私が安倍批判する根拠 | 「国家戦略特区」blog

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ポスト・グローバリズムの社会を考察。日本を貧しくする移民=外国人労働者受入れ政策に警鐘を鳴らしています。

『本ブログも皆様にご愛顧頂き一周年を迎える事が出来ました。今後週末を中心に一年前の同月エントリーの中から特にもう一度皆様に目を通して頂きたいコラムを再掲またはリライトしてお届けしたいと存じます。』
ザハ
『私の経世済民論』

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『私の履歴書』

私の本業は、いわゆる建築家という仕事をしています。
今や安倍政権批判が本業みたいな感じですが、ただの一級建築士が、どうして安倍晋三氏の政策にイチイチ文句を言うのか、まとめてみたいと思います。例えば公務員の方のような経済動向に左右されない仕事をしている方と違い、私の仕事は政府の経済政策と密接に関連していると、今迄、仕事をして来て、そう痛感しています。

『オリンピックが決まった日の出来事』


例えば、今年の春に完成したプロジェクトは、2013年9月の東京オリンピックの開催が決まったその日の夜に仕事のオファーが来ました。東京五輪とは全くの関係のない仕事ですが、もしかしたら、オリンピックが決まって、クライアントが「よしやるぞ!」と思った可能性を否定出来ません。勿論、そんな事は施主に確認してはおりませんが・・・

『大型補正予算で何故か?仕事が発生!』

更に、2013年前半に日経平均が急上昇していた時には、香港の投資家が、東京で日本人建築家が設計した投資物件を持ちたいという事でプレゼンを行いました。(その後、残念ながら計画は頓挫・・・・)麻生政権の時に大型補正予算で住宅ローン減税を行った時も、住宅設計の仕事が来ました。クライアントが、経済対策の結果、家を建てる決断をしたかどうかは、当然、聞いていませんが、関係あるとしか思えません。

『景気対策で建築ブームが発生したけれど・・・』

また私は関わっていませんが、当時、保育園などの建設費に大規模な補助金が出たそうで、建築界には、ちょっとした保育園&幼稚園ブームが起きました。笑えるのは、麻生さんのバラマキのお陰で仕事を得た私の友人は、ちゃっかり民主党に投票し、政権交代に一役買ったそうです。麻生政権の大型経済対策の後、暫く経った民主党政権時代に、これら保育園や幼稚園が大量に竣工し、建築雑誌でこれらの建物の特集号が出たのを記憶しています。

『人身事故で終電が遅れまくったアノ頃』

リーマンショックの際は当然、幾つもプロジェクトが頓挫しました。
小泉構造改革の時は仕事は忙しいが余り儲からないという『実感なき景気回復』を『実感』しました。小渕内閣の時は、拓銀が潰れた後だったので大騒ぎとなり終電が毎日、人身事故でストップして時間通りに帰ることが出来ない日々が続きました。

『バブル崩壊後に食い繫いでいた方法とは?』

学校を出て、弟子入りした私の師匠は、バブル時代は商業建築で注目を集めた建築家ですが、バブル崩壊後に就職した頃には、公共事業に仕事をシフトさせて事務所は大変活気づいていました。これも日本経済が、バブル崩壊を経験したのにも関わらず、公共事業によって恐慌に陥らなかったのと一致します。

『建築業界の天国と地獄の差の要因』

師匠の建築家の事務所も私が独立した後は、橋本内閣の消費税増税と公共事業削減の煽りを受けて、スタッフへのボーナスも無くなったそうです。ところが同じ事務所でも、バブル期に在籍していた先輩は、仕事が忙しくてお金を使う時間が無く、退職した時には貯金が3000万円になっていたとか・・・要するに、日本経済の時々の情勢の影響をモロに受けている業界なのです。

『私がデフレの原因です』

また、これは日本経済とは直接は関係ない事なのですが、今迄、私の設計した建物を作って利益を出した建設会社はないと思います。直接建設会社に確認した訳では無いですが、何となく分かるものです。つまり私の職能としては、良い建物を作る事が目的であり、企業を儲けさせる為に仕事をしている訳ではないのです。しかし、これは社会的に見れば、大変なデフレ圧力です。

『マクロ経済による問題解決』

正直、自分でも色々良い方法がないか考えてみたのですが、解決方法としては、企業がビジネス全体で適正な利益率を確保出来るように、マクロ経済が動くことだろうとの結論に達しています。分かりやすく例えると、建設会社が普段は普通に儲かっていて、たまに変わった建築家の仕事でもしてみるか?という感じです。

『名目GDP4%成長ターゲットの設定を!』

それをマクロ的に見ると、実質3%程度、名目4%程度のGDPの経済成長となるのでしょう。因に政府自身も、インフレ目標2%、実質成長率2%なので合わせて4%成長です。
その点、消費税増税などのデフレ政策など「もっての外」です。だから恥を忍んで、2012年9月には官邸前迄、抗議に出掛けたりしました。

『建設業界が抱える深刻な問題』

また、今、現場では、本当に職人さんの高齢化が深刻な問題です。もう歳だから引退したとか、お亡くなりになった職人さんの話を最近よく聞きます。
長引くデフレ不況で、若くてやり直しの効く世代は、みんなこの業界から逃げてしまったのです。今現場に残っているのは、言い方は悪いですが、潰しがきかないので、逃げ後れた高齢者の方々です。

震災復興+国土強靭化+東京五輪が三本の矢

日本の街を奇麗と評価する人もいますが、別に建築家が偉い訳ではなく、職人が良い仕事をしているだけです。その職人さん達の技術を後世に伝える事は、現代に生きる者の務めです。
私は「震災復興」「国土強靭化」「東京五輪」こそ本物の「三本の矢」であると考えています。これらの需要によって発生する人手不足こそ、減り続けた人件費を正常化させる建設業界の希望なのです。

『日本最低戦略を続ける安倍政権にNO!

そのチャンスにわざわざ外国人労働者を入れて賃金を抑制しようという、安倍政権の産業競争力会議が提案した「日本再興戦略」は、私に云わせれば、「日本最低戦略」です。
「情けは人の為ならず」昔の人は良く言ったものです。安倍政権の1000%間違った政策を批判する事は、実は、私自身を助ける事になる・・・・これが『私の経世済民論』なのです。

『本エントリーは平成26年7月14日記事の加筆修正したものです』

『写真ローマMAXXI/設計:ザハ・ ハディド』

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