「避難者の心理支援を考える」学習会@エルプラザ6月15日18:30~21:00
・余市教育福祉村 担当宮井真由さん
・札幌むすびば うけいれ隊 佐々木睦子さん
・北海道教育大学 平野直己先生
*問題点(レジュメ参照)
母子避難68.2%(父親は被災地へ)
母親の負担大、このケアに現在難航中
グリーフケア:震災孤児への対応
家族支援:ご近所付き合いの難航→市民団体への依頼(現在難航中)
*問題点
親の精神的苦痛がひどい。祖父母は、放射線気にせず。
福島県人は若いうちから、家を買う。一軒家のローンの返済に経済的苦労大。二重生活というしがらみ(父が札幌に来ると、就職先が見つからない。)
セシウムが半減するのは、100年後(戻りたいという気持ちと、戻れないという葛藤が生じる。)
母親の決定権の責任大→負担大(福島という地方文化の影響:父親についていく(亭主関白の典型家族が多い))
母親:現地で暮らした場合、食品(内部被ばくを考慮した)選定が大変。
特に、母親が精神病院の紹介を求めている(精神的苦痛を少しでも和らげたいことからくる。あるいは、精神病院が心のよりどころとなっている。(この点は、ボランティアにとって痛い))
しかし、子どもがわからない(上の子になるほど、馴染めない、体調は被ばくによるもの?、精神的なもの?)そこで…。
「子どもの心のケアチームの結成」(うけいれ隊にて)
北海道教育大学教職大学院教授 平野直己先生(臨床心理学専門)
*平野先生によるフリースクールの開催
震災へのかかわり:教え子に会う、札幌消防団のかたのカウンセリング
・テレビ報道の震災映像にショックを受けた方へのカウンセリング (ただし、報道されているのは、現実味はほとんどないといってよい。被災地の状況はそれほど甘くはない)。
子どもとかかわる人が元気じゃないと! →年に一度、支援者を励ます会開催(単なるBBQだけど、飲み明かして、本音を語り合い、寝不足で帰宅)。
*「遊び」の必要性(僕たちが持つエネルギーを、おすそ分けする。あれこれ考えることも「遊び」である)。遊びの中なら、自然と喜怒哀楽を表現できる(頭が固くなるのは、ダメ)。ただ「支援」を考えるだけではだめ。余裕を持つことが、大事。
*臨床心理、カウンセリング、ボランティアにとって…。
【現場が先にある】(机上の勉強が役に立つときもあるが、その勉強も先人たちの現場での活動が礎である)
*5~6に分かれてグループワークをした。
*グループワーク
(H)さん、(N)さん、(T)さん、(S)さん、平野先生、(K)さん
テーマ【避難者を受け入れる、ということで生じる悩み】
リーダー:平野先生
Sさん:ボランティアを始めて5か月が経つ。まだ被災者の母親と話す機会がなかった。それでも、これから子どもをつれて、「話す」ということを重視したい。先週から来てくれるようになった。母親たちは安心して子どもたちを預け話し合いをした(お茶会のように気軽い感じで)。その時、子どもを見てくれたのは、みちのくKids。今後も協力していただきたい。
・母親たちは、1年たって、これからどうしよう、と悩む。子どもに関しても、悩みがあるようにみえる(しかし、顔には絶対に出さない。ふとしたときの表情からの推測)。
母親たちはどんな感じ→苦労はほとんど見せない、母親がどれだけの思いか。
Sさんは、支えになりたい。支援したい。原発に関して考える。子どもをどう育てる。自分の子のように。
Tさん:9月から。行事でのみちのくKids参加。手伝いしたい。情報が伝わらない。地域の自分たちは彼らをわからない。入ってきたばかりのひと、【話を聞く】ということが、何よりも大切。
コーディネータとしてのケアについて勉強したい。どこまでの距離で接すればいいか。結局は一人。
近所づきあいとしてのよさ。支援されるという関係ではない。むしろそのような関係はやだ。
平野先生:東北の人たちは優しい。もしかして、無理して、よさげでいる。
Tさん:ふれあい、つながりが増える。畑の付き合い。再会してこその支援。形にこだわりたくない。これこそが【支援】(自然に触れることが難しい。)些細な言葉がけから、つながりが生まれる。
Nさん:当日ボランティアでの参加。自然体での支援の在り方がいい。単発的にやるのではなくて、長期的に。 被災地での子どもの「サイレンごっこ」、これを目の当たりにしたとき、どう接すれば、いいのか。
平野先生:自発的がいい。引出すぎはよくない。当たり前にやってる行為は受け入れるべき。だからこそ必要な知識がある。
トラウマティックプレーヤー。居合わせてあげることが大事。支援する人側の支援が大事。相手から教わるもの。
Tさん:パニック障害の方がいる。一人で対応するということが、ケアする側のケアが必要。自分ひとりで抱えていることは、ナンセンス。ケア側がつぶれるのはダメ。
早く結論を出すのは、被災者側にとって、つらい。
Hさん:7年くらいの活動。ここ2、3年。お母さんと子どもでの、うけいれ増。自然の中で遊ぶことが、どれほど大切か。子どもの成長は早く感じる。自然がある。それだけの、自然がある。
平野先生:安心安全の場所を実体験してもらう
Hさん:遊びは、元来、安心安全はない。
平野先生:危険を安心して体験できるのが良い。その場合の危険は良い。
Hさん:心のケアだけでなく、前向きな気持ちを持ってもらいたい。
非日常体験の大切さ、農業体験での道具の使い方。
夢中になれて没頭できる場を提供したい。
Tさん:当事者の立場になることができない。だからこその、つながりを大切に。
何か、足がかりがあればよい。
平野先生:これない人もいる。
それを呼びかける、情報ネットワークがほしい。
被災者さんが、自発的に活動できる(被災者が支援者になろう)
孤立していないけど、一人になれる。一人の時間がほしい。特に「母親」
一人じゃない、一人(つながりがあるからこその一人の時間の大切さ)。
最後のグループ
被災者の雇用、メンタルケアの悩み
うけいれる側からの楽しさを伝えていこう
自然体であれば、良いのではないか。
母親として、避難されている方たち(子ども)にどう伝えていくべきなのか
心のケアのむずかしさ、話を聞くくらいなら。
自分自身が変わらないといけない。
具体的な内容
中学1年「なんで来たの?」担任の言葉。
日本が崩れる、涙ながらに話している(昨日)
『福島からの手紙』 遠い支援ではなく、身近で知ってほしいことがある。
H26年度の被災者雇用の打ち切りに関して。道筋だってほしい。
お茶会の場の開催(みちのく会):情報は共有するべき。場所の変更を望む。他の団体での実施をしたい。
被災者が支援者になる。素晴らしいこと。最終段階だよ。
母親:病気、心配。母親仲間が、つらそうな状態を見て、なんとかしたい。
平野先生:考えるべきこと。自分が大事にしているものが壊される。想像できない体験(根こそぎ体験)。
回復するものではない。一般人は、想像できない。いくら安心安全、言っても、被災者が実感することが大事。
遊びで注意
コミュニケーション、
その人の心を傷つけない。意図的に傷つけない。おもてなしの心。
遊びをしている人をみて、その意味を考えよう。みんなで考えよう。きっとわけがわかる。何年後に、「実は…。」を喜ぼう。
引出すぎに注意:特に教員、自然に遊ぶことが大切。
その人たちが(被災者が支援者に)、支える力があるんだ、と感じる。現在は、
(どんなにすばらしい支援でも、その人は弱くなる。)循環システムを作ろう。つながりの輪、そのアイデアを作ろう。それを次の人に伝えよう。次の人に返す。輪を作る発想が大事。
これから、いろいろなことが おこる。実際、これからが(一番お金が無くなる頃)土壇場である。
以上が報告です。
私自身、改めて考え込みました。「支援」ってなんだろうと…。
私が思う支援は、「考える」という行為にあります。ふとした時、講義中、仕事中…。さまざまな場面で「考える」ということの大切さ。震災を忘れない。心に刻むことこそ、「支援」ではないでしょうか??
そして、震災ボランティア、復興の最終段階は「被災者が支援者」になることだとおもいます。
私たち大学生は、なにを思い、何を考えるのでしょう…。行動することも大切です。
私はまず、思っていただきたい。
北の大地からささやかな思いを伝えるということを・・・。
By kawamura
*字数制限により割愛した部分があります。ご了承ください。