に必要ですが、ナゼか経済成長には繋がりませんでした。
『福祉で金儲けして良いのか?』
名目GDPは、生産面の合計(つまり付加価値)、分配面の合計(つまり所得)支出面の合計(つまり消費)の三面等価の原則を示す指数です。ここから解るのは、福祉で経済成長=名目GDPが増えるという事は、我々の支払いで、介護や医療の支出の比率増を意味します。コレって何だか変だと思いませんか?
『病気や介護ばかりにカネを使うのは幸せ?』
つまり福祉が成長産業になるというのは、薬漬け、介護漬け、病院漬けになっているのと同じです。これは正直言って幸せな事では有りません。勿論、高齢化社会になれば病気になりますし薬も必要で増えて当然ですが、経済成長のエンジンでは無いでしょう。これで国民が不幸になっているのが米国です。
『経済成長が正義なのは福祉が理由』
私は、名目GDPの成長は必要だとの立場ですが、理由は福祉のお金を確保する為です。GDPの支出面で考えれば、経済成長がゼロの場合、福祉の支出を増やす為に、他を削り、薬や介護のお金の出費の割合が増える事を意味します。所得の合計であるGDPが増えていれば、福祉にお金を廻すのは苦では無いでしょう?
『分配を重視するからGDP』
また名目GDPが重要なのは、分配面の合計でもあるからです。格差の問題を真剣に考えるのなら全体の所得を増やさないと誰かに分配すると、だれかが貧しくなります。貧困を無くし格差を解消する為に、新たな貧困を発生させるのは本末転倒です。勿論、賃下げ圧力に繋がる移民禁止などの規制強化が大前提です。
『日本には財政問題が無い』
公共投資を減らして経済成長が止まった日本ですが、インフレではなくデフレで長期金利が人類史上最低の日本には、財政問題はありません。税収不足は赤字国債を積み上げて対応しています。問題は全体のパイが同じで福祉にお金を使うという事です。福祉以外の産業に従事する方が貧乏になったり失業している点です。
『現場で起きているのは惨劇だ!』
ある大学生と話をしたら非常に考えさせられる事を教えてくれました。彼の実家は、元々土木系の会社をしていたのですが一度倒産して今は福祉関係の仕事をしているそうです。経済学者は簡単に転職しろ!と言いますが、実際に起きている事は、物凄い苦痛や伴う惨劇です。生身の人間に面と向かって言えます?
『増税して福祉を削ります!』
財務省のレポートを読むとヤツらは恐ろしい事を考えています。消費税を増税するのは当たり前、次は増やしていた福祉を削ろうとしています。政治家は福祉の財源に消費税は必要だと吹聴しますが、実際は増税の上で福祉削減です。今までも医療や介護の報酬を抑えに抑えて福祉の現場で低賃金労働を強要していました。
『積極財政が唯一の解』
GDPを増やすには、生産性を向上させるインフラ整備などの公共投資を増やせば良いのです。その上で介護報酬など増やせば福祉の現場も先が見えます。今必要なのは「消費税減税+公共投資増+規制強化」のセットなのですが、この総て逆を目指しているのが安倍政権です。総理は正直、日本が憎いとしか思えません。
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