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『バラマキ大好き!』
私は、公共事業をドンドン推進すべきという、ハイパー土建論者を自称しておりますが、同じバラマキでもベーシックインカムに代表される給付金には大反対です。補助金、助成金などは大賛成なのですが、公的部門が個人に対して、無条件にかつ直接的にお金を渡すことに嫌悪感を抱いています。
『お金って何だろう?』
ベーシックインカムに賛成する人々の思想の根底にあるのは、お金をモノだと考えていることです。飢える人に、食べ物を与えるのと同じ感覚で、お金をバラまけ!という発想には賛同出来ません。私は、お金をモノだと考えていません。お金の本質は、モノを交換するためのシステムなのです。
『マネーの歴史は興味深い』
経済学的な、お金の定義については「価値の尺度」「価値の保蔵」「交換の媒体」の三つの機能があるとされます。お金について考えるときに「21世紀の貨幣論」というお金の歴史を解説した本に大変興味深い記述があります。ブロガーの「シェイブテイル日記」さんが簡潔に紹介しておりますので是非ご一読下さい。
『物々交換など無かった』
一般常識として、人類の歴史は、物々交換の社会があり、それが進歩して、お金が生まれ、最終的に高度な決済システムが確立したと思ってしまいますが、実は、どんな原始的な社会でも、物々交換など存在していないというのです。代わりに取引の為の決済のシステムが最初から存在していたそうです。
『アダムスミスはナゼ間違ったか?』
経済学の始祖とされるアダムスミスも物々交換を想定していたそうです。どうして彼が間違えたか?私なりに考察すると、お金がモノとしての機能が強まるのは、社会が安定し、マネーの取引としてのシステムが安定化している時です。ところが戦争などによって共同体が崩壊したらどうなるでしょうか?
『モノとしてのマネーからシステムを再構築』
その場合は、ゴールドなどの希少金属などのモノを基準に、決済のシステムを再構築すると思われます。逆に考えれば、アダムスミスが物々交換の社会をイメージしたのも、国家が興亡を繰り返す西欧社会的な世界観です。システムとしてのマネーより、モノとしてのマネーに重きが置かれる社会が西欧文明なのです。
『総ての問題は財政出動で解決可能』
今の日本社会の様々な問題のほぼ総ては財政問題に行き着きます。現在日本では財政破綻はあり得ない話であり、日銀が通貨を発行して政府がお金を使えば、解決する単純な問題なのです。ところが、巷では、このような機能的財政論に基づく、経世済民思想は少数派です。
『現代社会のマネーの問題点』
機能的財政論とは真逆の財政破綻論者の立場とは、政府や企業にとって重要なのは、モノとしてのお金の価値を維持することであり、国民経済を豊かにする事よりも、マネーの価値の保持が、至上命題となっているとも表現出来ます。
『経世済民の思想としてのマネー』
日本で15年以上デフレが続き、人類史上最低の金利となっているのも、人々の暮らしの安寧より、モノとしてのマネーの価値の保持に政策の重点が置かれ過ぎているからです。経世済民の思想に基づいて、国民経済を豊かにするためには、マネー至上主義からの脱却が急務です。
『お金はモノでは無くシステムである』
先に紹介した「21世紀の貨幣論」では、マネーの本質がシステムであることを見抜いていた二人の経済学者が紹介されています。一人は当然ながら機能的財政論に一番近い思想を持つケインズです。そして驚くべき事に、もう一人は、ネオリベの始祖とされるミルトン・フリードマンです。
『ネオリベは人間をシステムに置き換える』
フリードマンは、ベーシックインカムを提唱したことで知られています。お金をモノとして捉える制度を何故フリードマンは主張したのでしょうか?もしかしたら、人間を、モノですら無く、システムとして捉えていたらツジツマが合います。これはネオリベが人をヒトと思わない思想である一つの証拠なのです。
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