2014年 4月 5日。 朝、4時半起床。顔を洗って、歯をみがいて、身支度。外は暗いし、すごく寒い。 5時半前に部屋を出て、食堂で頼んでおいたお弁当をピックアップ。 それぞれに、朝ごはんと、昼ごはん、2つのお弁当を、ザックに詰め込む。 いよいよ、今日から 2日間、屋久島のトレッキング。 世界はまだ寝静まってる。暗闇のなか、ひっそり、こっそりと、ワクワクを胸にしまい込んで出発です。 5時半には、「旅楽」のガイドさんと、タクシーで出発! 白谷雲水郷の登山口まで向かう車のなかでは、ワクワク、ドキドキが弾けて、みんな急に饒舌になってしまった。 登山口の小さな休憩所で食べた、朝ごはんのお弁当。 とにかく、寒い。ガイドさんが配ってくれた暖かいスープがめちゃくちゃしみる!
これが、午前中のわたしを動かすエネルギー。さあ、頑張るぞ。
みんなそれぞれに靴ひもを結びなおし、トイレに行ったり、ソワソワと登山の準備。 これから 10時間、ぶっつつけで山に登ります。こんなのって、みんな初めての経験。
登山口にあった地図で今日の行程を確認し、出発。 すがすがしい川の流れる音を聞きながら吊り橋を渡って、いよいよ、屋久島の森へ。
屋久島は、一か月に35日雨が降るといわれるほど、雨の多い土地。 屋久島の森は、その雨の恵みを存分にうけて成長しました。そんな森の主役は、実は、苔!
島には実に 600種に及ぶ多種多様な苔が生息しています。 苔があったからこそ、岩がちなこの島で植物が育つ土壌が生まれたのですね。 これは、通称 「いたちのしっぽ」 と呼ばれる苔。さわるとモフモフ。これも苔なんだ!
苔に注目してあるいていくと、ほんとうに苔の多い土地なんだなってことを実感。 緑の森の、緑色は、苔の色だったんですね。
澄んだ水がさらさらと流れてく。屋久島の水は飲めるので、このあと、川の水や湧水でコーヒーを入れたり、飲み水にさせてもらいました。森の恵みです。
「くぐり杉」 と呼ばれる、二股の杉の木。
倒木の上に杉の芽が育ち、根を張ったのちに、倒木のほうが朽ちてなくなって、こういう二股の杉の木になったんだそう。数千年もの時間をかけて作られてきた屋久島の森には、こういう、二世、三世の杉がたくさん。
そんな屋久島の森では、1000年以上経過していない杉は 「屋久杉」 と呼ばれず、「小杉」 と呼ばれているんだって。数百年も生きているこの杉も、まだまだ小杉。それに比べて、数十年しか生きていないわたしたちなんて、どれだけひよっこなんだろう。
もののけ姫の森のモデルになったといわれる屋久島の森。 ここ白谷雲水郷には、いくつか映画にも描かれた風景があるんだそう。
「苔むす森」 と呼ばれる場所は、まさに苔の森。
石にも木にもびっしりと苔がむして、太陽の光でキラキラと緑に輝いてる。
光がやわらかくて、暖かい。「きれい」 って言葉ではちょっと足りないくらい。 ここでしばらく休憩をとりました。なんといっても、これからが登山の正念場。 「洋上のアルプス」 と呼ばれる屋久島は、海からまっすぐ、すぐに山につながっている不思議な地形の島。(雨が多いもそのためです)。屋久島を歩くというと、「ちょっとハードなハイキング」 を想像しますが、実際には結構な勾配を歩く登山道もあり、白谷雲水峡からの道は、案外手ごわい。
のぼりが急になってきて、レンタルした 「ストック」 がめきめきと役立ち始めるのがこのころ。 呼吸が大きくなり、体がどんどん温まってくる。朝はあんなに寒かったのに。
歩きにくい急こう配の道も多くて、手を使ったり、次の足をどこに置くかまで考えながら歩くのだけれど、これがなんだか、すごく面白い。 そんな急なつらいのぼり道をのぼりきって到着したのが、太鼓岩。 岩がたまねぎの皮のように薄くはがれた部分があって、そこをたたくと、中の空洞に反響して音がするので、そう呼ばれています。
だけど、太鼓岩のすばらしさは、その小さな音ではなくて、間違いなく、この眺望! 緑に覆われた山からひょこっと突き出したこの大岩は、まさに天然の展望台です。
屋久島の岩は花崗岩という岩で、雨により浸食のため表面がざらざらしていて、すべりません。なので、トレッキングシューズを履いて入ればかなり安全なのですが、高所恐怖症の友人は端っこには近づきませんでした。
そんな岩の上で行われる「旅楽」名物のアクティビティが、この、「旅楽スペシャル」 !!
足元をおさえてもらって、石の端っこでひっくり返ってみるだけなのですが、これが、実際にやってみるとすごく怖い!!
写真でみると、ほぼ背中もついてるし安全じゃん!って風に見えるけれど、石の端が斜めになってるので、背中がなかなかつかない。自分の感覚では、完全に、上半身が石から空中にはみ出してるような感じなのです。 ●
太鼓岩からすこし下って、きれいな水場の近くでお弁当。 今日ふたつめのお弁当は、二段重ねのおにぎり弁当。山ではごみを捨てられないので、基本的に食事を残すことがNG。毎回きっちり食事を食べきるので、案外空腹で疲れがでることはなかったな。
シカも食事中。そうそう、山では屋久シカの姿もたくさん見かけました。
午後は、縄文杉を目指して、つらいのぼりが続く道をゆきます! タクシー代 3000円くらい? 入山料 300円 お弁当 朝食 600円、ランチ 650円
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