【会話ブログ】人間は絶対に遅刻をしないはずなのよ | 【会話ブログ】

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遅刻確定。言い訳の定番は? ブログネタ:遅刻確定。言い訳の定番は? 参加中


「今日はずいぶんと遅いわね。この私の貴重な時間をどうしてくれるのかしら。学校には何とか遅れずに来るクセに、休日の待ち合わせに遅れるなんてとんでもないわ。むしろこっちに遅れないように全身全霊、前世も来世も懸けるべきじゃないかしら。まぁ、失礼な。今のこの人生を懸けなければ意味が無いじゃないの。私に甘えてたるんでしまった意識を認識させる必要がありそうね。これで遅刻の言い訳まで面白味に欠けていたらとても許せない事態ね」

「ご、ごめん!遅くなって……待ったか!?」

「あら、私が待っていないようにも見えるという事かしら?だとしたらその理由を聞きたいわね。次回からはしっかりと改善して待ちくたびれて憔悴して疲弊しきった様子で待ってみたいわ」

「ううっ、そ、そういう意味じゃなかったんだけど……ごめん、遅れて」

「ええ、あなたが遅れた事実については世界中の誰よりも把握しているからわざわざ告げなくても良いわよ。それよりも遅刻した理由の方が重要ね。出来たら面白おかしく聞かせてもらいたいわ。多少の演出が入っていても構わないわよ」

「ええっ!?なんとハードルの高い……ああ、だから、えーと、家からここまで等間隔にハードルが並べられてて、僕の中のアスリート精神が刺激されたから飛んできたんだ。でも途中で何回か転んだのが遅れた理由……なん……だけ……ど……」

「……………………」

「うっ、無言が一番辛い……ああ、それなら、えーと、今日は何故か目覚ましが鳴らなくて、気付いた時にはもう遅れてたんだ。怒った僕が何故鳴らなかったのか目覚まし時計に抗議すると、【人間だけじゃなくて目覚まし時計にも休日があるべきだ】とか言われて、【だったらそんな事も言ったりせずに完全に黙ってた方が良いぞ】と言い返したりして口論に……」

「あらそう。もう良いわ。事実を教えてちょうだい」

「ううっ、聞くだけ無駄、ってカンジか……一応事実は今話したのとあんまり変わらないぞ」

「あらそう。道中に等間隔で棒高跳びのセットでも置いてあったのかしら?それなら事実をそのまま話した方が面白かったかもしれないわよ」

「いや、そっちじゃなくて、後に話した方のエピソードなんだけど」

「あらそう。目覚まし時計が【これからは目覚めさせない時計だ】とか言い出して、アルファ波の出る音を厳かに鳴らし始めてしまったのね。今は不眠に悩む人も多いし、私としては逆に人々を眠らせるそういう時計が世の中には必要じゃないかと思っていたのよ。要するに眠りを誘う時間と起きる時間、二つの時間をセットするわけね。今すぐ時計会社にアイディアを持っていって商品にしてもらいましょう」

「そのアイディアは否定しないけど、僕が遅れた理由とは違うぞ!単に目覚ましが鳴らなかっただけだ!」

「うるさいわね。分かっているわよそれくらい。私を誰だと思っているのかしら」

「うん……まぁ普通は確率的にもそれくらいしか理由なんてないもんな。とにかく遅れてごめん。ちなみにもしお前が遅れたらどんな言い訳をするんだ?」

「そうね。私は例え時間に遅れたように見えたとしても、絶対に遅れていないのよ。そこをちゃんと説明するかしらね」

「どういう事だ?」

「例えば学校に10時頃に登校したらどうなるかしら?恐らく遅刻と言われるでしょうね。でも私はもっと他の大事な行事の時には遅れないから良いのよ。もし修学旅行の日に遅刻したら大変じゃないの。その日に遅刻しないように、代わりに今日遅刻したのよ。未来の遅刻をあらかじめ先取りしているだけだから今日怒られても筋違いよ。もし修学旅行の日に先生が今日の事を覚えていたら叱ってちょうだい、と言えばどうせすぐに忘れてしまうわ」

「先生によってはかえって怒りそうな気もするけど……でも先取りしたのに修学旅行の日にも万が一遅刻したらどうするんだ?」

「そこまで遅刻したら私としてはその度胸とずさんな自己管理を褒めてあげたいくらいだけれど、そうもいかないでしょうね。でもその時の一度だけこっぴどく叱られれば済むじゃないの。もしくは卒業式の日の遅刻を更に先取りした事にすれば良いかもしれないわね」

「なるほど。あくまで未来に遅刻しないために今のうちに遅刻しておくって事か。それは何とも……」

「引っぱたくわよ」

「おい!まだ何も言ってないぞ!」

「うるさいわね。【自分は屁理屈ばかり言うクセに僕の遅刻は許してくれないワガママ気まま成すがまま女だ】と言おうと思ったんでしょう?何でもお見通しよ」

「何とも斬新な、って言おうとしただけだぞ!僕の未来の発言を間違って先取りしないでくれ!っていうか、遅刻はまだ許してくれてなかったのか……?」

「言い訳がつまらない事に対してはガッカリしたけれど、遅刻した事に対しては怒らないわよ。私を何だと思っているのかしら」

「そ、そうか。やっぱり何だかんだ言っても優しいよな」

「……違うわよ。私がやったら怒ってしまうのかしら、って言ったの。あなたが遅刻するとどんな言い訳をするのか聞きたくて私が目覚ましを事前に止めておいたのよ。ごめんなさい、悪かったわね。あなたが何を言うのか私はいつも心から楽しみにしているのよ」

「な、な、な。ううっ、謝罪を先取りされて怒るに怒れない……」

「……まぁ、私が謝らなければ怒るつもりだったなんて、意外と了見が狭いわね……もっとしっかり手綱をコントロールする必要があるかしら」

「おい!心の声が聞こえてるぞ!」


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