フェルナンデス物語 “オーサーとの出会い”編 | みみゆんの羽生結弦選手全力応援ブログ♡オタ活 羽生くんの素晴らしさを伝えたい⭐︎

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時々ハビエル・フェルナンデス元スペイン代表の情報も書いてましたww
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Spanish Player GO ♯20  2015年3月号 

“Bóreas asalta el Olimpo del hielo.”
(ボレアス、リンクのオリンポス神々を襲撃)
※ボレアス…ギリシャ神話の北風の神


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記事リンク

※大変長い内
容のため(14ページ)途中のオーサーとの出会いから訳しています。
※ところどころ神話的表現あります。




オーサー門下へ  ~コーチ変更 ~  

しかしながらハビエルの気持ちは全てがポジティブというわけにはいかず、ニコライとの師弟関係を終わりにする事に決めた。
モロゾフの故国ロシアでの長期滞在を伴う絶え間ない移動、不安定な生活で彼のトレーニングは危うい状況にあり、気持ちは揺れ動いていた。

ハビエルは自らスケートレッスンを計画し決めなければならない事を悟った。さまざまな疑念や不安の中、彼の熱意は凍てつく大地へ放られた。

ここで停滞したくなかった。
彼の進化の過程においてヨーロッパ選手権の9位という順位は初出場8位より後退させるものだった。うまく進んでいるとはいえなかった。

シーズン終了後、彼はすぐに新しいコーチのキャスティングを始めた。そしてその中からあの傑出した人物、ブライアン・オーサーを選んだのだった。

彼の指導に身を置くためにトロントへ引っ越さなければならなかった。トロントはオーサーのトレーニングの本拠地が存在する都市である。
スケーターとしてまだ短いハビエルの《見聞録》において、また新たな旅が始まることとなった。
そしてその選択は間違っていなかった。

フェルナンデスはこのグループの中でただ1人スペイン語圏の弟子だったが、すぐ周囲に馴染んだ。
到着数日後に受けた歓待ぶりは忘れることが出来ないものだった。

クリケット・スケーティング&カーリング・クラブの驚くべき歓待の一つ。それはハビエルに敬意を表し、スペイン国旗を掲げて迎え入れてくれた事だった。
その配慮はカナダ生活の初めての瞬間で感じた、最も心を揺さぶられた出来事の一つだった。

ブライアン・オーサー。
歴史的名声が広く知れ渡っている指導者である。

オーサーは大舞台で金の褒賞をハビエルの首にかけるために、宝石を研磨する“金細工師“として働かなければならなくなった。
彼の“工房”にはデヴィッド・ウィルソンの援助という非常に適切な“振付の道具”を備えていた。

ハビエルの新たなコーチ陣は、完璧でミスのない“マシーン”のように能力をみせる段階を目指し、良いところは際立たせ、弱いところは目立たせないようにするという挑戦に挑むことになった。

ぐずぐずしている時間はなかった。
エリートスケーターの人生は非常にはかないものだ。
30歳より前に、“パルカス”(ローマ神話の運命の糸(生死)を司る3女神)によって現役生活の“糸を絶たれる”のが常である。

ハビエルはフィギュアスケート界における“セミディオス”(半神半人・神と人間の間に生まれた子)候補であった。

だがその身分をもってしても“不死”を享受することは出来なかった。


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オーサーの“霊薬”の効能

彼に神のオーラをもたらした“エリクサ”(錬金術で飲めば不老不死が得られる魔法の霊薬)は、練習、少しの幸運、頭の働き、少しの自信が処方成分ではなかった。
それは謙虚という“乳液”で包まれていた全ての可能性、そしてオーサーという錬金術師が秘密の成分を加えて露わにした“特別な才能”だった。

その煎じ薬の効能は唯一つ。ずっと服用し続けることだ。
その確実性において、中断することなく飲み忘れを最小限にとどめないと、いかなるポジティブな兆候が現れても台無しになるからだ。

ハビエルはスケートのための生来的長所と才能に溢れていた。

こうしてオーサーへの師事は初めてのグランプリファイナルへのパスポートを手に入れた事で、まず証明をはたした。ここでは銅メダルを獲得した。

ハビエルはスケートカナダとロステレコム杯での獲得ポイントによって、今日までスペインにとって禁猟区域だった地へ遂に足を踏み入れることができたのである。
2011-12シーズンにおける最大の収穫だった。

まだ矯正すべき欠点はたくさんあった。このシーズンのヨーロッパ選手権(6位)や世界選手権(9位)はフリーのミスによって表彰台の選択権を奪いとられた。

コンビネーションジャンプとトリプルアクセルの失敗が彼の目標へ向かうことを阻止した。
しかし総括として、見通しは非常に明るかった。
彼の進歩過程でさらなる一歩が踏み出せたからである。

世界トップを争う試合の雰囲気は刺激となった。
次の2012-13シーズンはカナダのパトリック・チャンと日本の羽生結弦が他を引き離し傑出した存在になった。
しかしハビエルは遅れをとっていなかった。
それどころかその隔たりを乗り越えられる所まで来ていた。
スケートカナダではパトリック・チャンを破って優勝、国際試合で初めての勝利になった。

グランプリファイナルではメダルを取れなかったが、“そのテクニックは信任に値する”と評価された。彼の3度の4回転ジャンプはファンやジャッジを驚かせ、自身の代名詞として紹介文にも選ばれるようになった。

彼の秘密。それは別の方向へ舵が取られても、常に同じ針路へ操舵しつづけたことだった。


【参考】wikipediaより
ボレアス…ギリシャ神話の風の神たち“アネモイ”の1人。冷たい冬の空気を運ぶ北風の神。

パルカス…ローマ神話の運命の3女神。ギリシャ神話のモイラと同一視。
・デキマ  運命の糸を配る (誕生)
・ノーナ  運命の糸を紡ぐ
・モルタ  運命の糸を絶つ(死)