ブログネタ：眠るのと食べるのどっちが幸せ？
参加中「人が生きていくには睡眠と食事が欠かせないけど、どっちが満たされる方がより幸せなんだろうな」
「あらそう」
「いや、質問してるんだけど……例えばお前はどっちが幸せなんだ？」
「あらそう」
「いや、ちょっと真面目に答えて欲しいんだけど……お前の場合はほとんど寝ないらしいけど、たまに寝るとすっきりして幸福感があるとか、もしくはフライドポテトを食べると幸せだとか」
「あらそう」
「こら！ちゃんと話を聞いてくれ！どういうつもりなんだ！」
「うるさいわね。さっきからあらそうって言ってるじゃないの。私はついにあなたと争う事に喜びを見出し始めてしまったのよ。早く引っぱたくからこっちへ来てちょうだい」
「おい！何が何だか分からないぞ！じゃぁもしかしてお前が叩いた後は僕がお前を叩くのか？」
「まぁ、あなたは何の躊躇いもなく恋人の頬を張るという暴挙に出るような人だったのね、失礼な。私が叩かせたら面白くも何とも無いじゃないの。つべこべ言わずに早く頬を出してちょうだい」
「お前が僕の頬を張るのは暴挙とは違うのか？っていうかそれじゃ争いじゃなくて一方的な暴力だぞ！争いってのはもっと攻防があるものなんじゃないのか？」
「うるさいわね。だから私だけが叩くとさっきから言っているじゃないの。一体何が問題なのかしら。早く頬を出してちょうだい」
「僕だけが叩かれる展開のどこに攻防があるんだ！お前の攻撃と僕の防御だけだぞ！」
「うるさいわね。だから二人合わせてちゃんと攻防になっているじゃないの。あなたも攻撃してしまったら攻防ではなくて攻攻になってしまうわ。煌々と輝く高校生だからといってそんな荒行は感心しないわ。今回は【あらぎょう】ではなくて【こうこう】と読んでちょうだい」
「そんな言葉遊びで納得出来るような内容じゃないぞ。やっぱり攻防ってのはちゃんとお互いに攻撃と防御が……」
「うるさいわね。今まさにあなたは必死で私に言葉による攻撃を繰り出しているじゃないの。それに私だけが攻撃をすると言い張る事が私にとって最大の防御にもなっているのよ。そういう点でも見事に攻防が行われているわ。言い残す事が無ければ早く頬を出してちょうだい」
「確実に理不尽過ぎるわりにはこのままじゃ言いくるめられそうな気がしてきた……と、とにかく僕は理由無く叩かれるのは嫌だぞ」
「あら、立派な理由があるなら叩いても構わないみたいな口振りね。理由はもちろんあなたを叩きたいからよ。早く頬を出してちょうだい」
「うううっ、や、やっぱり納得出来ないぞ！叩きたいからって叩けるなら、僕だってもっとお前と手を繋いだり腕を組んだりしたいし……」
「あら、という事はこうして……あなたの願いを聞き入れて腕を組めば引っぱたいても構わないのかしら？」
「うっ、しまった。やっぱりそれは無しで……」
「まぁ、腕も組んで欲しくないのね、失礼な。でもそう簡単にあなたの望みだけを叶えるわけにはいかないわ。言われればすぐに私が離れると思ったら大間違いよ。私は嫌だけれどあなたが離れたがっているなら我慢して腕を組み続けるしかないわね」
「う、うん。この状態に関しては異論は無いんだけど……いててててて！腕を抓らないでくれ！」
「うるさいわね。引っぱたく代わりに引っ張るだけで済ませてあげようとする救済措置よ。そもそも私がいきなり引っぱたいたりするはずがないじゃないの、失礼な。あまり失礼な認識を続けているといよいよ引っぱたくしかないかもしれないわね」
「ど、どっちなんだ結局……でも分かった。どうせ腕を組むといつも抓られるし、だったらこのままで僕は充分幸せだぞ。じゃぁ改めて質問なんだけど、お前は睡眠と食事と……」
「しつこいわね。私が眠らないという事実を考慮するまでもなく食べるのが幸せに決まってるじゃないの。他の幸せなんて何も無いと言っても過言ではないわ。あなたとの恋は腹の足しになってはくれないもの」」
「そ、そんな。僕と一緒にいても幸せは感じないのか」
「違うわよ。あなたとの会話は私のためになくてはならないもの、って言ったの。私にとっては会話だって食事と同じなのよ。素材となる言葉を吟味して選んで料理して、頭の中で咀嚼して噛み砕いて消化するのよ。生きていくためには欠かす事は出来な……って、何を長々と説明させているのかしら、みっともない」
「……今みたいな内容ならもっと話してくれても構わないぞ。もっと聞かせて欲しいな」
「うるさいわね。さっき私が争うって言ったからって、私の冷静な心を荒らそうとしないでちょうだい」
「クリックしない人とは徹底的に争ってやろうかしら」
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