「バットマン ビギンズ」
「メメント」「インソムニア」のクリストファー・ノーランが“バットマン”を演出とはまずは驚き!
監督:クリストファー・ノーラン
出演:クリスチャン・ベイル、マイケル・ケイン、リーアム・ニーソン、モーガン・フリーマン、
ゲイリー・オールドマン、他
今回は4つのキーワードからそれぞれ書いていきたいと思います。
【バットマンシリーズ】
まずはバットマンシリーズ4作の見た印象からですが、
これが結構長くなってしまいましたので、前日に「バットマンシリーズ」について
でまとめてあります。
そちら
をご参照下さい。
そして今回「バットマン ビギンズ」は、バットマンの始まりの物語として、
ちょっとシリーズ番外編的な作りなのですが、
そこへクリストファー・ノーランが登板という事で、次は…
【演出】
クリストファー・ノーランの演出についてですが、
私の印象としてはこの作品が第1作のティム・バートン編につながっていく流れを意識してか、
大分第1・2作目のティム・バートン版に近い感覚を受けましたね。
最初は「メメント」「インソムニア」の監督が“バットマン”を演出ということで、
「大丈夫かな」とも思いましたが、見てみると
全編を漂う【重く】【暗く】【寒々しい】雰囲気作りなんかは、
まさに【「インソムニア」の監督の作品】ならでは、といった感じでなかなか健闘しております。
しかも暗く重い雰囲気を全面に出しながらも、
思いきってバットマンを【格調高い】世界まで持ち上げていってるのは、
クリストファー・ノーラン演出ならではのポイントじゃないでしょうか。
まぁ、ジョエル・シューマカーのように“アメリカンコミック”の世界として
割りきったノーテンキな演出をするのも、娯楽作品としてはアリなのかもしれませんが、
「なぜブルース・ウェインはバットマンになっていったのか」が本作の最大のポイントですし、
【ブルース・ウェインの悩み】を全面に出すためには、こういう重い演出もありかな、と思います。
但しティム・バートンは重く暗い雰囲気ながら、
そこに【オタク的】なキーワードを随所に散らすことによりマニアックなおもしろさを作り出していたのに、
クリストファー・ノーランの演出はマジメ過ぎるため、暗く重い雰囲気がストレートに伝わりすぎて、
ヒーロー物としての爽快感に欠けてしまったキライはありますが、でも…
【主役 ブルース・ウェイン役】
主役のクリスチャン・ベールの好演で大分救われています。
いや、「マシニスト」
を見た時に、クリスチャン・ベールの次の作品は
「バットマン」の【ブルース・ウェイン役】と聞いた時はこちらも「大丈夫?」と思いましたよ。
あんなガリガリのバットマンってねぇ…って、それは「マシニスト」だけの役作りでしたね。
何よりクリスチャン・ベールのブルース・ウェインには【若さ】にあふれているのがいいですよね。
やっぱりヒーローには【若さ】と【強さ】がないといけませんよ。
お世辞にもマイケル・キートンじゃとても出せない要素です。
クリスチャン・ベールはこの要素を前面に出して演じてますから、
彼の【悩み】も嫌味なく「若い頃は悩むモンだよ」と共感をもって見ることが出来ます。
また…
【共演者たち】
この【若いブルース・ウェイン】をベテラン共演者たちがフォローするかのように随所に配置されていて、
私はこの豪華な共演者たちをみてるだけでも充分楽しめましたね。
マイケル・ケイン、トム・ウィルキンソン、リーアム・ニーソンと
イギリスのベテラン俳優陣を数多く使っており、またこのイギリス陣がなかなかの好演揃いで、
クリストファー・ノーランのこの作品で狙った【格調高い世界作り】に一役かっています。
他にもケイティ・ホームズも可憐だし、モーガン・フリーマンも「ミリオンダラー・ベイビー」に続く好演。
期待の渡辺謙のラーズ・アル・グール役は、
何だかワケの分からぬ東洋人に成り下がっちゃってまして、こちらはガッカリ。
しかし私は次の2名を特筆しておきたい。
まずはルトガー・ハウアー。
いまやB級映画専門の俳優になってしまっているようで、本当久々のご登場。
特殊メイクなのか、そのすっかりフケちゃった容姿は、
最初とてもあの「ブレード・ランナー」のレプリカントとは信じられませんでしたが、
でもあの冷たい雰囲気は彼ならではのもので存在感タップリ!
もうちょっと他の作品でも引き続き彼の姿は見てみたいなと思わせる出来。
そして次がゲイリー・オールドマン。
彼が「ハンニバル」のメイスン・ヴァージャー役で出演してたのには驚きでしたが、
あれは特殊メイクで彼とはわからないのが当たり前でした。
しかし今回のうだつの上がらない中年の巡査長、ジム・ゴードン役は、
素顔で出ているにもかかわらず、全く気付きませんでした。
本当「誰だろう?この地味な俳優さん、劇中よく出てくるな~」という程度の認識。
ところがエンドクレジットでゲイリー・オールドマンと知ってビックリ!
実力派の俳優で、作品ごとにアメーバみたいにコロコロ役変わりしながら演じるのは有名な話でしたが、
今回も見事一本とられましたワ。
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