mokaのお楽しみのmoka様のお宅で何やらお祭りが開催されているご様子・・・

祭りとなるとのぞかずにいられないyununo♪

そこにはこんな素敵な企画が!!コレ コレ

はじまりは・・・ 「財布忘れた・・・」
お話お披露目会場・・・ 「思いつきアンケートのお宝お披露目会場」

今回、yununoもこそこそっと会場に入り込ませていただくことに大成功!!
お話をUPさせていただくことになりました。


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↑このラインまではmoka様がお書きになり、その続きからyununoが書かせていただきました。
尚、UPするにあたり、moka様に許可をいただき行間等を少しいじらせていただいております。



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昼なのに薄暗い雨の中、


「どうしたの?」


不思議そうにキョーコに声をかけたのは、 蓮。

キョーコは、はたと、足を止めます。
思いあまって、ロケ先を訊ねたものの、何か用事があったわけではありません。


・・・ただ、姿を見たかっただけ。


・・・そんなこと、言えないのに。


「最上さん?」


近寄ってくる大きな人。
翳している傘も大きくて、キョーコとの間を遮る雨脚がどんどん少なくなります。
それは幕が一枚一枚開いていくようで。
心配そうにキョーコを見るその整った顔立ちが、黒い瞳が、だんだんとハッキリ目に映ります。


ぽつん


キョーコの傘に大きな雫の落ちる音がして 。
隔てる雨の幕もありません。


「・・・・暖めて下さい。」



*:..。o○☆゚・:,。*:..。o○☆



キョーコの言葉に蓮の思考がふと止まります。
伸ばそうとした手も中途半端な位置で動くことを忘れてしまったようです。

愛しい愛しい彼女。
自分はいまだ、先輩という立ち位置から抜け出せないまま。
だから、先輩という立場そのままの言葉しか出てこないのです。


「最上さん、どうした?何かあったの?」


でも、キョーコから零れ落ちたのは同じ言葉でした。


「・・・・暖めて下さい。私を・・・暖めて下さい・・・」
「・・・・っ!」


あまりにか細く頼りない声に、気が付けば蓮は傘を打ち捨てて、キョーコをその腕の中に抱き締めていました。
雨が2人の身体を冷たく濡らしていきます。
なのに、キョーコはこう呟くのです。


「敦賀さん、温かい・・・」
「最上さん・・・」
「もう少しだけ・・・もう少しだけでいいんです。このままでいてください。」


キョーコはなぜ自分の温もりをこんなにも求めるのか・・・
蓮にはわかりませんでした。

もしかして俺を好きでいてくれる?

そんな自分の都合のいい考えの中に、キョーコをはめ込もうとしてしまいます。
期待してはいけないと、自分の考えを押しやろうとしたその時でした。


「敦賀さんに抱き締められていると、ものすごく安心できるんです。だから・・・もう少しだけ、敦賀さんの腕の中にいさせてください・・・」


震えた声でキョーコが呟きました。
あまりにも哀しげに響くキョーコの声に、蓮は迷いを封じ込めました。
そして、優しく告げるのです。


「最上さん、君はいつまでも俺の腕の中にいればいい。仕事の時は叶えてあげられないことも多いけれど、そうじゃない時・・・俺が俺でしかない時は、俺の全部は最上さんのものだから・・・」
「敦賀さん?」
「最上さんのことが好きだ。」


キョーコは蓮を見上げ、その瞳には綺麗な涙のしずくがあふれそうになっています。
蓮はキョーコの頬をそっと包み込み、小さな桃色のくちびるにそっと触れました。


「今日・・・ここに来たのは・・・あなたの姿を・・・・・ただ見たかっただけなんです・・・少しでいいから。だって、私もあなたが好きだから、だから、会えないと寂しくて・・・」
「うん。ありがとう・・・俺も最上さんに会えないと寂しいから、来てくれて嬉しいよ?・・・・もう仕事も終わったし、一緒に帰ろう?」


キョーコはコクンと小さく頷きます。
その顔には穏やかな笑顔が浮かんでいました。


「ごめんね?俺がいきなり抱き締めたから、服・・・」
「大丈夫です。敦賀さんが暖めてくれたから、寒くないです・・・」
「最上さん・・・そんなこと言うの反則・・・」


照れて耳まで染めた蓮を、キョーコは幸せそうに見つめました。
そして、蓮もそんなキョーコを幸せそうに見つめました。


「さあ、帰ろう?」


大きな傘の下、寄り添うように歩き出した2人。
そんな2人を導くように、空は仄かに明るく輝き始めていました。




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moka様、今回は企画への参加をご快諾いただき、本当にありがとうございました!!
今後ともどうぞよろしくお願いします!!!きゃー